年金支給月、盆営業の稼働

2020.08.24 / コラム

朝日新聞に次の見出し記事があった。

以下引用

「高齢者に忍び寄る二次被害 新しい生活様式で」

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が掲げる「新しい生活様式」によって、お年寄りの心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」や要介護度が進むことが心配されている。外出の自粛や人との接触を控える生活が長引き、体を動かしたり、人と会話したりする機会が減るからだ。直接感染していなくても、高齢者の心身の健康に影響を及ぼす「二次被害」が増えかねない。

千葉県の男性(80)は5月初旬、妻(73)に「足が思うように動かない」と話すようになった。男性が通うデイケアサービスは4月初旬から自主休業していた。同じ建物にある介護老人保健施設(老健)で新型コロナウイルスの集団感染が発生したためだ。階段の上り下りの自主練習を増やして筋力維持の努力を続けたが、衰えを防げなかった。訪問診療の医師と相談し、リハビリのために入院。それでも筋力は十分に戻らず、今月、老健に入所し自宅には帰れていない。

引用終わり

いうまでもなく新型コロナウイルスは高齢者が感染すると重篤化しやすいので、人と接する機会を極力減らすようになった。日本での死亡者は1000人を超えたが、死者の8割以上を70代が占めている。高齢者は感染したら死ぬとばかり思われているが、基礎疾患があり免疫力が衰えている人が死に至るケースが高い。元気なお年寄りは普段通りの生活を行ってもいいように思えるが、エビデンスがなければ世間は許さない。

8月に入っても全国の感染者は増えるばかりで、衰える気配は一向にない。感染者は緊急事態宣言の時よりも増えているのに、政府は緊急事態宣言を出す気配は今のところない。それは感染者が増えても死亡者が増えていないのと、20代の感染者の多くは無症状のため緊迫感がないためでもある。

お年寄りに支えられてきたパチンコ業界にとって8月は一つの試金石になった。そう、偶数月の8月は年金支給月でもある。

「ウチのチェーン店内でもコロナ前の8割は稼働が戻っている店と、全然戻らない店が明確になってきました。一時、年配客も戻ってきていたんですが、首都圏で感染が拡大してから60~80代のお客さんの来店率が落ちています」(北関東ホール店長)

コロナで来店しなくなった年配の常連客に店長がスーパーで出くわした。

来店しなくなった理由はやはり家族から止められていたためだ。

「ウチは3世代が同居しているので、息子からパチンコだけでなく、カラオケ、ゲートボールも止められている。遊んで感染したら言い訳もできないので我慢している。他の常連もみんなそうだよ。家族から止められているよ」(常連客)

で、8月の年金支給日後の稼働は前年比でどうだったのか?

中堅ホールの関係者が話す。

「2カ月に1回の年金支給月には必ず1パチを打ちに来ていたおじいちゃん、おばあちゃんの何人かが来ていません。しかも、年金支給日と盆営業が一緒だったのにも関わらず前年同月比で、年金対象者となる65歳以上が37%戻ってきていない。1パチで5000円負けたおじいちゃんは、いつも5000円使ったら帰るんですが、『もう当分来ない。罹ったら家族に迷惑が掛かるんで』と言い残して帰ったんですが、本当に翌日も、次の日も来ませんでした。いつもは負けても翌日も来るんですがね。お年寄りは家族に止められていることもあるし、自分も罹りたくない。これが普通になって来なくなるのが怖い。このままでは5年後がありません。独身者やコロナなんか関係ない、という層の開拓が必要です」と顔を曇らせる。

今のシルバー層はいずれパチンコからリタイアするのも時間の問題で、新しいターゲット層の戦略を練り直さなければならない時期に差し掛かっている。

その前に指定感染症から外して無症状者や軽症者は隔離しないようにしないといけない。




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