メーカーからホールへ転職希望
2020.08.26 / コラムサミーがネット販売を強化するためにホール関係者専用サイト「777EC」を開設した。同サイトは、遊技機に関する販売からアフターサービスまでを統合したプラットフォームとして、これまで人手を介して行われてきた遊技機に関する業務がワンストップで可能になった。
サイト内では、クレジット決済機能が搭載され、オンライン上での見積もり発行やオンライン売買契約が可能になっている。このプラットフォームに他メーカーも参加するのではないかと言われているが、いよいよ営業マンリストラ時代が始まったとも言える。
遊技機市場も年々縮小する中で、メーカーも限られた台数で販売し、利益を確保しようと思えば、手っ取り早いのが人件費のカットになる。メーカーは機械づくりが命なので、開発の人員には手を付けにくいが、最も対象になりやすいのが営業マンである。
これまでメーカーの営業マンがパンフレットを持ってホールへ赴き、製品説明や価格などのセールスし、売買契約書を作成し、納品、集金とこれら一連の営業業務を行っていたが、ネット販売によって営業マンが要らなくなるということが予想される。
そもそも、メーカーの営業マンがホールにとって重宝されたのは新機種をセールスするだけでなく、他店の情報や他機種の状況などともに営業方法や交換率などの様々な相談や情報を提供するいわばアドバイザー的な役割を果たしてきた。
しかし、近年のネットを通じた情報化社会ではたくさんの情報がリアルタイムで入手できる時代となり、営業マンよりホールの方がいち早くより確実な情報を持っていることも多くなってきた。
こうした会社の動きを一番敏感に感じているのが営業マンである。
「コロナで展示会も開くことができない状態が続いていますが、会社が一番無駄だと思い始めているのが、展示会とその時に呼ぶタレント。これからは間違いなくネット販売が中心になってきます。新台も売り切り台数しか作らなくなったので、昔のように営業マンに入ってくるインセンティブも少なくなってきている。ウチの会社の規模なら、営業マンは今の4分の1で足りる。つまり4分の3はリストラ対象になる。この先20年もこの会社にいられるかどうか分からないので転職したい」と話すのは入社歴15年の中堅営業マン。
この悩みを打ち明けたのが得意先のホールで、そのホールに就職できないか、と相談を持ち掛けた。
担当ホールは地場の優良企業なので倒産することもない。ホールマンとしてのスキルはないが、リストラの対象になるよりも、しっかりしたホール企業で上を目指しながら働きたい、ということだ。
パチンコ業界ではメーカーが一番花形で憧れの就職先だったが、厳しい時代になったものだ。
そんなことを嘆くよりも、業界一丸となって遊技人口を増やすしかないのだが…。