米国:米国商業市場 19年 436億ドル,YoY3.7%増, 過去最高~5日, 全989施設中519稼働

2020.06.06 / カジノ
2020-06-06

【海外ニュース】

6月3日、米国ゲーミング協会(American Gaming Association)は、2019年のコマーシャル・カジノ市場(GGR)を発表。

2019年データのポイントは以下の通り。

・2019年のGGR実績は、436億ドル,YoY3.7%増、過去最高。5年連続の成長軌道を維持
・コマーシャルカジノは、全米25州にあり、2019年には21州が前年比拡大、14州が過去最高
・2019年末のコマーシャルカジノ施設数(レーシーノ含む)は465ヵ所。トライバルは524ヵ所。計989施設
・スポーツベッティングは、14州が合法化、2019年のGGRは9.1億ドル(前年は4.3億ドル)
・2019年のコマーシャル市場のトップ5は、
 1:ラスベガスストリップ 65.9億ドル
 2:アトランティシティ 27.0億ドル
 3:シカゴ 19.4億ドル
 4:バルティモア-ワシントンDC 18.8億ドル
 5:ニューヨークシティ 14.9億ドル

トライバルゲーミング市場(インディアン)は、、先住民ゲーミング委員会(The National Indian Gaming Commission, NIGC。連邦政府・内務省Department of the Interiorが管轄)が、例年7月頃に年次集計結果を公表する。
2018年のトライバル・カジノ市場(GGR)は、337億ドル,YoY4%増。施設数は501であった。

6月5日の米国全体のカジノ施設(コマーシャル+トライバル)の開業状況は、全989施設のうち、開業519施設、休業470施設。

米国では、新型コロナウイルス(COVID-1)対応で、3月25日にコマーシャルカジノ施設の100%営業を停止(オンラインを除く、)。またトライバル施設のほぼすべてが同時点で営業を停止した。

米国:カジノ市場(商業+部族) 2018年754億ドル,YoY4%増, 施設数966~9年連続拡大

9月12日、先住民ゲーミング委員会(The National Indian Gaming Commission, NIGC。連邦政府・内務省Department of the Interiorが管轄)は、2018年のトライバル・カジノ市場(GGR)を発表。
この結果、2018年の米国のカジノ市場(商業、トライバル)が明らかとなった。

2018年の米国カジノ市場(GGR)は、754億ドル,YoY4%増。施設数は966。2010年以降の拡大基調が継続。

2018年のトライバル・カジノ市場(GGR)は、337億ドル,YoY4%増。施設数は501であった。NIGCは、例年7月頃に年次集計を公表する。

6月11日、米国ゲーミング協会(American Gaming Association)は、2018年のコマーシャル・カジノ市場(GGR)を発表。
2018年は417億ドル,YoY3%増と、2010年来の拡大基調をキープした。施設数(レーシーノ含む)は465ヵ所。

米国のカジノ市場は、成熟しているが、経済成長、カジノ導入州および施設数の増加を背景に、市場規模は拡大基調をキープ。ただし、競争激化の結果、個別施設の損益は悪化するケースも多い。

米国 新型コロナウイルス(COVID-19)アップデイト

米国:ネバダ州 4日,ゲーミング産業再開。MGM,約半分を再開~緩やかな回復ペースに

6月4日、ネバダ州では、カジノ、ホテルなどゲーミング産業が再開した。カジノ施設は、新型コロナウイルス(COVID-19)の対策で、3月18日から6月3日まで休業した。

ラスベガスストリップの施設の再開状況は以下の通り(日本IR参入意欲を持つ会社、およびLas Vegas Sandsのみ掲載)。

各施設は、カジノ、ホテルを含むほぼ多くのサービスを再開。ただし、MICE、ナイトクラブ、プールなどは稼働しない。また、稼働するサービスでも、厳格な感染防止対策が実施される(例えば、カジノフロアは、稼働専有率を建築消防法で規定されたリミットの50%以下)。

各社とも顧客の戻り具合をみながら、施設の再開範囲を広げる方針。

MGM Resorts International:
4日再開:Bellagio, New York-New York, MGM Grand Las Vegas, The Signature(MGM Grand内)
休業継続:Mandalay Bay, The Mirage, Luxor, Excalibur, Park MGM

Wynn Las Vegas:
4日再開:Wynn Las Vegas, Encore at Wynn Las Vegas

Las Vegas Sands:
4日再開:The Venetian Resort Las Vegas
休業継続:The Sands Expo Center

ラスベガスの回復ペースは、米国ゲーミング産業の中でも緩やかとる可能性が高い。2019年のレベルの回復には、数年を要する可能性がある。

ラスベガスの特徴は、長距離移動・長期滞在の観光客のウエイトの高さ、大規模集客イベント(エンタテインメント,MICEなど)によるアトラクション。2018年には、訪問者の48%が空路によるアクセスであり、訪問者の平均滞在は3.4泊, 4.4日であった。

