稼動を上げるために『シェアの質』を高める
2020.10.20 / コラム月1回で訪問しているお客様の近くに毎回必ず行くラーメン屋さんがあります。
そのラーメン屋さんに行くのが、月に1回の楽しみになっています。
個人的な話ですが、私は子供の頃から肌が弱いので、今は無添加石鹸を使っています。
実は、頭から体まで全て無添加石鹸を使い出してから、フケや肌荒れが極端に少なくなりました。(人によって差はあると思いますが)
と、いきなり何の話をしているんだと思うかもしれませんが、繰り返し行くお店や、繰り返し利用するモノというのは、何かしら自分にとっての“価値”があるからこその結果です。
上記のラーメン屋さんも、無添加石鹸も、今となっては安売り(安い)をしているから利用するわけでなく、それぞれに対して価値を感じているから継続しているというものです。
高頻度ではありませんが、私が『シェアの一部』を担っているということになります。
ランチェスター戦略では『シェア』を重視していますが、シェアというのは
『お客様の人数×来店回数』
で見る場合や、
『お客様の人数×購入回数×購入単価』
という売上で見る場合など、業種によって適切な指標で見ていきます。
そこには、“繰り返し”というリピートの要素も当然含まれ、『シェア』が重要な理由は利益の源泉となる売上につながるからです。
お店の施策としては、お客様の数を増やすという場合、
人数としての絶対数を増やすのか、
来店回数を増やすのか、
さらには滞在時間を増やすのか
という考え方に広がります。
全国各地で人口減が加速していくという事実がある中で、単純に集客数を増やしていく施策だけでは稼動は上げられないという現実があります。
『シェアの質を高める』というのは、自店を繰り返し利用するお客様を増やすと同時に、来店回数を高めていく施策でリピート率を高めるものになります。
━5つのつながりでシェアの質を高める━
前述のラーメン屋さんも、無添加石鹸も、利用する動機(価値)があるからこそ継続しているもので、ホールにおいてもお客様とのつながりを強固にしていく活動によって果たされていきます。
団塊世代の方々の高齢化にともない、現状のファンの来店回数を増やす取組みだけでなく、団塊ジュニア世代や若者の参加率を高めていくことも、業界全体の課題であり、ホールで実施しなければならない課題になります。
『シェアの質』を高める施策を考える際には、【5つのつながり】を、お店の中でのお客様体験ストーリーとして落とし込んでいきます。
【5つのつながり】とは、
『台・スタッフ・お店・地域・コンセプト』
とお客様をつなげていくものです。
人が何かとつながる場合、その対象に対して何かしらの価値を感じています。
好きな食べ物、好みの漫画、お店、人・・・・・価値を感じた結果です。
地域のお客様が店外から何かを感じ、お店に入って帰るまでの体験ストーリーの中で、『好きになる動機となる体験価値』を感じてもらう施策が、『シェアの質』を高めていきます。
価値を感じてもらうための顧客接点(スタッフとの接点だけでなく、台や販促物や店内装飾も顧客接点になります)で、“何をやって、どんな価値を感じてもらうか”を準備した施策です。
簡単な例として、スタッフが笑顔で挨拶をした場合、お客様の体験としては『気持ちの良い笑顔で挨拶をしてくれた』というものになります。
笑顔の挨拶には、相手の存在欲求を満たす価値があります。
新台を導入した際に、大当りのフローが分かる台ポップが必要という提案を繰り返ししていますが、『価値を感じないものに興味は湧かない⇒結果として打ちたくならない⇒打たない』という結果になってしまうからです。
多くの業界で人口減の影響が広がってきています。
競争戦略は、『お客様喜ばせ競争』で、単なる他店とのお客様争奪戦ではありません。
お客様に『また行きたい』という価値を届けてファンを増やしていくものです。
新規則機に移行するタイミングは、離反が起こるタイミングにもなるので、【5つのつながり】を強固にして(特にレパートリーとなる“台とのつながり”)、ファンを増やしていきましょう。