お上からの指導より怖い動画テロ

2020.07.23 / コラム

7月13日、内閣官房新型コロナウイルス感染対策推進室は各府省庁担当官宛に、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた業種別ガイドラインの再徹底について」と題する文書を発出した。

その中で次のように書かれている。
「直近では、バー・クラブなど接待を伴う飲食店はもとより、会食やいわゆる飲み会等を通じての新規感染者数の増加がみられるところであり、これらの事例の中には、例えば、マスクの着用、対人距離の確保、十分な換気等の点でガイドラインが遵守されていないものも散見されるところです。今後とも、感染拡大防止と社会経済活動の段階的引き上げを両立していくため、関係省庁におかれましては、改めて、所管の関係団体等において、ガイドラインの遵守が徹底されるよう、情報提供や指導を行うなど、適切に御対応いただきますようお願いいたします」

これを受けて7月15日、警察庁生活安全局保安課長はパチンコ・パチスロ産業21世紀会に対して再徹底を依頼した。

緊急事態宣言が全国で解除された5月25日から2カ月が過ぎようとする中で、気の緩みが出てきていることは否めない。マスクをしていない人の方が圧倒的に少ないものの、それ以外の感染症対策はどうなっているのか?

都内在住のパチンコユーザーが怒りをぶちまける。

「行きつけのホールは複数あるが、全部のホールに不満がある。ポスターでは感染対策『きっちりやっています』と謳っているが、実際はやっていない。検温はやっているホールもあるが、大半はやっていない。全然消毒していないの『消毒済み』の札を置いたりしている。ハンドル周りもきたないタオルにアルコールをちょっとかけて、軽くなでるだけ。これでは安心してハンドルを触ることもできない。アルコールをケチらずにもっとたっぷり使ってしっかりやって欲しい。クラスターを出していないからと言って手を抜きすぎ」

このユーザーはその実態を動画で撮影すべくそのチャンスを虎視眈々と狙っている。

もし、そんな動画がツイッターやYouTubeにアップされたら、当該ホールは致命的なダメージを受ける。

パチンコ業界ではないが、京都のヤサカタクシーが歩道を走行している動画をアップされ、会社が謝罪に追い込まれている。これはドライブレコーダーに映っていたもので、Uターンするのに歩道を走行する、という荒業を披露してくれている。ネットでは瞬く間に拡散され、会社の信頼を失墜させる。

ホールでもいい加減な消毒作業をやっているといつスマホで撮影されているか分からない。お上からの指導もあるが、客の動画テロの方が怖い。安心して遊技できるように、やはりきっちり感染対策をお願いしたい。





オリジナルサイトで読む