ギャラクシー賞を狙うドキュメントの中でパチンコ店も取材対象

2020.08.09 / コラム

ある地方局でドキュメンタリードラマの企画が持ち上がり、取材が進められている。テーマはコロナ騒動の時の中小企業の対応にスポットを当て、「コロナの裏で何があったか」を記録として後世に残す狙いもある。

業種は飲食業、スーパー、物流、交通機関などのほか、パチンコ店が含まれている。

コロナ関連倒産件数が最も多いのが飲食店である。

8月3日に発表した帝国データバンクの資料によると、新型コロナウイルスの影響で倒産した全国の企業は406社に達している。業種別では、営業自粛などで売り上げが大幅に減少した飲食店が56社で最多だった。ホテル・旅館が48社、食品卸が27社だった。

飲食店は体力がないことが浮き彫りになるが、何もしなかったわけではない。飲食店が取った企業努力は、イートインがダメなら、テイクアウト用の弁当販売だった。

「容器の選定から始まり、丼型はすぐに品不足になったようです。で、お店が一番苦労したのが、弁当は冷えて食べることを想定しなければならないので、冷えた時に店と同じ味を出すのに試行錯誤があったようですね」(テレビ局関係者)

弁当は1コイン(500円)が相場で、これではいくら販売してもたいした利益にはならない。

「営業自粛要請が出ている時期でも居酒屋の中には闇営業をしているところがありました。暗幕をして外に光が漏れないようにして、常連客を相手に店を開けていました。中年の一人暮らしの男性が主な客層ですが、店を開ければ1万円から1万5000円の売り上げはありがたかったようです」(同)

パチンコ店には中小ホール5法人に声を掛けたところ1社が取材に協力してくれた。ここで見えて来たことは、オーナーがアルバイトを含めて従業員に給料を出す努力をしていたことだ。他の業種では休業中のアルバイトまで給料の面倒を見るケースは少ない。

「雇止めをすることなく、アルバイトにも満額を支払ってところが、凄いと思いました。やはり内部留保は他の業種よりもある印象ですね。特に飲食業の内部留保は厳しい。今回中小企業にスポットを当て取材を進めていますが、ニュースにはならないニュースが沢山出てきました」(同)

放送はコロナ終息した時期を想定しているので、まだだいぶ先のことになるが、狙うはギャラクシー賞だ。

これは、放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために、1963年に創設したもの。

審査は放送批評懇談会会員から選ばれた選奨事業委員会が担当する。賞の決定を第三者に委託する顕彰制度が多いなか、ギャラクシー賞は、放送批評懇談会の会員が一貫して審査にあたり、賞の独立性を維持しつづけている。

2019年のテレビ部門ではテレビ信州のチャンネル4「カネのない宇宙人 閉鎖危機に揺れる野辺山観測所」、報道活動部門では中海テレビ放送(鳥取県米子市)制作の中海再生への歩み~市民と地域メディアはどう関わったのか~が大賞をそれぞれ受賞している。






オリジナルサイトで読む