出玉規制の緩和はありやなしや

2020.08.05 / コラム

新型コロナウイルスの感染拡大による外出の自粛で、タクシーの利用が激減していることを受け、国土交通省では4月21日、全国のタクシー事業者が飲食物に限定して荷物の配送を行えるように道路運送法の特例措置を開始した。特例措置は5月13日までの時限だった。

これまではモノの輸送サービスが規制されていたタクシー事業者だが、新型コロナウイルスの拡大防止に向けてフードデリバリーやコンビニの商品配送などが特例的に認められ、今後、大幅な規制緩和に向けた動きが進むのではないかと注目されている。

コロナ禍でパチンコ業界も警察庁が5月14日、国家公安委員会規則を一部改正して2021年1月末までの旧基準機の撤去を1年間延長した。

旧規則機の撤去期限の延長を巡っては、業界6団体(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商)が5月1日付けで、警察庁生活安全局保安課の小堀龍一郎課長宛てに、要望書を提出していた。

旧基準機撤去の延長はホール寄りの規制緩和だった。重くのしかかっていた新基準機への入れ替え負担が軽減された。

今度はメーカーからの規制緩和の陳情が水面下で行われているようだ。

メーカーが望む規制緩和と言えば、新基準機の出玉規制が考えられる。特にスロット6号機の出玉性能では、旧基準機が全部撤去された暁には、客が消えることが懸念されている。そもそもこの出玉規制はIR法案を通過させるために、派生してきた依存症対策だった。

「新基準機への入れ替え特需の後でメーカーは冬の時代が間違いなく来ます。新基準機は射幸性が削がれ、売り上げ、粗利も取れない。そんな新基準機をホールは積極的には買ってくれません。それでなくてもコロナの影響で客足が戻ってこないので、どこのホールも機械代の削減を真っ先に挙げています。機械はますます売れなくなりますよ。よほどの機械が出てこない限り市場回復はないでしょう」(証券アナリスト)

では、売り上げが上がり、粗利も取れる機械となれば、旧基準機ということになる。施行されたばかりの法律をそんなに簡単に変えてくるとも思えない。

しかし、日本経済はコロナ禍で消費が落ち込むばかり。観光産業のように瀕死の状態になっている業種も少なくない。裾野が広い産業はコロナ倒産がドミノ状態になる恐れもある。

コロナ倒産を防ぐ手立ては、金融支援はもちろんだが、規制緩和も絶対に必要になってくる。N国党の立花孝志氏なら業界の市場回復には、「4号機を復活させることだ」といいそうだ。

そこまで過激な機械は無理としても出玉規制の緩和は必要だろう。





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