高齢者ヘビーユーザーは戻ってくるのか?

2020.07.21 / コラム

今年の7月7日はパチンコ業界には例年以上に熱い思い入れがあった。コロナ後、客の戻りが悪い中、業界最大の特定日に出すことでお客を呼び戻せる絶好のチャンスと捉えていた。

東京や大阪の一部のホールではまさにお祭り状態だったが、低調に終わったところも少なくない。7の日を得意としているチェーン店でも地方は不発に終わっている。やはりパチンコのメイン客層である高齢者が戻って来ない。お祭り状態を作ったのは20~30代のスロットのヘビーユーザーであることが分かる。

高齢者のことは高齢者に聞け、とばかりにとあるホールが60歳以上のDM会員にアンケート調査を行った。対象はコロナ後来店頻度が極端に落ち込んだ人。特に月10回以上、あるいは毎日来店していたヘビーユーザーに絞り込んだ。

戻りは5%程度。ま、アンケート調査の回答率はこんなものか?

その中から、なぜ、来なくなったか、という声をピックアップした。

「今まで惰性でやっていた。暫く外出自粛で休んでいたら、もう、パチンコはやらなくていい気分になった」

「パチンコをやっている人が叩かれて、人にパチンコへ行っていることが言えなくなった」

「駐車場に自分の車を止めているのを見られるのがヤバイ」

「志村けんが死んだことがショックだった。家族に止められている」

「ワクチンができるまでは人が集まるところへ行くことは自殺行為だ。バス旅行やカラオケも今後1年間は行くつもりはない」

数は少ないが行かない理由は3つある。

一つは毎日ホールへ足を運んでいたお年寄りは、それが習慣化していた。その習慣が一度断ち切れることで、他の習慣に代わることがある。パチンコが大好きなおばあちゃんが家のことはほったらかしで庭の草はボウボウ、家の片付けもしなかった。パチンコへ行けなくなって、片付けに専念するようになり、家をきれいにすることに目覚めてしまった。

二つ目はお年寄りならではの世間体だ。特に田舎だと近所の目が気になる。

三つ目は、やはり感染すると重篤化しやすいお年寄りは、自己防衛のためには人が集まるところには出歩かないことが一番である。ワクチンができるまでは安心して外出できない。

「緊急事態宣言下では越境パチンコが叩かれたほど、パチンコをやりたいお客さんはたくさんいると思っていた。いざ、ふたを開けてみると全然戻って来ない現実があった。割も上げて営業しているんですが、いつ戻って来てくれるのか、誰にも読めない。今後高齢者に来てもらうためにはどうすればいいのか分からない」(ホール関係者)

おカネと時間がたっぷりある高齢者が戻ってくるようにするためにはどうすればいいのか?

「百貨店の外商がファイナンシャルプランナーの資格を取って金融商品も販売しています。ホールも顧客リストがあるのですから、パチンコ以外のものを販売するのも一つの手ですね」(情報通)

パチンコへ行けるのは元気な証拠だが、老後の健康問題は関心が高い。デイケアセンターを経営しているホール企業もあるように、親和性はある。パチンコをリタイアした後のことも必要になってくる。








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