店内よりバックヤード、事務所の感染対策は万全か

2020.07.22 / コラム

ダイナム松阪店の従業員1名が新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者(同居)だったことを発表して、営業自粛に入ったのが7月11日のことだった。翌日にはPCR検査の結果、陽性だったことを発表すると共に、店内の消毒作業のために一時休業に入った。

この時の発表では松阪保健所による調査で当該従業員と濃厚接触をした遊技客はいないとのことだったが、全従業員も自宅待機となった。

15日の発表で、濃厚接触者5名、及び、他従業員2名についてPCR検査を実施した結果、もう1名の従業員から陽性判定が出た。松阪保健所によるとこの従業員と遊技客の濃厚接触はいなかったが、ダイナム松阪店の従業員2名が感染していることが判明した。

その後、18日から営業再開したが、この日に松阪市内に住む60代の男性が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。7月11日から12日にかけて、咳や37.8度の熱が出たため、PCR検査を受けたところ18日、陽性と確認された。この男性は松阪店の常連客だった模様で、6月27日から7月10日まで毎日来店していた。三重県はパチンコ店で感染した可能性が高いとして、感染経路を調べている。

この問題を取材している週刊誌記者はこう話す。

「まだ、人数が少ないのでクラスターではないようですが、お客さんは自宅とホールを往復するぐらいだった、と聞いています。われわれの関心は店内よりもバックヤードです。従業員の休憩時間です。昼食を食べるときにそこが3密状態になっていないか。事務所の換気はちゃんとできているのか。朝礼では大声であいさつの練習をしていないか。案外、店内よりも3密になりやすいバックヤードで感染する確率が高い」

ちなみに、ダイナムでは次のような感染対策を取っている。

換気回数の増加
空調機による常時の換気に加え、定期的にドア解放での換気の実施

店内施設の消毒
店内の施設・設備・遊技台の定期的な消毒の実施

飛沫防止シートの設置
飛沫防止シート設置によるカウンター取引時の感染予防

飛沫防止ボードの設置
飛沫防止ボードの設置による感染防止

従業員のマスク着用の徹底
飛沫感染防止

従業員の手指アルコール消毒の徹底
ウイルスを持ち込まない・持ち出さない

まだ60代の常連客の感染経路がホールであることが断定されたわけではないが、この報道を聞いてパチンコ好きの業界関係者は複雑な心境を語る。

「パチンコホールは対策がしっかりしている方でクラスターも発生しない、と。ダイナムならなおさら徹底している、と思っていただけに、ショッキングなニュースです。パチンコは好きで営業再開後には頻繁に打っていますが、家には高齢で要介護の母親がいるので、もし私が感染したら、と思うと行くのを控えようと思っています」

シーズリサーチの新型コロナウイルスに関する全国パチンコ店調査レポート(調査日7月6日~7月12日)によると、営業面での不安要素として以下のものが挙げられている。

① 来店客の減少 90.7%
② 売り上げや粗利の維持 86.2%
③ 従業員への新型コロナウイルスの感染 80.6%
④ 店舗でのクラスター発生 78.5%
⑤ パチンコへのイメージ 63.5%

無症状の感染者が増える中で、店舗で対策をやっていても従業員や客の感染は避けて通れない。これで高齢者が再びホールから足が遠ざかるだけでなく、家族に高齢者がいる人も来なくなれば、一番懸念されている来店客の減少がさらに加速する。後は感染対策を今一度徹底して、クラスターを発生させない努力を怠らないことだ。







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