ミスをマイナス評価すると報告が上がらず不正につながる

2020.07.29 / コラム

常連客のマイホールで起こった出来事だ。

常連客が押しボタンを点けてスタッフを呼んだ。対応に来たのは初めて見る顔の新人だった。

「3箱流しといて」と新人スタッフにお願いした。

暫くして、新人スタッフはレシートを持ってきた。常連客はいつものようにワンデーカードに入れて持って来るものと思っていたが、レシートを持ってきたのでビックリした。

「カードに入れてくれないと、これじゃ、台移動して遊べないじゃないの。レシートにしたらダメだよ」と注意した。

「レシートしかできないんです」と新人スタッフは言い訳した。

「できないわけがない。それはお前の勝手な判断だろう」

常連客はマネージャーを呼んで事の顛末を説明した。

「ミスをしたら、すぐに上司に報告できる体制にしておかないと、これが不正につながることにもなる」と常連客が指摘した。

実際にこんなことがあった。

従業員の不注意で客とぶつかってしまった。その時、従業員が腰にぶら下げている鍵が、客のセーターに引っかかって、毛糸が少しほどけて穴が開いてしまった。

客は「元通りにしろ」と迫った。

従業員は自分のミスでもあり、上に報告することなく対処した。最初はサービス玉から始まり、最終的にはズブズブの関係になり、客に利益供与してしまう関係性が生まれてしまった。

その会社ではミスをマイナスと評価するから、失敗を上に報告しないで、隠ぺいする社風があった。最初は小さなミスだったものが、大きな不正に関与することになってしまった。

このように、失敗を隠すと「被害の拡大」「同じミスを繰り返す」「モラルの汚染」「失敗を恐れ精神的に追い詰められる」などの大きな弊害になる。

ホウレンソウができるようにするためには、会社の雰囲気というものが必要になってくる。

むしろ、失敗した時は、報告・相談した事によって、他者がヒントをくれるとか、トラブルが起こったと報告したら、チームを挙げて対処してくれるような社風だったら、隠し立てすることも減るというもの。

ホウレンソウによるメリットを教えた方が改善されるというもの。

特にパチンコホールは大金が動く業界なので、ちょっとしたミスから設定漏えいへ引き込まれることだって考えられる。

ちょっとニュアンスは違うが、昔は、借金している従業員を見つけると飲んで、抱かせて、断り切れない状況を作り上げて、裏基板を取り付けるなどの不正に加担させる事例もあった。







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