Genting Malaysia 20年度2Q 赤字234億円, Net Debt 1,488億円~日本追及G Singapore支援
2020.08.28 / カジノ【海外ニュース】
8月27日、Genting Malaysiaは、2020年2Q業績を発表。
2020年度2Q(4-6月)の調整後EBITDAは126億円の赤字, 株主帰属当期損益は234億円の赤字。
6月末のネット有利子負債は、1,488億円。
同社の主力は、マレーシアResorts World Genting。欧米に施設展開する。
マレーシア(Resorts World Genting)は、段階的な再開の過程にある。英国は、8月15日よりほとんどの施設が再開。米国は、依然として休業中。バハマ(Resorts World Bimini)は、7月2日に再開したものの、7月25日より再休業中。
Gentingグループの日本IR参入については、Genting Singaporeに担当させる方針。同社は、グループ構成員として、Genting Singaporeをサポートする立ち位置。
2019年より、マレーシア政府は、Resorts World Genting(国内唯一のカジノ施設を含む)のGGR課税率を25%から35%に引き上げた。
Genting Kong Kong(当社が所属する資本系列Getning Berhadの兄弟会社)の財務危機、Lim Kok Thay(リムファミリー当主。Genting Hong Kong, Genting Berhad両者の取締役会議長CEO)の対応(自身の保有株式のほとんどを金融機関向け担保に拠出)が、Genting Berhadの経営に与える影響が注目される。
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財務状況:ネット有利子負債(2020年6月末):
・ネット有利子負債=RM5,722mn(約1,488億円)
– 手元流動性 RM6,513mn(現預金・現金等価物 RM5,983mn, 制限付預金 RM20mn, 短期保有有価証券 RM510mn)
– 有利子負債 RM12,235mn(借入金 RM11,418mn, リース債務 RM817mn)
2020年度業績(4-6月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM115mn,YoY96%減, 調整後EBITDA RM486mnの赤字(前年同期RM712mnの黒字), 株主帰属当期損益RM900mnの赤字(同RM416mnの黒字)
・円換算は、売上高30億円, 調整後EBITDA 126億円の赤字, 株主帰属当期損益234億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM82mn,YoY95%減, 調整後EBITDA RM215mnの赤字(前年同期RM540mnの黒字)
– UK & Egypt = 売上高RM33mn,YoY92%減, 調整後EBITDA RM104mnの赤字(前年同期RM45mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM32mnのマイナス(前年同期RM378mnのプラス), 調整後EBITDA RM176mnの赤字(前年同期RM103mnの黒字)
2020年度累計業績(1-6月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM2,070mn,YoY61%減, 調整後EBITDA RM131mnの赤字(前年同期RM1,396mnの黒字), 株主帰属当期損益RM1,318mnの赤字(同RM685mnの黒字)
・円換算は、売上高538億円, 調整後EBITDA 34億円の赤字, 株主帰属当期損益343億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM1,307mn,YoY64%減, 調整後EBITDA RM117mn,YoY89%減
– UK & Egypt = 売上高RM404mn,YoY52%減, 調整後EBITDA RM81mnの赤字(前年同期RM86mnの黒字)
– US & Bahamas = 売上高RM289mn,YoY61%減, 調整後EBITDA RM162mnの赤字(前年同期RM169mnの黒字)
2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM10,407mn,YoY5%増, 調整後EBITDA RM2,641mn,YoY8%減, 株主帰属当期利益RM1,395mn(前期RM20mnの赤字)
・円換算は、売上高2,602億円、調整後EBITDAは660億円、株主帰属当期利益349億円
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM7,067mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,048mn,YoY11%減
– UK & Egypt = 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US & Bahamas = 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289n,YoY5%減
英国:カジノを含むレジャー,8月15日より再開。約5ヵ月間の休業後~Genting Malaysia事業保有
8月13日、英国政府は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策のアップデイトを発表。
前回のアップデイトは、2週間前の7月31日であった(イングランドが対象)。
8月15日より、カジノ、スケートリンク、ボーリング、インドアレジャーなどの再開が可能となった。これらは、約5か月ぶりの再開となる。
英国政府は、3月20日より、カジノを含むエンタテインメント、ホスピタリティ、インドアレジャーを休業要請。
英国の2019年度(2018年10月~2019年9月)のカジノ市場(Gross Gambling Yield)は、£1,053mn,YoY0.6%減(約1,421億円)。カジノ施設数は、全151施設。うち、Rank Groupが64施設、Genting Groupが42施設およびIR施設一つを運営。
日本IRへの参入意欲を持つ海外事業者のうち、英国における大きな事業基盤を有するのは、Genting Group 。
Genting Groupは、Genting Berhadを中心に、英国事業はGenting Malaysia、日本活動はGenting Singapore(Resorts World Sentosa運営)に担当させる。
Genting Berhadの子会社Genting Malaysia(株式所有49.5%)は、英国において、Genting Casino(全英で42施設を展開)、および、IR施設Resorts World Birminghamを運営。
Genting Malaysia 19日10時, RWG部分再開。カジノ施設,リワード客限定~英米ほぼ休業中
6月17日、Genting Malaysiaは、6月19日10時にResorts World Genting、18-19日にマレーシアリゾート施設を再開すると発表。
ただし、当面、カジノ施設は、SkyCasino at SkyAvenue, Genting Club at Genting Grand Hotelのみ開業とし、入場はGenting Rewards members(グループ共通リワードプログラム)に限定とする。
