Landing Int’l 韓国Jeju Shinhwa 20年度1H 赤字109億円,極度の経営悪化~かつて和歌山に関心

2020.09.04 / カジノ
2020-09-04

【海外ニュース】

8月28日、中国のLanding International Development(藍鼎国際、香港上場)は、2020年度1H(1-6月)業績を発表。
同社は、8月17日に業績に関する警告(PROFIT WARNING)を発表していた。

同社の事業のほぼすべては、韓国済州島における外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)Jeju Shinhwa World関連である。

2020年度1H(1-6月)の売上高は、HK$262mn,YoY25%減(約36億円)、税引後損益はHK$792mnの赤字(約109億円の赤字)。

2019年度より、業績は極度に悪化したが、2020年には新型コロナウイルス(COVID-19)が一段の打撃となった。

2020年6月末 財務状況:
・ネット有利子負債 HK$1,870mn(約256億円)
・現金・現金等価物HK$585mn, 借入金HK$2,442mn, リース負債HK$13mn

2020年度(1-6月)業績:
・売上高HK$262mn,YoY25%減, 税引後損益HK$792mnの赤字(前期HK$835mnの赤字)
・円換算は、売上高36億円, 税引後損益109億円の赤字
・部門別売上高:ゲーミングHK$101mn, ノンゲーミングHK$122mn, プロパティセール(ヴィラなど)HK$39mn

<参考>2019年度(1-12月)業績:
・売上高HK$816mn,YoY61%減, 税引後損益HK$2,133mnの赤字(前期HK$702mnの赤字)
・円換算は、売上高111億円, 税引後損益290億円の赤字
・部門別売上高は、ゲーミングHK$213mn, ノンゲーミングHK$489mn, プロパティセール(ヴィラなど)HK$114mn

開発事業:
<フィリピン>
・2018年4月、フィリピンマニラ首都圏パラニャーケ市より、エンタテインメントシティにおけるIR開発計画NayonLanding(総投資額15億米ドル、2022年前半に開業予定)の承認を得たと発表
・2018年7月、現地子会社Landing Resorts Philippines Developmentが、ゲーミング管理当局PAGCORからライセンスを取得したと発表
・一方、2018年1月、ロドリゴ・デュテルテ大統領がフィリピン国内のすべての新規IR計画の停止を表明
・2018年8月、ロドリゴ・デュテルテ大統領は、NayonLandingに係るリース契約を非承認。現在までフィリピン政府からの連絡なし
<日本>
・2018年5月、和歌山県統合型リゾート(IR)シンポジウムに来場し、参画意欲をアピール。和歌山県IRに30-40億ドル(3,000-4,000億円)を投資する考えを示した
・ただし、2020年4月に開始した和歌山県RFPには参加せず

Yang Zhihui(仰智慧)会長の失踪と復帰:
・Yang Zhihui(仰智慧)会長は、2018年8月23日に失踪し、約3ヵ月後の11月26日に職務に復帰
・同社は、会長が失踪の間、中国政府の調査に協力していたと説明。
・会長は、Landing International Developmentの筆頭株主であり、発行済株式の50.48%株を所有する。

韓国済州島 外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)Jeju Shinhwa World概要

<スケジュール>
・2014年3月に232haの用地を取得。2015年2月に起工式、2015年8月に開発開始
・2017年4月に一部開業
・2018年2月にカジノ部門が開業し、フェーズⅠがフル開業

<総投資額>
・18億米ドル(2015年2月発表)

<フェーズⅠ施設概要>
・ホテル 1,400室 Jeju Shinhwa World Landing Resort, Jeju Shinhwa World Marriott Resort
・フルサービスコンドミニアム Somerset Jeju Shinhwa World
・MICE Landing Convention Centre
・K-popテーマゾーン YG Republique
・テーマパーク Shinhwa Theme Park
・ショッピング Shinhwa Shoppes
・カジノ Jeju Shinhwa World Marriott Resort内(5,500㎡。テーブル155台、スロット239台、および、電子テーブルゲーム)

<雇用>
・2,000名前後(2018年2月時点)

 

