23時閉店を22時閉店に前倒しを思い止まる

2020.09.08 / コラム

スーパーとホールの両方を経営している企業が、試験的にスーパー7店舗の内1店舗を23時までの営業時間を1時間短縮して22時までにしてみた。

閉店1時間前は翌日のための品出し作業などをしていたが、1時間短縮しても利益率はほとんど変わらなかったために、22時閉店を継続することにした。

閉店間際の1時間はたいしてお客が来ることもなかったので、22時閉店はスムーズに決まった。

これを受けてホールの営業時間も23時閉店を22時に前倒しにすることを検討した。22時以降の稼働はほとんどないことに加え、22時以降はアルバイトの時給が25%アップする。人件費を抑制するためにも22時閉店に傾きかけていた。

結論から言うと22時閉店は取りやめることになった。

理由は現場からの「競合店へ客を取られる」の一言で形勢が逆転した。

例えば、20時に来店した客の遊技時間が2時間と3時間の店では、3時間の店を選択する、ということをユーザーアンケートの結果もあったからだ。確変が掛かった時は残りの遊技時間が長い方がいいからである。

客の心理状態を考えると22時閉店は得策ではない、という結論に達した。

ここが一般的な物売りのスーパーと射幸性を売り物にするパチンコの大きな違いでもある。

ただ、現状は22時以降の売り上げはほとんど上がらない。しかも、閉店作業にも入るので実質ラスト1時間は45分ほどしかない。

22時閉店を断念した一方で、営業時開始時間を現在の10時から9時に前倒しすることを検討することになった。スーパー部門は、客の要望もあって年末は1時間営業時間を早めている。売り上げを上げるには営業時間が長い方が上がる。

「組合では開店時間は10時に決まっているが、9時にできないものだろうか。名古屋の喫茶店文化は豪華なモーニングサービスで朝からお客さんを集客している。朝一で来てくれるお客さんにはカップコーヒーでもパン1個でも提供できるように、規制緩和して欲しい。出玉規制の緩和が無理なら総付け景品の緩和をお願いしてもらいたい」

9時開店と言わずに、ここは東北を見習って8時間店はどうだ。この時間帯こそが朝一からきてくれる人のために、コーヒー1杯のモーニングサービスが相応しいというものだ。しかも、8時開店、24時閉店のホールだってある。

話は変わるが、2店舗を運営していたホールが来年の正月営業で廃業することを決めていた。ところが、競合店の方が先に閉店することになった。市場は決してパチンコ人口がある地区ではないが、共に閉店するとその地区からはホールが消滅する。

そこで競合店がいなくなれば、市場を“独占” できると判断したため、廃業を思い止まったホールがある。

体力勝負の持久戦の中で貴重な閉店情報が事前に分かれば、今後そんなことが増えてくるのだろうか? 






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