ネバダ州では、過去20年間に2回の大きな市場崩壊があった。2001年9月11日同時多発テロ後の旅行規制、2008年リーマンショック後の景気後退。回復期間は、前者は1年ほど、後者は数年。

ネバダ州政府は、4月30日に回復ロードマップ「NEVADA UNITED ROADMAP TO RECOVERY」を発表し、回復を1から4のフェーズに分けた。

5月9日にフェーズⅠに入り、一部の非生活必需事業場の営業再開が可能となった(社会的距離の確保、稼働率50%以下)。カジノIR施設内では、レストランが再開可能範囲に含まれる(その他施設は再開不可)。

5月26日、ネバダ州知事(Steve Sisolak)は、再開フェーズⅡプランを発表。5月27日、ネバダ州ゲーミング・コントロール・ボード(Nevada Gaming Control Board)は、施設再開インストラクションを発表。

<5月26日, ネバダ州知事の発表のポイント>
・ネバダ州は、5月29日より再開フェーズⅡに入る。フェーズⅡの期間は、2-3週間
・外出時、マスク着用、社会的距離(1.8M)を確保。集会規模は、50人以下(フェーズⅠは10人以下)
・ゲーミング産業の再開は、6月4日
・フェーズⅡで休業継続は、アダルトエンタテインメント、売春宿、ナイト(デイ)クラブ、屋外・無観客ライブスポーツ(屋内・無観客ライブスポーツは検討中)

<5月27日, ゲーミング・コントロール・ボードの発表のポイント>
・5月1日に発表した再開インストラクション”Health and Safety Policies for the Resumption of Gaming Operations:Nonrestricted Licensees, Restricted Licensees”を更新
・ゲーミングの追加事項(nonrestricted licensees)は、テーブルゲームの安全策、レスポンシブルゲーミング施策、顧客へのマスク供給と装着促進
・ホテルの追加事項(nonrestricted licensees)は、到着時の体温検査、顧客の症状自己申告、医療専門家の常駐

<5月1日, ゲーミング・コントロール・ボードが発表したインストラクションのポイント>
・事業者は、再開予定日の7日前までに、詳細プランの提出義務
・プランは、社会的距離、ハンドサニタイザー設置、クリーニング、サイネージ掲出、従業員トレーニングなどを含む
・ボードは、ゲーミングエリア運営を主たるコントロール対象とするが、事業者(LICENSEES)のプロパティ内のノンゲーミング施設の一部についても営業制限を課した
・事業者(NONRESTRICTED LICENSEES)に課される主なゲーミングエリアの制限は、
– 社会的距離を確保するテーブル、スロットの配置~ボードは、椅子のひとつおきの配置を提案
– 稼働専有率を建築消防法で規定されたリミットの50%以下を維持
– 稼働専有率の遵守、顧客数モニターに向けた体制整備、人員配置(セキュリティ要員, 既存のサベイランスシステム,スロットマネジメントシステムの利用可)

米国:マサチューセッツ州再開プラン 6月6日にフェーズⅡ日程発表~IRはⅡ以降,開業未定

5月29日、マサチューセッツ州政府は、6月6日に再開フェーズⅡ入りの日程を公開する方針を明らかにした。

5月18日、州政府は、4フェーズの再開プランを発表。同日にフェーズⅠ入りした。現在のところ、フェーズⅡ以降の日程は未定。各フェーズには、3週間ほどの観察期間を置く。

マサチューセッツ州ゲーミングコミッションは、3月15日に州内3つのカジノ施設を閉鎖を決定。
IR内のホテル・飲食はフェーズⅡ, カジノはフェーズⅢ、劇場アリーナはフェーズⅢまたⅣに位置付けられた。

マサチューセッツ州のカジノIRは以下の3施設。
Encore Boston Harbor – Wynn Resorts
MGM Springfield – MGM Resorts International
Plainridge Park Casino – Penn National Gaming

このうち、Encore Boston Harborは、これまで従業員の雇用を維持し、給与をフルに支払ってきた。ただし、5月29日には、従業員への支払い削減を開始するとの報道が出た。

一方、MGM Springfield, Plainridge Park Casinoは、4月より給与支払停止、解雇など人件費削減プロセスを開始済み。

Encore Boston Harborは、Wynn Resortsにとって、マカオ、米国の計4施設のうち一つ。
MGM Springfieldは、MGM Resorts Internationalにとって、米国、マカオの計19施設(50%所有のラスベガスCity Centerを含む)。

カジノIR事業者の自宅待機の従業員への対応は、(1)給与支払い継続、(2)雇用契約を継続しつつ給与支払停止、(3)解雇レイオフ、がある。

これまでの、日本IR参入意欲を持つ3者の対応は以下の通り。
・Las Vegas Sands, Wynn Resortsは(1)を継続する方針
・MGM Resorts Internationalは、4月に米国内のほとんどの従業員に(2)を適用したうえで、今後、大型の3)解雇レイオフを実施する可能性に言及

