ウーバーイーツのパチンコ台

2020.08.27 / コラム

8月15日のNHKニュースで、上場企業52社で9300人の早期希望退職者を募っていることが東京商工リサーチの調査で分かった、と伝えた。

それによると、新型コロナウイルスの影響による厳しい業績を背景に先月以降、人員削減に踏み切るケースが増えているということだ。業種別では、「アパレル・繊維関連」が8社で最も多く、次いで「電機機器」が7社、「自動車など輸送用機器」が5社、「小売り」と「外食」がそれぞれ4社となっている。

調査会社は「感染拡大で業績が厳しい企業は増えており影響が長引けば、早期退職や希望退職を募る動きがさらに広がる可能性がある」と話している。

この状況はパチンコ業界とて対岸の火事ではない。

今年はコロナの感染拡大でお盆の帰省を自粛した人が多く、ホールの盆営業は惨たんたる状況だったところが少なくない。

「いつもの盆営業でしたら駐車場には他府県ナンバーの車がたくさんあったんですが、今年は皆無です。前年比でも6割ダウンです。これで盆営業でもやれば、お客さんが飛ぶので、今年は通常営業でした。正月営業は不景気が一番広がっている時期なので予測するのが怖いくらいです」(北関東ホール関係者)

ホールの業績が悪ければ、当然機械は売れない。メーカーの営業マンもネット販売が浸透すればリストラも覚悟しなければならない。

不惑の年を迎えたメーカーの営業マンが9月一杯で会社を退職することになった。

独立して自分で会社を興す予定があるようだが、退職を考えるようになってからは休日にはウーバーイーツのアルバイトに励んでいる。始めたころは要領もつかめず、1日6000~7000円の収入だった。

注文が取れやすい場所などが分かってくると、中古の90CCのバイク(8万円)を買って効率を上げるようになった結果、1日1万6000円も稼げるようになった。月7~8日は休みだが、5日働けば、小遣いは8万円も増えた。

ウーバーイーツのアルバイトをしていて思ったのが、ウーバーイーツのパチンコ台を出したらヒットするのではないか、ということ。

「注文が入ったもので期待度が変わる。それを何秒以内に届けたら大当たり! メーカーとウーバーイーツが提携して機械を出したら面白いと思いませんか?」

ウーバーイーツのパチンコ台が面白いかは置いておくとして、ウーバーイーツの配達をしていて感じたのが、東京は感染拡大と共に、再びウーバーイーツの需要が拡大していることだ。

「人が出歩かない生活様式を実感していますが、パチンコ客が戻らないのも生活様式が変わってしまったからです。大手ホールチェーンでも前年比で業績が回復した店は1店舗もありません。パチンコ業界がV字回復することはないので業界から去ります」(メーカー営業マン)

来年の正月営業はどんな状況で迎えることになるのだろうか。新型コロナをインフルエンザ程度に考えないと国が滅ぶというものだ。





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