また、ホテル、飲食、アトラクションなども部分開業となる。
Genting Malaysiaは、3月18日より、マレーシア(Resorts World Genting, その他リゾート施設群)、米国(ニューヨーク州のResorts World Casino New York City、Resorts World Catskill)、英国(カジノ施設群)を閉鎖。
その後、複数回、閉鎖期間を延長した。
Genting Malaysiaは、3月17日付で米国のニューヨーク州Resorts World Casino New York City、Resorts World Catskillの閉鎖を発表。3月26日付で英国のResorts World Birmingham、その他ランドカジノ全施設の閉鎖を発表(ただし、オンラインのGentingBet.comは営業継続中)。
米国、英国の施設のステイタスは以下の通り。
<英国>
・6月15日、Resorts World Birmingham(RWB)のショッピングアウトレットが再開。RWBのその他施設、すべてのランドカジノは休業継続中。英国政府は、7月4日の全施設再開を容認する方向
<米国>
・Resorts World Casino New York City(RWNYC)、Resorts World Catskill(RWC)とも休業中
Genting Bhd:Malaysia FOXと和解。テーマパーク計画再始動
7月25日、Genting Malaysiaは、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニー(フォックスの映画事業を買収)との和解を発表。Genting Malaysiaは、Resorts World Genting内のアウトドア・テーマパーク計画を改めて推進へ。
両者は、改めて、7月25日訂正版の覚書(Memorandum of Agreement)を締結。Genting Malaysiaは、フォックスの知的財産(Intellectual properties)のライセンスを得る。
Genting Malaysiaは、マレーシア・クアラルンプール郊外のResorts World Gentingにおいて、アウトドア・テーマパークを計画中であり、フォックスとその他のコンテンツを活用する。テーマパークの名称は、改めて検討する。
Genting Malaysiaは、2013年12月、Genting Integrated Tourism Plan(GITP)を策定し、10年間で100億マレーシアリンギット(約2,500億円)を投資する計画を発表。
その一環で、20世紀FOXテーマパークを計画に組み込んできた。
Genting Malaysiaは、当初、3億ドルを投資し、2018年にテーマパークを開業する予定であったが、契約上のトラブルが発生。
2018年11月に、Genting Malaysiaが、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニーを提訴。その後、2019年1月に、フォックス・エンターテインメント・グループがGenting Malaysiaを逆提訴する展開となっていた。
Genting Group 事業構成
Genting Berhad:3つのエンティティがIR事業推進。日本はGenting Singaporeが担当
Genting Groupでは、3つのエンティティがそれぞれIR事業を推進する。
日本については、日本政府がシンガポールの制度設計を参考とすることから、その実績を有するGenting Singaporeに担当させる方針。
<Genting Berhad(マレーシア)>
・主な施設:NA
・開発計画:Resorts World Las Vegas(米国ネバダ州ラスベガス・ストリップ)
<Genting Malaysia(マレーシア)>
・主な施設:Resorts World Genting(マレーシア), Resorts World Birmingham(英国), Resorts World New York city(米国ニューヨーク州), Resorts World Bimini(バハマ)
・開発計画:Resorts World Gentingの大型アップデート
<Genting Singapore(シンガポール)>
・主な施設:Resorts World Singapore(シンガポール)
・開発計画:Resorts World Singaporeの大型アップデートおよび日本における開発機会追求
Genting Singapore 20年度2Q 当期損126億円, NetCash 2,688億円~横浜RFP開始期待
8月6日、Genting Singapore(シンガポール証券取引所)が2020年度2Q(1-6月), 1H(1-6月)業績を発表。
2Qは、売上高がほとんど立たない状況。月間営業経費は約30億円。
シンガポール政府の方針により、IR両施設は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表、その後、4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止となった。
シンガポール政府は、7月1日より観光アトラクション13分野について段階的に再開させた。IR施設も、カジノを含め一部のアトラクションが開業(二つのIRは、6月19日にリテール、飲食のみ再開)。
ただし、当面、再開されるアトラクションは、営業時間内のあらゆる時点において、キャパシティに対する稼働率25%以下に維持することが求められる。
日本投資機会については、横浜市のRFPが2020年後半に開始すると期待、動向を注視していく方針。
2020年2月4日、Genting Singaporeは、株主総会を開催。日本IR開発方針の提案が可決された。方針とは、
・一つ、または複数エリアに提案する可能性。ただし、最初の7年間は一つのIRプロジェクトの開発運営のみ
・大都市のみをターゲット。大阪府、横浜市、東京都(これまでに大阪府、横浜市のRFCに参加)
・投資額は、最大100億米ドル(約1.1兆円)
2020年度6月末 財務 S$=シンガポールドル:
・ネットキャッシュ S$3,491mn(2,688億円)
・手元流動性 S$3,760mn
・借入金 S$269mn
2020年度2Q(4-6月)業績 S$=シンガポールドル:
・売上高S$41mn,YoY94%減, 調整後EBITDA S$85mnの赤字(前年同期S$294mnの黒字), 当期損益S$163mnの赤字(同S$168mnの黒字)
・円換算は, 売上高32億円, 調整後EBITDA 65億円の赤字, 当期損益126億円の赤字
2020年度1H(1-6月)業績 S$=シンガポールドル:
・売上高S$448mn,YoY65%減, 調整後EBITDA S$67mn,YoY89%減, 株主帰属当期損益S$117mnの赤字(前年同期S$374mnの黒字)
・円換算は, 売上高345億円, 調整後EBITDA 52億円, 株主帰属当期損益90億円の赤字
(参考)2019年度通期業績(1-12月) S$=シンガポールドル:
・売上高S$2,480mn,YoY2%減, 調整後EBITDA S$1,190mn,YoY3%減, 営業利益S$863mn,YoY11%減, 当期利益S$689mn,YoY9%減
・円換算は, 売上高1,959億円, 調整後EBITDA 940億円, 営業利益682億円, 当期利益544億円