中国:政府, 中国人の外国カジノへの勧誘の違法化を検討~ジャンケットの活動,著しい制限へ
2020.10.25 / カジノ【海外ニュース】
10月13日、中国国営通信社・中国新聞社(China News Service)は、全国人民代表大会・常任委員会は、刑法改正に取り組んでおり、”中国人を外国のギャンブルに勧誘”を新たに犯罪とすることを検討していると報じた。
同時に、中国本土内における違法ギャンブル運用の罰則を強化する。
現時点では、詳細は未定。中国政府の主たる規制対象は、ジャンケットの外国におけるビジネス、とりわけ、オンライン、プロキシーベッティング(電話)と考えられる。
中国では、外国事業者、外国人によるギャンブルの直接募集は禁止されている。一方、ジャンケットのパートナーであるエージェントは、主にVIPをマカオ、海外のギャンブルに勧誘している。
6月以降、中国政府は、中国本土からのギャンブルによる資金流出に関する規制強化の方針を強めている。
6月には、中国人民銀行(中央銀行)が、クロスボーダーののギャンブリングに関わる資金流出の仕組みの阻止は、中央銀行に与えられた”重要な政治的使命”である」とのステートメントを発表。
8月27日、中国国営通信・新華社は、中国政府(The Ministry of Culture and Tourism)が、外国におけるギャンブリングを含む観光地のブラックリスト・システムを構築すると報じた。
中国:政府, 海外カジノ都市のブラックリスト策定, 渡航制限へ~ジャンケット規制の可能性
8月27日、中国国営通信・新華社は、中国政府(The Ministry of Culture and Tourism)が、外国におけるギャンブリングを含む観光地のブラックリスト・システムを構築すると報じた。
政府は「いくつかの海外の観光地が、ギャンブリングサービスにより中国人旅行者を集客し、中国人のアウトバウンド観光市場を崩壊させており、中国人の財産や生命を危険に晒している」とした。
ブラックリストを構築する際、政府の関係部門が連携し、渡航制限を課していくとした。
新型コロナウイルス(COVID-19)前の、中国人の主なカジノにおける渡航先は、韓国、カンボジア、フィリピン、シンガポール、マレーシア、オーストラリアなど。
現在のところ、ブラックリストは未策定であるが、政府は、中国人VIPを対象としたジャンケットの活動を規制する可能性が高いと考えられる。
2013年の中国政府の反腐敗対策は、マカオにおけるVIP事業に大きな打撃を与えた。
中国:中央銀行 ギャンブリングに関わる資金流出阻止の方針を鮮明化
6月、中国人民銀行(中央銀行)は、「クロスボーダーのギャンブリングに関わる資金流出の仕組みの阻止は、中央銀行に与えられた”重要な政治的使命”である」とのステートメントを発表。
中国 本土ではロッタリーのみ合法。カジノ産業はマカオに集中
中国政府は、中国本土では、ロッタリー(ビデオ・ロッタリー・ターミナルを含む)のみを認めている。
カジノ・ゲーミングは、特別行政区であるマカオのみに限定して認めている。
ロッタリーは、福祉ロッタリー(China Welfare Lottery Issuing Centre, CWLC. 1987年設立)、スポーツロッタリー(China Sports Lottery Administration Center, SLAC. 1994年設立)の二つの系統がある。
それぞれ、中国政府の管轄下にあり、政府歳入の主な使途は、前者は福祉、後者はスポーツ施設整備・振興である。
中国財務省によれば、2017年のロッタリー販売額は、4,270億人民元、YoY8.1%増(約7.5兆円)。
このうち、福祉ロッタリーは2,170億人民元、YoY5.1%増(約3.8兆円)、スポーツロッタリーは2,100億人民元、YoY11.4%増(約3.7兆円)であった。