設定付きパチンコが設定漏洩に使われている

2020.09.15 / コラム

週刊誌記者は取材の過程で様々な人物にぶち当たる。

タイ人のAさんもその一人。来日して23年になるが、この間不法滞在が続いている。

不法入国はブローカーの手引きで、飛行機代と紹介料80万円を支払って日本にやってきた。日本で働けば80万円はすぐに返済できるものと踏んだ。

最初の働き口先は信州のレタス農家だった。農家は人手不足で潜り込みやすい職種だ。信州の自然環境も気に入った。朝から晩までよく働いた。給料も良かったが、不法滞在=労働ビザがないので長期間働くことはできなかった。

で、現在やっている仕事は完全に闇の仕事だが、今年1月晴れて独立した。何とウチコ軍団の親方として、登録者300人を支配下に抑えている。

ところが、親方になった途端に、コロナでホールが休業を余儀なくされ、一時は“仕事”ができなくなってしまった。今はホールの営業再開と共にウチコの親方稼業に勤しんでいる。

Aさんはウチコ軍団に入って15年のベテランだった。Aさんが所属していた軍団の親方が引退するということで、Aさんが組織の地盤を500万円で引き継いだ。

Aさんの軍団は設定漏洩で稼いでいる。Aさんはウチコに指示を出すだけだが、Aさんの組織に協力している店長は実に100人以上もいる、というから驚かされる。

100人以上と言うことは、いかに店側にバレないようにやっているかが分かる。

バレない秘訣はやりすぎないこと。設定漏洩は週1では多すぎる。月に2回ほどまでに止めている。絶妙な匙加減だ。設定漏洩でも節度を持ってやっているのでバレない。設定漏洩する機種は店長に任せている。

取り分は店長が4で、ウチコ組織6の配分。例えば、10万円勝ったとすれば、店長には4万円の小遣いが入ることになる。

「最近はパチンコに設定が付いたことで勝率が高まったようですね。設定を入れてスタートを回せば、スロットよりも安全パイのようです」(週刊誌記者)

で、負けた時はどうするのか?

例えば、3万円突っ込んで負けた時は4対6の法則で、負け額の4割を店長が被ることになる。

設定漏洩に加担する店長も紹介制度が導入されている。実際にやっている店長が信頼できる店長を紹介していくシステムを長年続けて行った結果、100人以上に膨れ上がっていった。

ウチコの方も紹介制度になっている。Aさんがタイからの不法入国者であるように、ウチコは中国人、韓国人などのワケあり外国人を多く雇っている。日本に来てカネを稼ぎたいので、ウチコ軍団についても口も堅い。ちなみに、Aさんが地盤を受け継いだ前の親方は韓国人だった。

で、ウチコを生業としている“専業ウチコ”がいないのが特徴の一つ。皆、他に仕事を持っている。毎日ウチコをしているわけでもない。

ウチコの登録者数は300人を超える。バイトのシフトへ入る感覚だ。

パチンコ業界もかつてのように儲かって華やかな業界でもなくなった。稼働が下がれば店長の給料だって上がらない。ちょっとした小遣いが欲しくなる心理を巧みについてくる。

褒められたことではないが、守秘義務を守れる鉄の結束で結ばれている。

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