もしもコロナに感染したら収入はどうなる？②【FP王子の知っトクお金の秘密】

年金問題に消費増税。膨らみ続ける金融不安や悩みなど〝お金のアレコレ〟に人気ファイナンシャルプランナー高橋成壽が斬りこむ！

もしもコロナに感染してしまったら……

働けない時に生活を守る制度
【後編】

新型コロナウイルスの感染拡大対策として、外出自粛要請や休業要請などが行われています。もしかしたら身近な人や大切な人が感染したという人もいることでしょう。
また自分自身が新型コロナに感染してしまったらどうなるか、と不安に感じている人もいると思います。

もしも皆さんが新型コロナに感染してしまった場合、何か助けになる制度を使えるのか？
今回は感染してしまった場合に役立つ公的制度について解説します。

働く人のための制度

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実際に新型コロナウイルスに感染していると診断された場合、軽症者は自宅療養、重症者は即入院となり、しばらくの間仕事には従事できません。
そのような場合に役立つ制度は何でしょう？

有給休暇

一般的に仕事を休む場合には有給休暇を申請し、休むけれども給料は支払われる状態にします。有給休暇は労働者の権利として定められていて、自己都合で仕事を休むことを認める権利です。
多くの場合、企業ごとに一定の条件を満たすと有給日数を与えられます。また昨年からは年間5日以上の有給取得が義務化されました。

しかし労働者に与えられる権利とはいえ、新型コロナウイルスのような病気で長期間休むとなると、場合によっては有給休暇の残日数以上に休まなければならない可能性があります。

傷病手当金

感染が広がり、そのような状況が身近に潜む昨今の中で、今回お伝えしたいのは有給休暇を取得しなくても収入の一部が補償される制度「傷病手当金」です。

傷病手当金は業務以外の病気やケガで働けなくなった人が、3日以上連続して休んだ場合に、4日目以降の休業に対して収入を一部負担する制度です。より細かな詳細はhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/を参照してみてください。

この制度は休業中に給料が発生してしまうと対象にならないため、有給休暇を取得するのか、傷病手当金を受け取るか、どちらかを選択しなければいけません。なお、選択の際に比較する目安は、どちらが金額が多いのか、有給休暇は何日残っているかなどでしょう。

また有給休暇中の給料は会社から支払われるものですが、傷病手当金は健康保険から支払われます。この点で制度の見え方が経営者としての立場と従業員の立場から変わるでしょう。

そして多くの方が気になるのは「傷病手当金はいくらもらえるのか？」ということでしょう。詳細は前述のリンクにありますが、おおよそ「月収÷30日×休業日数×2/3」となります。簡単にいえば月収を日割りして、その3分の2にあたる金額です。
月収30万円相当の場合、一日当たり6,667円。

有給休暇の場合は休んでも給料の減額はありませんが、所得税や社会保険料の負担があります。一方、傷病手当金は非課税のため支給額の全額を受け取れます。したがって、手取り給料額が傷病手当金に近くなる場合がほとんどなのです。
有給休暇と傷病手当金のどちらが得かを考える際には、このように税金や保険料などの差し引きも忘れずに。

また傷病手当金は最長1年半支払われます。
いずれを選んでも、最終的に長期化する場合は傷病手当金を受けることになるでしょう。

なお職場で新型コロナウイルスに感染した場合は、条件にもよりますが労災保険の対象になると考えられます。労災保険に該当すると、休業した際に「休業補償給付」というお金が労災保険より支払われます。勤務先で感染した場合は「健康保険でなく労災保険」と覚えておくといいでしょう。

職場での感染を抑止するには、よく指摘される三密をいかに避けるかがポイントになりそうです。

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著者プロフィール

高橋成壽

慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融系のキャリアを経て2007年にＦＰ事務所を設立。2020年より東海大学湘南キャンパスで非常勤講師としてお金の授業を担当。
超富裕層向けの資産保全サービスを提供する寿FPコンサルティング、富裕層向けの資産運用サービスを提供する寿アセットマネジメント、現役世代を応援するライフデザインセンターを経営。無料のライフプラン相談サイト「ライフプランの窓口」、無料のマイホーム相談サービス「住もうよ！マイホーム」、保険見直しサービスの「保険チョイス」を運営している。

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