第23回 ツイッター上にいるプチ有名人たちに聞く
雑誌や動画などの媒体に所属していないただのアルバイトスタッフに、数千人のフォロワーがつく時代になってきた。ツイッター上でわざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉ほりする。(聞き手:PiDEA編集部コガワ @pideanaotoko1)
今回の言えない話
PiDEA編集部(以下略編)|今回は東京墨田区の高稼働店エクスアリーナ東京で「編集」という謎の肩書きを自称している社員の編集Gさんにお話をお聞きしたいと思います。パチンコ店のスタッフで編集ってなんですか?
編集Gさん(以下略G )|動画編集マンという意味での「編集」です。もともと新台の案内動画を店でやっていて、その動画がただしゃべっているだけだったので、「テロップくらいだったら入れられますよ」という話をしたら、「じゃあやってみてよ」と。
編|Twitterもやって動画もやっってホールスタッフもやってだと時間が足りなさそうですね。
G|正直、編集Gなのに編集できていないですね。最近はスタッフの女の子の写真とかTikTokをちょこちょこ上げています。
編|気づいたらフォロワーも4000超えという感じでしょうか。運用で気をつけていることは何かありますか。
G|運用法については店長から何も言われてないですね。アカウントをつくって3日間くらい経ってまずは関係者のフォローバックを待っていたんですけど、まったくないからもう消そうかなと思っていたんですよ。そしたら、でちゃう!のめぐぅから一人目のフォローが入ったんです。これはやめられなくなったなということで、続いています。
編|編集Gアカウントってお店の公式アカウントなんですか。
G|僕の個人アカウントで非公式ですよ。ぶっちゃけ勝手に作って、勝手に始めた感じです。結構経ってから店長なども知り始めた感じです。
編|勝手に始まって店長も何も言わないってのが漢気ですね。
G|おとがめみたいなものは全然ないですね。今はSNSの時代だから、「厳しいしばりを設けずに、遊び感覚でスター性のある人が出てきてくれれば」と自由にさせてもらっています。
編|結構フォロワーとのコミュニケーションが盛んですよね。
G|1つのことに特化せずにとりあえず何でもつぶやいています。
編|面白いことを言わなきゃみたいな感じではないですか?
G|ほぼ適当です。SNSの宿命でもあるんですけど、時間をかけたものってそんなに伸びないんですよ。逆に何でもないようなものの方が伸びたりする。この現象について、なんとなく感覚的には気付いていたんですけども。
編|編集Gさんのフォロワーとの距離感の取り方が上手だなって思うのですが、もともとそういうのは得意だったんですか。
G|個人の趣味で、雑談のツイキャスとかゲーム配信をやったりしていました。500人くらいの小さなコミュニティーではあったのですが。
編|あぁー、もともとネット上の表現者だったんですね。
G|それこそ配信は20代後半くらいの頃は2年間くらい毎日のようにやっていましたよ。
編|SNS上で何かを表現するのは、Gさんの中ではライフワークの一環なんですね。
G|はい。ですので、Twitter自体はまったく業務感もなく苦ではありません。
編|モチベーションはどんな部分で保っていますか。
G|1回社長が「編集Gってのは誰だ」となったんです。直接聞いたわけじゃないですが、店長からそれを聞いた時は認められたというか、やっていてよかったなと思いました。自分じゃないとできないことかなと。
編 4000人もフォロワーがいたら会いに来るお客さんもいるでしょうね。
G|顔出しはしていないのでお客さまは僕が分からないんですよ。姿を見せてないっていうのが一番の武器だと思っていて、普通の社員としてホールで仕事をしているけど、ツイート上では違うことやったりしていて、役職でもない。そんな普通ではない感じを匂わせています。
編|目標ってありますか。
G|YouTubeとかグッズ制作とかやりたいことはいっぱいあるんですよ。いろいろあるんだけどなんせ時間がないので今はあっためています。人が増えてこの業務専門とまではいかないけど、僕の時間をつくってもらえればもっと盛り上げられるんですけどねぇ。
編|おぉ!自信満々。SNS運用ってどこかで勉強したんですか。
G|してないですよ。でも、メリット・デメリットを考えて効率化を目指すのが好きなんです。ゲームなんかも動画で簡単なやり方を見て簡単にクリアしたいタイプ。攻略を真似して面白いの?って言われることもあるけど、僕は全然つまらないと思っていなくて、いいとされているものを真似する。メントスコーラなんかもいいとされているからみんながやるんですよ。周りがいいと思っていることは素直に真似る。逆に真似される側になりたいですね。
編|SNSの運用を評価してほしいって思うことないですか。
G|まだそういう話が出るまではやっていないので。評価されることを目的とはしていないですけど、そういう話が出たらやっていてよかったとなると思います。ただ、純粋に役に立てばそれでいいですね。「エクスアリーナ東京に編集Gがいてよかった」って言われるような存在になりたいです。
取材当時、顔出しは一切していなかったためフードを被って登場。非常にキレイな目をされていました(ヒント)
取材を終えて……
勝手にアカウントを作って、非公式とは言いつつ勝手に名乗って運用して、それでも店長が笑って許してくれるのは編集GさんのSNS運用のウマさからだと思いました。SNS運用の勉強などは一切していないと言いますが、フォロワーとの距離の取り方が絶妙なのは、配信者であった経歴などのためと思われます。編集GさんにとってTwitterはお店のためではあるけど業務ではないんですよ。だからこそ何がウケるのか自分で考え、自分で発信して、その結果で満足感を得られているんです。こういう人って無敵ですよね。