香港:Far East Consortium 20年3月期 利益51億円,YoY79%減~日本言及なし。長崎登壇実績

2020.07.05 / カジノ
2020-07-05

【海外ニュース】

6月30日、Far East Consortium International(遠東発展有限公司, 香港上場)は、2020年3月期(通期)決算を発表。

同社は、持株会社であり、グループで、不動産開発、不動産投資、ホテル運営、駐車場運営、ゲーミング運営、金融などを展開。
エリアでは、オーストラリア、香港、マレーシア、中国、シンガポール、英国など。

2020年3月期(2019年4月~2020年3月 業績, 財務):
・売上高HK$7,451mn,YoY9%増, 当期利益HK$551mn,YoY69%減, 株主帰属当期利益HK$366mn,YoY79%減
・手元流動性HK$5,626mn, 借入金・社債HK$23,460mn
・円換算は、売上高1,043億円, 当期利益77億円, 株主帰属当期利益51億円, ネット借入金・社債2,497億円
・セグメント
– 不動産開発:売上高HK$4,835mn,YoY27%増, 部門損益HK$1,278mn,YoY6%減
– ホテル運営:売上高HK$1,346mn,YoY26%減, 部門損益HK$123mnの赤字(前期HK$620mnの黒字)
– ゲーミング運営:売上高HK$271mn,YoY5%増, 部門損益HK$79mn,YoY10%増

同社は、5つの新規プロジェクトを進めており、うち一つは、オーストラリア・ブリスベンQueen’s Wharf Brisbaneがある。総投資額36億豪ドル(約2,700億円)のカジノを含む統合型リゾート(IR)を含む計画。

同社のQueen’s Wharf Brisbaneへの関与は、IR部分のエクイティ出資、住居部分の所有。
IR部分のエクイティ構成は、The Star Entertainmentが50%、Chow Tai Fook Enterprisesが25%、同社が25%。
住居部分は、Chow Tai Fook Enterprisesと同社で50%ずつ所有。

なお、決算発表において、日本に関する言及はなかった。同社は、2019年6月に長崎県のIRイベントに登壇した実績がある。

Far East Consortium International 日本における活動

長崎IRイベント 海外6業者が地元アピール~政令基準実績, 数値コミット課題

・6月27日、佐世保商工会議所, HOGO主催「九州・長崎統合型リゾート(IR)ビジネス構築セミナー」が開催
・海外事業者が、地元関係者(約500名)に意気込みをアピールする場となった
・事業者からは、業界通念から著しくかい離する数値のアピールがあった。今後、自ら提示した数値へのコミットが注目される
~Currentは、長崎IRへの総投資額5,500億円, 年間売上高4,000億円とした。長崎県「長崎IR基本構想 有識者会議とりまとめ(2018年4月公表)」では投資額ガイドラインは2,000億円
・登壇した事業者は、
– Far East Consortium International/アゴーラホスピタリティグループ(香港資本系列。不動産・ホテルなど)
– Naga Corp(カンボジアIR事業者)
– Current-ソフィテルマカオ・アットポンテ16&ゲットナイスホールディングス(香港資本。不動産・金融)
– Oshidori International Development(香港資本。投資・金融)
– 一般財団法人・災害支援財団
– Casinos Austria International(IR企業動向:カジノオーストリア 日本IR事業参入 記者発表会~欧州勢参戦相次ぐ
・IR整備法施行令が定める中核施設(1-5号)の基準・要件に近い規模感のIR施設を有する海外事業者は参加せず
・IR整備法(2018年7月27日公布), 施行令(2019年3月29日公布)が決定して以降、海外IR事業者のターゲットエリア選別は厳しさを増した
・登壇事業者のうち、大型IR施設を持つ業者はNagaCorpのみ。ただし、主力のプノンペンのコンプレックスは、累計投資額が10億ドル, 総延べ床面積20万㎡前後と、日本の政令基準とはかい離がある

NagaCorp プロパティ概要(2018年12月末)

カンボジア:NagaCorp Naga2は開業一年でフル稼働。Naga3計画進行~累計10億ドル級に
・2019年3月28日に発表されたNaga3計画は、完成時期は未定

カンボジア・プノンペン Naga World(1995年開業)
・プノンペン唯一のカジノを含む統合型リゾート(IR)
・70年間(2065年まで)のカジノライセンス、41年間(2035年まで)のプノンペンから半径200Km圏内(ベトナム国境、シアヌークビルを除く)における独占権
・総投資額は3億米ドルほど
・ホテル700室、ゲーミング施設(2017年6月末)はテーブル239台、電子ゲーム1,660台(外部業者設置分、570台を除く)

カンボジア・プノンペン NagaCity Walk(2016年8月開業)
・投資額=US$94mn
・床面積=13,248㎡
・地下の通路およびリテイル施設(NagaWorldとNaga2を接続)

カンボジア・プノンペン Naga2(2017年10月30日にソフトオープン、11月に開業)
・総投資額=3.69億米ドル
・床面積=110,105㎡
・ホテル約1,000室、ゲーミング施設(テーブル300台、EGM500台)、劇場(2,100席)など

 

オリジナルサイトで読む