[連載:Twitterでは言えない話]第一プラザ笠幡店のKさんとよめー。さん
2020.09.11 / 連載第24回 ツイッター上にいるプチ有名人たちに聞く
Twitterでは言えない話
雑誌や動画などの媒体に所属していないただのアルバイトスタッフに、数千人のフォロワーがつく時代になってきた。ツイッター上でわざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉ほりする。(聞き手:PiDEA編集部コガワ @pideanaotoko1)

今回の言えない話
プロデューサーと演者の二人三脚
素材を生かした動画でアピール
PiDEA編集部(以下略編)|今回はピンクのマスクをつけた女性店員「よめー。」さんが主役かと思いきや、その動画をプロデュースしている同店主任のKさんにもお話をうかがっていきたいと思います。どうやってこのTwitter運用が始まったのですか。
Kさん(以下略K)|今年の4月に人事異動があり、2016年からやっていた店舗のアカウントを引き継ぎました。コロナによる休業期間もあったので、本格的に始動したのが6月です。そこからは動画メインでやっています。
編|Kさんがプロデューサー。よめー。さんは演者ですね。
よめー。さん(以下略よ)|Kさんに声をかけてもらって、絶対顔出しをしないことを条件に出るようになりました。
編|どうしてよめー。さんに声をかけたんですか。
K|ただ単に日々あったことをつぶやくとか、いついつ新装開店ですよとか、そういう面白みのないものはやりたくないと思っていたんです。ただ、文字と写真だけでもありきたりな感じがして。元々Twitterはよめー。とやろうと思っていたのですが、彼女は動いた方が面白いと思ったので、なおさら動画に適任だなと思ったんです。
編|よめー。さんは動画に出ることについてどう感じていました?
よ|面白そうだと思いました。
編|体張っていますよね。特によめー。さんは叫び声がいいです。
よ|元々ミュージカルの役者をやっていたこともあって声は大きいんです。
編|昔から割と笑いを取ったりするようなタイプだったんですか。
よ|部活は一生懸命で部長とかも務めましたが、笑いを取っていくタイプではありませんでした。でも、会社に入ってみたら、女性社員の中でも浮いているというか、気付いたらいじられキャラになっていました。
K|そんな彼女の天然的な面白さに目をつけて声をかけたんですよ。プロの芸人さんは狙って笑いをつくれるけど、僕たち一般人が狙って笑いを取りにいって面白くなるわけがないと思っているんです。でも、普段接していて人間味があって面白い。だから、爆笑はいらないんですけど、ふいにタイムラインに流れてきたらクスッとなる感じを狙っています。
編|動画編集は経験があったのですか。
K|ないですよ。緊急事態宣言で1カ月半くらい家から出られなかったので、その間に自分自身で勉強していたんです。
編|撮影はスマホですか。
K|スマホで撮ってPCで編集しています。BGMなんかも版権フリーな素材を買っています。さすがにあいみょんさんの「マリーゴールド」とか、安室奈美恵さんの「HERO」は動画では使えないので、よめー。に「じゃあお前歌え」と。
よ|動画で体を張るのは全然いいけど、歌は嫌でしたね(笑)。
編|いろんな動画をやっていますけど、手応えはどうですか。
よ|私が面白いなと思ったものは全然伸びなくて、逆に一番再生回数を稼いだのは新台を打ちながら紹介した動画です。自分の意図しないところで跳ねるんですよ。SNSってよく分からないですね。
K|機種の名前くらいしか説明していないし、微妙なバランスでつくってあげればあとは編集次第で面白くできるかなとは思っていました。まぁ、素材がいいんじゃないですかね(笑)。
編|割と楽しみながらやっている感じですが、そもそもアカウント運用の目的ってなんですか。
K|まずはこのお店のことを知ってもらいたいですね。「バカなことをやっている店がある」と。もちろん、実際に足を運んでいただければ嬉しいですが、そうじゃなくてもパチンコ屋さんってこんな楽しそうにやっているんだなと思ってもらえればいいです。どの店も店舗の案内だけじゃなくてふざけてみたり、増えてきているじゃないですか。お互いに楽しみながら、業界全体で盛り上がっていけばいいかなと。
編|よめー。さんも同じですか。
よ|私は別にそこまでは思っていないです(笑)。まずは自分たちのことを知ってもらうこと。
編|動画のネタ作りってどうされているんですか。
K|まずは自分が面白いと思うこと。動画は30秒以内に抑えたいので、本当に小ネタを2人で出し合っています。日常の中で何か面白いことないか、常に探しながら生きている感じです。
編|よめー。さんはどんな部分を見て欲しいですか。
よ|素が出ているので素を見て欲しいです。自分が可愛ければもうちょっと違った表現もあったと思うんですけどね。
編|自撮り加工をするっていう選択肢はなかったですか。
よ|顔も小っちゃくできるし、目も大きくできるので、店舗に来て落胆されるのが宿命ですよ。ブスが顔を出すのは目の毒だと思っています。
編|全然ブスじゃないじゃないですか。(注:インタビュー時は通常のマスクを着用されていました)
よ|そういうじゃないですか……。でも、みんな内心は違うんですよ。なので、女性スタッフがふざけた感じの唯一無二のスタイルでいたいと思っています。

取材を終えて……
動画内では、走らされたり、ピンポン球を当てられたり、腹筋をしながら入れ替え台の紹介をさせられたり、その都度よめー。さんは「ギャー」とスクリームします。でも、やらされている感じではなく、「体を張らないと面白くならない」と考え自ら茨の道を突き進んでいるのです。もちろん会社、店のためにという部分はありますが、それよりもとにかく楽しんでやっている感じが印象的でした。Kさんとよめー。さんは主任と一般社員という上下関係ではなく、まさにコンビ。この2人から、店の印象は変わっていくのでしょう。