韓国:IR上場3社計 19年度 営業益586億円,YoY21%増。P-City貢献/Landing Jejuは収益激減

韓国証券取引所に上場するIR3社であるKangwon Land(KWL)、Grand Korea Leisure(GKL)、Paradise Company Limited(Paradise)は2019年度4Q業績を発表。
発表日は、KWL、GKLが2月11日。Paradiseが2月26日。

3月10日、Landing International Development(香港上場)は、2019年度の大幅な損失拡大の警告を発表。

韓国では現在17ヵ所のカジノ施設があり、うち外国人専用が16ヵ所、内国人が入場可能な唯一の施設はKangwon Land(Kangwon Landが運営)である。

Paradiseは4ヵ所(ソウル、仁川、釜山、済州島)、GKLは3ヵ所(ソウル、釜山)の外国人専用カジノ施設を運営。
Landing International Developmentは、済州島における外国人専用カジノIR”Jeju Shinhwa World”(2018年2月25日開業)を運営。
この3社が、外国人専用カジノ市場のほとんどを占有。

<Kangwon Land>
・2017年末から18年前半の営業規制強化の影響が一巡。内国人市場は、回復基調
・政府・文化体育観光部は、2017年12月28日、Kangwon landに営業規制を通知(*1)
– マス・テーブル数削減(180台から160台)は2018年1月1日実施
– 営業時間の短縮(10am-6amから10am-4am)は2018年4月1日実施

(*1)2017年12月、政府は、Gambling Industry Reform Planを提言。Kangwon Landの売上抑制策に重点を置いた。政府は、2008年、ギャンブル産業への売上成長キャップ(7種目合計GGR/GDPの上限値を設定)を導入。2014年以来、7種目合計GGR/GDPを0.54%以下に抑制する方針とし、各種目に成長許容上限値を割り振った。Kangwon Landは、7種目の中で、唯一、上限値を超過

<Paradise, GKL(外国人専用カジノ施設運営)>
・2社計の2019年度業績は、売上高1,323億円,YoY16%増, 営業利益134億円,YoY38%増
・Paradiseは、ParadiseSegasammy(Paradise City運営会社。出資比率:パライダイス55%,セガサミー45%)の伸長が寄与。同施設は、2019年3Qより四半期営業黒字化を達成

<Landing International Development(香港上場)>
・3月10日、Landing International Developmentは、2019年度の当期損失が前年度実績の2.6倍以上に拡大すると発表
・同社の外部売上高は、済州島における外国人専用カジノを含むIRであるJeju Shinhwa World関連のみ
・2019年度業績は、売上高が100億円未満、当期損失が260億円以上と推定される。Jeju Shinhwa Worldの売上高が大幅に減少
・同社の2019年度1H(1-6月)業績は、売上高HK$347mn,YoY80%減, 株主帰属当期損益HK$836mn(前年同期HK$281mnの黒字)であった(円換算:売上高49億円、株主帰属当期損益117億円の赤字)

韓国の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発動向

現在5つの大型の外国人専用カジノを含む統合型リゾート(IR)の開発計画が具体化。
このうち、Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」、Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」は、それぞれ開業済み。

仁川広域市の永宗島(仁川空港を含む)には3つの大型IR計画がある。
・Paradise&セガサミーHDの「パラダイス・シティー」(投資額:第1期15,675億ウォン≒1,568億円, 開業:第1期1次2017年4月20日, 2次2018年9月21日)
・Caesars Entertainment CorpとGuangzhou R&F Propertiesの計画(投資額:第1期7億ドル, 最終20億ドル, 開業予定:第1期2021年初)
・Mohegan Gaming and Entertainmentの「インスパイア」(投資額:第1期16億ドル, 最終50億米ドル, 開業予定:第1期2022年)

済州島では2つの大型IR計画がある。
・Landing International Development「Jeju Shinhwa World project」(投資額:18億ドル, フェーズⅠ開業:2018年2月25日)
・ロッテ観光開発&中国緑地グループ「ドリームタワーカジノ複合リゾート」(投資額:7,000億ウォン≒700億円, 開業予定:2019年10月)

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