完全6号機以降で依存症対策が完遂?
2020.11.02 / コラムギャンブル依存症対策のために警察庁が打ち出した出玉規制が真綿で首を絞められるようにジワジワと業界に襲い掛かってきている。従来の出玉の3分の2に抑えられた出玉規制が発表された当初は「こんなもんで依存症対策にはならん」と批判的な意見が多かった。
しかし、5号機の稼ぎ頭だった凱旋と沖ドキの撤去が迫るに連れて、6号機には悲観論しか漂わない。
「6号機で成功しているホールはあるのか? あったら教えて欲しい」
大手コンサルにこの質問を投げかけたところ返ってきたのは…
「探しておきます」
これからのパチンコ業界をリードするのは若者が入門するスロット。客層の若さから数年後にはパチンコとスロットの比率が逆転する、とまで予想していたのがウソのようだ。
完全に6号機に移行した時、スロット客はどれだけ残っているのか予想もつかないが、年間250日以上スロットを打っている設備機器メーカー勤務の業界人ギャンブラーは、打つのはAT、ゴッド系。ジャグラーや低貸しは一切見向きもしない。
「4号機に比べて今はギャンブル性は半分ぐらいに落ちた感覚ですが、バジリスクのような機械も出てきた。6号機になったら誰が打つのかと思います。私みたいなギャンブラーが止めたらこの業界は終わりです」というように6号機になったら16年間打ち続けている大好きなスロットから足を洗う決心をしている。
ここからはホールの声だ。
「6号機は設定も入れて甘く使っているのに、全く見向きもされない。5号機の時はベタピンでも事故待ちがあったが、6号機では事故待ちすら起きない。投資は変わらないのに、回収するだけの瞬発力が6号機にはない。6号機は少し出るとすぐに止めてしまうので、稼働も伸びない。最初から6号機は敬遠されている。今までスロットを打っていた若者がパチンコに移っている。ベタピン営業のツケが6号機で回ってきた感もあるが、6号機は1回の出玉が削られ、ダラダラな出方。何の魅力もない」(ホールオーナー)と不満と不安を一気に爆発させる。
スロットは、代替え需要はあるものの、スロット販社の関係者はこう話す。
「お客の着かない6号機におカネを使うよりも、パチンコ島にした方がいい。スロットは1年待った方がいいのが出る可能性もある」
ここまで悲観的な見方しかない6号機は、出玉規制によって依存症対策が完遂されることになってしまうのだろうか?
「警察の顔色ばかり窺っているから業界は衰退していく。抜け道を探すのが得意な業界だから伸びた」とは80代のオーナー。
もはや黙っていてもお客が入って、黙っていてもおカネが入ってきた時代ではない。そういう昭和的な考え方も捨てなければ令和時代には生き残っていけない。