東京感染拡大が様々な場面で二次被害に

2020.07.11 / コラム

熊本・人吉市を襲った集中豪雨は球磨川が決壊して17人の死者を出した。多くの家屋が水没。水が引いた後の町は泥に埋まった。

本来なら都会へ出ている子供家族らが実家の片づけに戻ってくるところだが、今年はコロナの影響で状況が一変した。

特に東京で暮らしている家族に対してはこんなことになっている。

「帰ってこなくてもいい。あそこの息子が東京から帰ってきてコロナを移されたとなったら、近所の人に申し訳がたたない。村八分にあうから帰ってこなくていい」

これは人吉市に実家があるホール社員の実話である。

人吉市の実家は床上浸水で大変なことになっている。幸い、両親は非難して無事だったが家の中は泥だらけで滅茶苦茶になっている。

この社員のホール企業は、2011年の東日本大震災を契機に災害特別休暇制度を新設した。東日本大震災では社員の実家が全壊するとともに、親族も失った。

災害による見舞金の社内規定はまだなかったが、社長はポケットマネーで50万円の見舞金を出した。避難所に支援物資を送ったり、ボランティア活動に人も出した。

災害特別休暇制度では、本人の実家か配偶者の実家が災害に遭った時は、5日間の被災休暇を与えると共に、見舞金を支給することになった。

昨年8月27日に起こった九州北部大雨で、佐賀の実家が浸水被害に遭った社員に第1号が適用された。

社内規定では家屋が浸水した場合は5万円、家屋が半壊した場合は10万円、全壊の場合は20万円の見舞金を支給する。往復の交通費も全額が支給される。ただし、配偶者の交通費は出ない。

佐賀の実家は1階まで水没した。社内規定の5万円では足りそうもないので、社長がポケットマネーで30万円をプラスした。

災害見舞金はさておき、今回はコロナが移ったら困るので「東京からは帰って来るな」だ。災害復興にはボランティアの力が必要になるが、関東からの応援は断ることになるのだろうか?

東京で感染者が3桁で増え続ける中、男女の仲を裂いたケースもある。

東京の大学でサークルで知り合い付き合い始めたカップルは、男性(26)は東京在住、女性(25)は転勤で岩手に住んでいる。遠距離恋愛が続いている。

緊急事態宣言で外出自粛、さらには県外をまたいでの往来が規制されたことでコロナが起こってからは、半年以上会っていなかった。

男性は会いたくなり、電話したが、女性はまだ来なくてもいいような雰囲気だった。

東京で感染者数が増える中、男性はサプライズを決行。女性の住む岩手に行った。

男性は驚かすつもりで行ったが、女の反応は鈍かった。

むしろ、感染が増えている東京者が来たことに迷惑がっていた。

男性は彼女のマンションに泊まるつもりで行ったが拒否されてしまった。感染を怖がってホテルに泊まるように言ってきた。

さらに、キスすることすら拒んできた。もし、無症状の陽性者だとしたら、濃厚接触者になることを恐れた。

彼女が徹底して拒む理由を新しい男ができたからと思うようになり、それが原因で大喧嘩に発展。さらには、別れることになった。

東京感染拡大が様々な場面で二次被害を生んでいることが見えてくる。





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