ピデアな男 石原 圭太(ピーアーク北千住SSS店長)

2020.09.09 / 連載

緊急事態宣言解除後の6月6日、ピーアークのパチスロ専門店がグランドオープンとなった。
「ピーアーク北千住SSS(トリプルエス)」が掲げているのは、「スロットの聖地」。

新しいファンを増やすために、常識だと思われてきたことを覆す。スタッフはパチスロの知識が豊富な精鋭メンバーだけを集めた。

グランドオープン期間が落ち着きを見せはじめた今でも高稼働を続けている理由はどんなところにあるのか。店長の考えを聞いた。

「トリエス=この機種」というイメージはもたれないように
わざと意識して運営しています

PiDEA編集部(以下略編) 石原店長はずっとピーアーク一筋で勤めてきたのですか。

石原圭太店長(以下略石) 2005年入社なので、今年で16年目になります。店長歴は1年半と浅いです。

編 16年勤続で店長歴1年半というのは、店長になるまでが結構長いですね。ピーアークさんでは一般的なのでしょうか。

石 店舗数が拡大していたわけではなかったので、早くもなく遅くもなくというところです。

編 店名のSSS(トリプルエス)ってどういう意味を持たせているのですか。

石 「スロット・スペシャリティ・スタジオ」の略です。数あるパチスロ店の中でも特別な存在でありたいという思いからつけた名前です。パチスロが好きなお客さまに対して、満足いただけるサービスを提供できるお店でありたいと考えています。

編 全面リニューアルでのオープンですよね。

石 はい。以前は低貸し比率が高かったお店ですし、総台数261台の規模ですので、併設店よりもインパクトを与えられるようパチスロ専門店として個性を尖らせました。北千住の特性として、お客さまが他エリアに流出する傾向があります。そういったお客さまを呼び戻すためにも広域から集める必要がありました。なので、集客力の強いパチスロに絞ったというわけです。

編 6号機時代に差しかかろうという時期にパチスロ専門店という選択が強気だなと感じますが、6号機はそこまで悪くはないというお考えでしょうか。

石 良い悪いというのは視点によって変わると思うのですが、お店側の収益で考えるとたしかに5号機よりは厳しいかもしれませんね。反対に、安く遊べるのでユーザーにとっては有利な作りになっている印象です。私はユーザーであり店長の立場ですので、どちらの気持ちもよく分かります。

編 内装なども特徴的ですが、石原店長がもっともこだわった部分はどこですか。

石 4台の独立した島ですね。スロ専で勝負する上では、独創的な島が絶対必要だと思っていました。オープンまで工期もギリギリの中でお願いしてつくってもらった島です。

編 その4台の島にどんな狙いを込めているのですか。

石 今後を見据えた時に、商品(機械)に頼った営業では生き残れないという考えが根本的にあります。業界全体に言えることですが、新機種を買ってすぐにダメになることを繰り返しています。ですので、独創的な島によって、機械に依存しない営業をしたいと思っています。

編 どういうことですか。

石 今までの新装開店の常識では、どの機種を何台入れたかと、ボリュームが優先されてきましたが、このやり方は6号機時代は難しいだろうと見ています。何を何台よりかは、あそこの島に何が入るのかという楽しみにスライドさせるイメージです。なのでその島には、あえて一線級の機械を設置していません。市場で良いと言われていないような機械を率先して設置します。一線級の機械はどのお店でも動くわけですが、当店はファンを生み出していくミッションを掲げています。業界のファンも増やしていかないと市場がシュリンクしていく時代で生き残れません。一機種だけが好きな人より、好きな機種がたくさんある人の方がコアなファンになりやすい。たとえ不人気な機種でも、面白く遊べたとしたら、好きな機種が増えますよね。そういうサイクルを狙っているのです。

編 看板機種だけが稼働しているお店も多い中で、そのような考えが有効なんでしょうか。

石 もちろん顧客ニーズが高い機種もないがしろにしない上で、あまり日の目を浴びないようなところまでこだわるのがスロ専の価値だと思っています。バラエティーコーナーもこだわったつくりになっています。これも理由は同じで、バラエティーにも本当は面白い機械があったりするんです。お客さまに対して、常に提案し続けていく営業スタイルと言いましょうか。

編 たしかに設定1を打つのと、設定6を打つのでは、同じ台でも印象がまったく違うと思います。

石 今のフェーズでは「トリエス=この機種」というイメージはもたれないようにわざと意識して運営しています。例えば、メイン機が16台あったとして、そこにしか期待できないとしたら、17番目以降の方は打つモチベーションが下がってしまいます。それってお店やパチスロの楽しさを全然提供できていないと思うんです。今の時代オンライン抽選もある中で、店選びは非常にシビアになっていますからね。

編 グランドオープンから2カ月ほど経過していますが、稼働はどれくらいですか。

石 大体目論見通りです。稼働状況については、皆さん遊びに来てみてください。

編 グループ店の中でも店づくりが大きく異なる部分はどんなところにありますか。

石 うーん。1つあげるとしたらスタッフですね。当店はパチスロが本当に大好きなスタッフを集めたお店なんです。前期から社内で「スロットインターン」みたいな取り組みをしていて……。

編 「スロットインターン」って何ですか。

石 パチスロの知識が豊富な選抜されたメンバーの中でパチスロ営業に関してプレゼン大会をしたり、普段設定やらない若手が設定を考えたりして、パチスロ愛を育てる取り組みです。そういう人たちが集まったのがこのトリエスなんです。機種に対する知識量でいえば、私なんか全然下の方です。

編 そういう方が集まるとやはり違うものですか。

石 やっぱりこだわりを持っているし、それがぶつかってよりいいものができていきますね。

編 例えば?

石 彼らはホールを巡回している時に自然とお客さま目線で見ているんです。「今日あそこ(高設定)入っていますよね」といったような話から一歩進んで、「でもあれなら違うところに入れた方がもっとお客さま入るんじゃないですか」といった意見が自然と出てくるんです。その他にも、導入する機械は店長が決めるのが当たり前ですが、「あの機械入れた方がいいですよ。私がセールスして絶対稼働させますんで」みたいな、私が思い描いていないような意見を活発に出してくれます。もちろん、そうした意見を精査する必要はありますが、本当に心強いですよ。

編 組織力が非常に高いんですね。

石 私が一番大事にしていることが組織力なんです。正直、コロナの影響があって、スタッフも急造のチームでした。最終的なメンバーが決まったのがオープンの2週間前。営業は機械でもなく人がつくるものだと思っています。

編 急ピッチで組織をつくるというのは大変そうですね。

石 初めの頃は大変でしたね。社員は当然ホール経験者ですけど、アルバイトさんは全員がホール経験ありかというとそうではなかったです。ただ、短期間の割にはうまくやれたなと思います。

 


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