将来的には設定変更も通信で?

2020.08.19 / コラム

昨年末、東京郊外にグランドオープンしたホールスタッフの募集は時給1650円でも苦戦していた。郊外店舗ともなると通勤の足がなければ当然敬遠される。最近の若者は車の免許はもちろん、原付免許も持っていないので通勤が不便な場所は選択肢から外されていく。

また、高額時給でも応募がないのは、「最近の若者は時給よりも余暇ファーストを優先させる傾向があるため」と指摘するのは採用支援アベブの太田氏。余暇ファーストの若者はシフトの組み方の方を重視する。1カ月単位よりも1週間単位でシフトを提出するホールの方が応募は多い、という。ホールにとっては手間なので嫌がるが、こまめに対応することが人を集める第一歩のようだ。いずれにしても、アルバイトは地元地域から人を集めることができなければ、長続きしない。

時給の高さがパチンコ業界の優位性だったが、それも薄れて久しい。ただ、一筋の光明があるとすれば、4月1日からの全面禁煙化だ。タバコの煙を嫌がっていた層を獲得できる可能性はある。

パチンコをサービス業として謳うなら接客サービスのためにスタッフは不可欠だが、サービス業と言う重しを取り除くと随分楽になる。

「管理遊技機になれば設定変更も事務所から通信でやることは技術的には可能です。24時間営業のカジノがペイ率を変更するのは遠隔操作のように。設定変更できる管理者はパスワードでログインが必要になりますから、誰が設定変更したかも分かるので、不正防止にもつながります。いずれ、釘も叩けないようになりますから、調整に関わっていた店長職も不要になります。メダルレス遊技機はドアを開ける必要もなくなりますから、10年後には今よりもホールスタッフの数は大幅に少ない人数で回せるでしょう。そうなれば募集の手間も大幅に解消されますよ」(パチンコメーカー関係者)

管理遊技機は通信機能があるために、外部から侵入されることを懸念して当初は難色を示してきた警察だが、出玉情報を容易に確認できることで、射幸性の抑制が依存症対策につながるという理由から急きょ認められた経緯がある。設定変更までを通信で行うことができるようにできるかは今のところ厳しいかも知れない。

それこそ、パチンコ業界では忌み嫌われる遠隔操作に当たる。営業中に設定変更すればまさに遠隔操作だ。営業時間外に通信で設定変更できるようになれば、それこそ本社で一括変更だってできる。

ホールスタッフが大幅に削減できるようになれば、必要になって来るのは閉店清掃の外部業者のニーズだ。そのころにはAIが清掃中の不審な行動を見守ることになるのだろう。








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