低価交換仕様で出玉が出せる機械を開発中

2020.08.10 / コラム

「ホールのサービスは飲食業に比べたらそんなに難しくない。美味しいものをちゃんと出せば怒られないが、飲食は出すタイミングから始まり、要求が多岐にわたって高い」と話すのはホール役員で飲食業も兼業する。

確かに、飲食店で最初に注文したドリンクが遅いだけでお客はイライラする。乾杯のスタートを遅らせるようでは落第。さらに追加のドリンクがなかなか来ない店は「この店は使えない」の烙印を押されてしまう。

ドリンクは早く出すのが鉄則だが、料理は早く出せばいいというものではない。

客も食べる順番やスピードがあるので、ホールスタッフは常に客に目配せをしながら客のタイミングに合わせる必要がある。

顧客満足度を上げることがリピーターにつながるということは言うまでもない。

では、どうやって顧客満足度を上げるか? 

答えは現場にある。

つまり、来店した顧客に直接意見を聞く。会計するタイミングでスマホによるアンケート調査のお願いをする。料理の味、出すタイミング、スタッフの接客、クリンリネスは行き届いていたかの項目にチェックを入れてもらう。

特に店にとってありがたいのがネガティブコメントだ。ネガティブコメントをその都度潰して改善していけば自然といい店に近づいていく。

飲食業界で有名なのが、牛角は客のクレームを300円で買い取って急成長した、という話。

同社のホームページにはお客の声がいかに大事かを次のように紹介している。

牛角三軒茶屋1号店オープン当時、なかなか思うように店舗経営がうまくいかなかったことから、我々はある試みを行いました。

それは、お食事がお済みのお客さまにアンケートを配り、お店について『悪口』を書いてくれた方には300円の割引券をお礼にお返しするというものでした。

厳しいご指摘もたくさん受けましたがすべてを真摯に受け止め、すぐに問題解決に取り組みました。そして、そのひとつひとつの積み重ねが、店員ひとりひとりに真のプロ意識を根付かせ、今日に至ることになったのです。

すべては、自らを見つめなおすきっかけをくれた『お客さまの声』あってこそ。

以上引用終わり

ホールでも客の声を集めているケースは少なくない。

しかし、その声が反映されることが少ないから稼働に結びつかない。飲食業界では美味しいものをちゃんと出せば怒られないわけだが、パチンコ業界で客の要望は「もっと玉を出せ」。勝ったり、負けたりの中で、この基本中の基本ができていないから、客は腹が立ち見切りをつける。しまいには「ボッタクリ店は潰れろ!」と毒づかれる。

飲食店でいうところの美味しいものを提供が、パチンコ店では出玉を提供することになる。

では、どうやって玉を出すかと言えば簡単なこと。とっとと等価・高価交換を止めてしまうことだ。

「出玉性能を抑えられたら一発逆転のチャンスはなくなる。交換率を下げることで綱取り物語のような面白い機械を作ることもできる。出玉感を今の基準に合わせるためには、回して、バンバン当たりを出す機械を開発している」(事情通)

メーカーも等価・高価交換仕様の機械から、低価交換用の機械も開発が始まっているようだ。

パチンコ経営が二度おいしいのは貸し玉で売り上げが立ち、出玉交換でも換金差益にあったからだ。等価交換が主流になって20年余り。その時代を知らない経営者が増えた。

1世の時代、40個交換が主流の時に48個交換で「出玉の王様」を謳ったホールもあった。1世の時代はいかにして他店よりも出玉を増やすかを考えた。

低価交換で玉をバンバン出す。これが大衆娯楽の原点でもある。






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