6号機のスペックにカバン屋が復活?

2020.07.14 / コラム

今年3月に発売された6号機Aタイプの導入店に対して、不審なセールスをする動きがあった。後から渡された男の名刺にはケータイ番号だけが印刷されている。社名もなければ、会社の住所もない。いかにも怪しい。まさに4号機以前に跋扈したカバン屋の再登場である。

店長を訪ねてきた男の要件は明快だった。

「おたくにある〇〇〇〇にBを仕込みませんか? 6号機はAタイプなら230枚ほどしか出ない。データを見ても6号機は、お客さんは追っかけませんよね。6号機はBを入れないと持たないでしょ? これからは使えない6号機を生き返らせる時代です」

一通り話を聞いた後で、連絡先として渡されたのが、件の名刺だった。店長はカバン屋が来たことは上に報告したが、会社としてそんなものに手を出すはずもない。

かつては赤信号皆で渡れば怖くない的に、スロットと言えばBが当たり前の時代があったが、それも昔の話。4号機時代に合法連チャン機が登場するとカバン屋の存在意義もなくなり消滅して行った。その間、風営法も厳罰化が進み、遊技機の無承認変更=Bモノへの不正改造は、営業許可が一発取り消しになる。歴史は繰り返すといわれるが、今どきそんな危険を冒す経営者はいないはずだ。

営業自粛から再開して稼働が戻りつつある店舗とそうでない店舗が同じチェーン店でも分かれる傾向にある。

稼働が戻らない店舗の特徴は、海コーナーの年配客が戻ってこないことに起因している。それは会員データから読み取れる。

稼働が戻らないホールの海コーナーの客からは「出ていないな」との反応になる。割は上げていても客が少ないので出玉感が感じられないからだ。シンフォギアのコーナーには若い客が座るが、海コーナーにそれがない。

目下の課題は海コーナーの客をどうやって戻すか。これは全国共通の課題でもあろう。

稼働が戻りつつある店舗では、常套手段だが回すことを心掛けた。ただ、来店していればそれが伝わるが、来店していな客にはそれをどう伝えるか? コロナで一切の広告宣伝を自主規制していたが、緊急事態宣言の解除と共に、新台入れ替えのチラシは打てるようになったものの、テレビ、ラジオなどは解禁されていない。

「回っていることを今来ているお客様に伝えることで、週1回の来店だったものを、週2回、3回と来ていただける回数を増やすしかないです。お客様の判断基準は出る、出ないではないではなく1000円で何回回るかです。12~13回はダメですが、17回なら回るな、20回なら粘っていただけます」(店長)

パチンコは回転数で伝えることができるが、問題は設定が見えないスロットだ。

「スロットは本当に出ている台の横には座らないのが、お客様の読みになっています。店はそんなにガンガン6を入れない、と。5号機と6号機が混在する中で6号機を打ってもらうためには、6をたくさん入れるためにも等価交換では限界があります。7枚交換ぐらいにしなければならないかも知れません」(同)

そういう心の隙間に前出のカバン屋が言葉巧みに入り込んでくる。








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