給付金10万円の先を見据えた賢い使い方②【FP王子の知っトクお金の秘密】

2020.07.15 / 連載

年金問題に消費増税。膨らみ続ける金融不安や悩みなど〝お金のアレコレ〟に人気ファイナンシャルプランナー高橋成壽が斬りこむ!

「自分のためであり誰かのため」
経済を動かす10万円の賢い使い方
【後編】

1人10万円の定額給付金はもう振り込まれましたか?
このお金は、自分と家族を含めた世帯人数分のお金が世帯主にまとめて振り込まれますが、申請しないと受け取ることができません。もし、まだ手続きしていないという人や、何もしなくても振り込まれると思っていた人は、早めに手続きを済ませておきましょう。

10万円、あなたなら何に使いますか?
どうせなら自分の役にたつこと、もしくは誰かのためになることに使ってみませんか?


③自己投資(未来の自分に使う)


個人的に一番大切だと考えているのが自己投資です。「自分に投資する」というと人によって捉え方が変わってくると思うのですが、将来の自分にとってプラスになるようなコトやモノにお金を使うと考えてください。

例えば、在宅ワークが増えてきたのであれば、家での仕事がしやすいような設備を買い、効率を高めるのもいいでしょう。
ノートパソコンを新調するというのが分かりやすいかもしれません。他にもWi-Fi設備を導入したり、オンライン会議がスムーズにできるようなマイクとヘッドフォンを買うのもいいでしょう。オンライン会議用の照明もあります。
自宅のちょっとしたスペースで立って作業できるように高さの調節できるデスク、自宅で長時間座っても疲れないようなゲーミングチェアや高級オフィスチェアを買っている人もいるようです。
私自身も自宅の小屋裏で使えるような座椅子タイプのゲーミングチェアを検討しています。

在宅ワークというと他にも、オフィスへの出社が減り、大幅に減少した今までの通勤時間を利用して、新たな知識を習得したり、資格をとってみるのはいかがでしょうか。
仕事に直結する資格から、やってみたいと思っていた資格講座を受講してみたり、関連する本を買って独学するのもいいでしょう。

運動関係の機材を買うのも一つです。
自身の健康も自身の財産と考えれば、運動不足解消グッズも立派な自己投資です。ランニングシューズやバランスボール、ヨガマット、プッシュアップバーなど、リーズナブルな価格帯の商品もたくさんあります。


④貯蓄(次に困ることのないよう備える)


人によっては、10万円の定額給付金を全額貯蓄するという人もいるでしょう。
普段から貯蓄ができていない人にとっては、貯蓄こそが生活を安定させる方法の1つです。ファイナンシャルプランナーとしての視点では、一般に生活資金の3カ月~6カ月分くらいを、いつでも引き出せるように生活口座などに預金しておくことを推奨しています。ですから、今回の定額給付金を貯めておくことで、次に同じような事態が発生した時の生活資金の準備になるわけです。

今回の新型コロナウイルス感染症第一波では、マスクや手洗い用せっけんなどの衛生用品、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの生活必需品、小麦粉やパスタなどステイホーム関連の食材が品切れを起こしました。今後の来るかもしれない第二波の前に、お金の貯蓄ではなく、自宅の備蓄品を購入しておくのも1つの方法でしょう。

また、今後もし大規模な災害が発生するようなことを念頭に置くと、ソーシャルディスタンスを保ちながら集団で避難するということは現実的ではありませんから、自宅にとどまる「在宅避難」という選択肢も出てくるものと思われます。
そのような場合でも生活に困らないような災害備蓄品を改めてチェックし、足りないものを購入しておくこともできるでしょう。

今回の10万円定額給付金をどのように活用するかで、私たちの未来も変わってきます。
もしかすると株式投資や投資信託の購入に充てたいと考えている人もいるかもしれません。投資するならいつでも解約できるNISA、つみたてNISAがベターです。
iDeCoにお金を入れてしまうと60歳になるまで引き出せません。

また、すでに株価はコロナ前と同様の水準に戻りつつありますので、この記事を見てから投資するようではタイミングを逸したかもしれません。投資の絶好のタイミングはもしかすると世間が新型コロナウイルス感染症に恐怖している最中だった可能性が高いのです。

 

あなたなら、何にお金を使いますか?


著者プロフィール

高橋成壽

慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経て2007年にFP事務所を設立。2020年より東海大学湘南キャンパスで非常勤講師としてお金の授業を担当。
超富裕層向けの資産保全サービスを提供する寿FPコンサルティング、富裕層向けの資産運用サービスを提供する寿アセットマネジメント、現役世代を応援するライフデザインセンターを経営。無料のライフプラン相談サイト「ライフプランの窓口」、無料のマイホーム相談サービス「住もうよ!マイホーム」、保険見直しサービスの「保険チョイス」を運営している。

ライフプランの窓口https://www.lifeplannomadoguchi.com/

寿FPコンサルティングhttps://kotobukifp.co.jp/

住もうよマイホームhttps://sumou-myhome.org/

保険チョイスhttps://hoken-pro.org/

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