英国:カジノを含むレジャー再開を8月1日から2週間以上延期~3月20日より休業。Genting事業

2020.08.01 / カジノ
2020-08-01

【海外ニュース】

7月31日、ボリス・ジョンソン首相は、新型コロナウイルス(COVID-19)の再感染拡大リスクを考慮し、経済活動再開スケジュールの延期を含むステートメントを発表(イングランドが対象)。

7月17日、首相は、8月1日より、ハイリスク環境のレジャー活動などを再開させるスケジュールを発表した。今回、首相は、その再開スケジュールを少なくとも2週間ほど延期させると発表(最短でも8月15日)。

引き続き、カジノ、ボーリング、スケートリンク、その他インドアの密接コンタクトを伴うサービスは休業を余儀なくされる。また、大規模なスポーツイベントや会議センターも開催しない。

英国政府は、3月20日より、エンタテインメント、ホスピタリティ、インドアレジャーを休業要請。

英国の2019年度(2018年10月~2019年9月)のカジノ市場(Gross Gambling Yield)は、£1,053mn,YoY0.6%減(約1,421億円)。カジノ施設数は、全151施設。うち、Rank Groupが64施設、Genting Groupが42施設およびIR施設一つを運営。

日本IRへの参入意欲を持つ海外事業者のうち、英国における大きな事業基盤を有するのは、Genting Group(Genting Berhad) 。
ただし、Genting Groupは、日本における活動を、英国に事業を有するGenting Malaysiaではなく、Genting Singapore(Resorts World Sentosa運営)に担当させる方針。

Genting Berhadの子会社Genting Malaysia(株式所有49.5%)は、英国において、Genting Casino(全英で42施設を展開)、および、IR施設Resorts World Birminghamを運営。

Genting Malaysia 2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM10,407mn,YoY5%増, 調整後EBITDA RM2,641mn,YoY8%減, 株主帰属当期利益RM1,395mn(前期RM20mnの赤字)
・円換算は、売上高2,602億円、調整後EBITDAは660億円、株主帰属当期利益349億円
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM7,067mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,048mn,YoY11%減
– UK & Egypt = 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US & Bahamas = 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289n,YoY5%減

英国:政府,8月1日よりカジノなどレジャー大半を再開へ~3月20日より休業。Genting事業保有

7月17日、ボリス・ジョンソン首相は、新型コロナウイルス(COVID-19)からの経済活動再開に関するステートメントを発表(イングランドが対象)。

8月1日より、残りのほとんどすべてのレジャー活動を再開させる。同日からの再開されるジャンルは、ボーリング、スケートリンク、カジノ。

英国政府は、3月20日より、エンタテインメント、ホスピタリティ、インドアレジャーを休業要請。

英国の2019年度(2018年10月~2019年9月)のカジノ市場(Gross Gambling Yield)は、£1,053mn,YoY0.6%減(約1,421億円)。カジノ施設数は、全151施設。うち、Rank Groupが64施設、Genting Groupが42施設およびIR施設一つを運営。

英国:Genting UK Resorts World Birmingham 10月21日開業 欧州最大級だが、収益性には懸念

2015年10月、Genting UK(Genting Berhad→49.3%→Genting Malaysia→100%→Genting UK)は、Resorts World Birminghamの開業日を10月21日と発表した。2015年内に段階的にアトラクションを開業させる。

Resorts World Birminghamは投資額はUS$230mn(約280億円)。既存大型展示施設に隣接しており、ホテル180室、モール、映画、飲食、Spaを含む統合型リゾート。会社側は「英国初、かつ、欧州最大級のカジノを含む統合型リゾート(IR)」とアピールしている。

Genting Malaysiaは2010年に英国においてカジノ運営会社を買収。現在、41施設(英国全体には147施設がある)を所有。
Resorts World Birminghamは、Resorts Worldブランドとしては、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ニューヨーク、バハマに次ぐ開業となる。

Resorts World Birminghamの事業採算性については、Genting UKトップも慎重であり、実験的意味合いが強いことを認めている。

Resorts World Birminghamは、2005年ギャンブル法におけるLarge Casinoカテゴリー。同法はLarge Casinoのカジノ施設の内容を厳しく制限している。また、カジノ税率も租利益レベルに応じて、最大50%と高い。

2005年ギャンブル法(the Gambling Act 2005)は2種類の新たなカジノ設置を認めた。ラージ・カジノ(Large Casino)、スモール・カジノ(Small Casino)であり、それぞれ8つずつの設置を認めた。
Large Casinoは最低1,500㎡の広さ、150台までのカテゴリーB(賭け金・賞金に制限有り)のジャックポット・ゲーミング・マシーン(賞金は最高4,000ポンド)を設置可能。
Small Casinoは、80台までのカテゴリーBのジャックポット・ゲーミング・マシーンを設置可能。

現在、Large Casinoは二つしか開業していない。両方ともAspers(英国AspinallとオーストラリアのCrown Resortsの合弁)の運営である。
Small Casinosは一つも開業していない。

2005年ギャンブル法は当初、ラスベガス式の大型のカジノを含む統合型リゾート(IR)であるリージョナル・カジノ(Regional Casino)を1つ設置することを認めたが、その後、政権が変わり、2011年1月にリージョナル・カジノの廃止が決定した。ちなみに、2005年ギャンブル法は法案段階では8つのリージョナル・カジノ設置を想定したが、成案段階で1つに縮小した経緯がある。
リージョナル・カジノは、カジノフロアは最低5,000㎡の広さで、1,250台までのカテゴリ-A(賭け金・賞金が無制限)のジャックポット・ゲーミング・マシーンを設置可能としていた。

欧州カジノ市場動向

欧州全体 カジノ市場1.1兆円, 施設数1,030。市場はほぼ飽和

欧州はカジノ発祥の地。欧州の主要国では、19世期以降、カジノ認可制を導入、民間主体に営業を認可する一方、その対価として税・納付金の歳入を得る仕組みを確立した。

欧州のカジノ市場の特徴は、多数(1,000施設以上)の小型カジノが分散する点にある。それらを合計したカジノ市場規模は、相対的に小さい。欧州の経済規模は、北米、アジアと同じレベルであるが、カジノ市場は1.1兆円ほどと、北米、アジアの10%から20%の範囲内である。

欧州のカジノ市場が相対的に小さい理由は、
1)行政が積極的に産業を育成しなかった。施設規模を制限し、高いカジノ売上課税を設定(平均GGR比50-60%)
2)各国でカジノ施設外のスロットアーケード、パブ、カフェなどにゲーミングマシンが広く普及(合計200万台ほど。米国のスロットマシン数は約100万台)
3)欧州はスポーツベッティング、オンラインカジノなど幅広い賭博種を解禁。欧州では、オンラインカジノ市場は約1.5兆円

米国やアジアのIRのように、複合施設効果、クラスター効果などが発揮しなかった。

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