営業再開後も自粛警察が出没
2020.07.20 / コラムJR中央線での出来事。東京ではコロナ感染者の200人越えが何日も続いているのに、この日もマスクをしない乗客がチラホラ。
その時だった。
20代半ばと思われるマスクをしていない男性にじいさんが声を掛けた。
「マスクしないでよく電車に乗っていられるな。みんな嫌がっているから、君の横には誰も座っていないだろ」
若者は聞こえないふりをしてスマホの画面をじっ~と見続ける。
「君、日本人だろ。日本語は分かるだろ。マスクを持っているのか、いないのか?」
それでも無視するかのように黙り続ける若者。
「持っているのかいないのかはっきりしたまえ!」とじいさんはヒートアップする。
その気迫に押された若者は小声で「すいません。持っていません」というのがやっとだった。
じいさんはおもむろに鞄からマスクを取り出すとこう告げた。
「これやるよ。したまえ。マスクを付けるのは社会の常識だ」と勝ち誇ったようにその場を離れた。
それから数日後の中央線で再びマスクトラブルが発生した。この日は、電車の遅延と夕方の帰宅ラッシュが重なり、まさに車内はすし詰め状態だった。
顔と顔が接近する距離でもマスクをしていない若者がいた。見かけはとっぽいが、ここでも一人のじいさんが「マスクをしていないのなら降りろ!」と声を荒げた。
これで喧嘩になるかと周辺の乗客はソワソワいたが、若者は次の停車駅で降りて行った。
マスクをしていない若者を見かけると注意しなければ気が済まない自粛警察は、一定層がいることが分かる。
自粛警察はマスクだけではなかった。千葉県内のホールにも自粛警察が出現した。店頭に立ってホールに入る人にブツブツしゃべりかけているじいさんがいた。
制服を着ていなかったスタッフが気になって客のふりをして上面入口から入ろうとした。
「君はこんな時代にパチンコをやろうとするのかね。コロナが増えているのに怖くないのかね。悪いこといわないから入るのを止めなさい。こんなに増えている時にパチンコなんかやるんじゃない!」と説教してきた。
ここまで来ると一種の営業妨害だ。緊急事態宣言下、ホールも休業要請が出ている時に、営業中のホールの前でユーチューバーが、拡声器で「おい病人よ、病院行けよ」と大声を張り上げて客を罵倒していた。
この問題を業界誌のPiDEA6月号が取り上げている。渦中のユーチューバーにインタビューすると共に、これは営業妨害に当たるのかを弁護士に回答を求めている。結論としては法律で取り締まれるかはなかなか難しそうだ。