裏スロの良心的営業に衝撃を受けた

2020.07.28 / コラム

コロナで休業中、ホールの商圏内にある裏カジノへホール関係者が調査に出かけた。紹介者がいないと入れない。バカラやポーカーのテーブルゲームやルーレットがあり、店内には17人の客がいた。

驚いたのはそのホールの常連の夫婦の姿があったこと。調査に来たこともあって思わず声を掛けた。

「パチンコ屋が全部閉まっているので、ここへ来るようになった。バカラは1回2000~3000円が行ったり来たり。大きく負けることもない。同じ負けるのならこっちの方がいいよ」とホールにとってはショッキングな言葉だった。

この裏カジノへ何度か足を運ぶうちに、系列店で裏スロ店があることを教えてもらう。

その店はホールからは10駅ほど離れた場所にあった。

店内には4号機が39台設置されていた。空き台はなく、順番待ちするほどの状態だった。

レートは1枚50円。

ここでさらなる衝撃を受ける。

設定を入れているので、ホールでやるよりも負けが少ない。4号機なので3~4万円突っ込んでもすぐに取り戻せることだ。

ホールよりも良心的な営業をしていることに再びショックを覚えてしまった。4号機である程度出されるとホール営業では敵わない。

感染防止対策もホールよりも万全だった。入口で掌に消毒液をかけてもらうとよくもむように指導される。

台の消毒も客が入れ替わるとすぐにレバーやボタン、椅子まで徹底して除菌作業をする念の入れようだった。

そりゃ、そうだろう。違法営業でクラスターでも発生したら大ごとになってしまう。その前に客も感染しても裏スロへ行っていたなんて、口が裂けても言えない。

営業面でも消毒面でも裏スロ屋に負けていたことが、悔しかった。

これをホール営業に置き換えれば、スロットは設定を活用し、特定日などをwebで宣伝すれば、ヘビーユーザーは戻って来てくれる。特に20スロの設置台数が多い店舗は、アフターコロナ後の客の戻り率が高い。逆にパチンコの設置比率が7割とスロットにあまり力を入れていないホールは客の戻りが遅い。

つまり、スロットのヘビーユーザーの若年層がコロナ後では一番稼働している層ということになる。ここを強化するというのは誰でも考えることだ。そのためには、スロットに滅茶苦茶詳しい社員を抜擢し、権限を委譲しながらスロットの稼働を上げていけば、その担当社員のモチベーションも上がっていく。スロプロからホール社員に転職した人材にはチャンスを与えてみるのもいいだろう。彼らこそが、客の心理が一番分かっている。






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