米国:ネバダ州知事, 26日,再開フェーズⅡ発表, カジノ再開6月4日~27日,GCBが安全策強化

5月26日、ネバダ州知事(Steve Sisolak)は、再開フェーズⅡプランを発表。5月27日、ネバダ州ゲーミング・コントロール・ボード(Nevada Gaming Control Board)は、施設再開インストラクションを発表。

<5月26日, ネバダ州知事の発表のポイント>
・ネバダ州は、5月29日より再開フェーズⅡに入る。フェーズⅡの期間は、2-3週間
・外出時、マスク着用、社会的距離(1.8M)を確保。集会規模は、50人以下(フェーズⅠは10人以下)
・ゲーミング産業の再開は、6月4日
・フェーズⅡで休業継続は、アダルトエンタテインメント、売春宿、ナイト(デイ)クラブ、屋外・無観客ライブスポーツ(屋内・無観客ライブスポーツは検討中)

<5月27日, ゲーミング・コントロール・ボードの発表のポイント>
・5月1日に発表した再開インストラクション”Health and Safety Policies for the Resumption of Gaming Operations:Nonrestricted Licensees, Restricted Licensees”を更新
・ゲーミングの追加事項(nonrestricted licensees)は、テーブルゲームの安全策、レスポンシブルゲーミング施策、顧客へのマスク供給と装着促進
・ホテルの追加事項(nonrestricted licensees)は、到着時の体温検査、顧客の症状自己申告、医療専門家の常駐

<5月1日, ゲーミング・コントロール・ボードが発表したインストラクションのポイント>
・事業者は、再開予定日の7日前までに、詳細プランの提出義務
・プランは、社会的距離、ハンドサニタイザー設置、クリーニング、サイネージ掲出、従業員トレーニングなどを含む
・ボードは、ゲーミングエリア運営を主たるコントロール対象とするが、事業者(LICENSEES)のプロパティ内のノンゲーミング施設の一部についても営業制限を課した
・事業者(NONRESTRICTED LICENSEES)に課される主なゲーミングエリアの制限は、
– 社会的距離を確保するテーブル、スロットの配置~ボードは、椅子のひとつおきの配置を提案
– 稼働専有率を建築消防法で規定されたリミットの50%以下を維持
– 稼働専有率の遵守、顧客数モニターに向けた体制整備、人員配置(セキュリティ要員, 既存のサベイランスシステム,スロットマネジメントシステムの利用可)

ネバダ州のカジノ施設は、3月18日以降、休業中。

州政府は、4月30日に回復ロードマップ「NEVADA UNITED ROADMAP TO RECOVERY」を発表し、回復を1から4のフェーズに分けた。

カジノ施設の再開は、当初、回復ロードマップのフェーズ4分類の後半とみられていたが、フェーズⅡに位置付けられた。フェーズⅠの感染コントロールの良好な経過、経済状況の悪化とカジノ産業からのプレッシャーを受けた流れ。

5月9日にフェーズⅠに入り、一部の非生活必需事業場の営業再開が可能となった(社会的距離の確保、稼働率50%以下)。カジノIR施設内では、レストランが再開可能範囲に含まれる(その他施設は再開不可)。

米国:主要5州(NV除く)再開予定~6月1日以降,大半は未定/全米,再開168施設 in 989

5月25日現在、米国では、821施設が閉鎖中、168施設が開業。米国全体では、全989施設(商業+インディアン部族)がある。人口、経済規模が大きいエリア、大型施設はほとんどが閉鎖中。

以下は、5月25日現在における主要5州の状況(2019年に日本IR参入活動の履歴がある企業の主な施設がある州)。
なお、ネバダ州(NV, 全223施設)は、ゲーミング産業の再開ターゲット日を6月4日に設定。

<マサチューセッツ州(MA, 全3施設)>
・5月18日、州政府は、4フェーズの再開プランを発表。同日にフェーズⅠ入り。IR内のホテル飲食はフェーズⅡ, カジノはフェーズⅢ。フェーズⅡ以降の日程は未定
・同州の施設は、
Encore Boston Harbor – Wynn Resorts
MGM Springfield – MGM Resorts International
Plainridge Park Casino – Penn National Gaming

<コネチカット州(CT, 全2施設)>
・5月20日、2部族(Mashantucket Pequot tribe, Mohegan Tribe)は、施設部分再開を6月1日とすると発表
・ただし、両部族は、州知事の要請を押し切って発表した
・同州の施設は、
Mohegan Sun – Mohegan Gaming & Entertainment(Mohegan Tribe)
Foxwoods Resort Casino – Mashantucket Pequot Tribal Nation

<ニューヨーク州(NY, 全28施設)>
・5月22日、州知事(Andrew Cuomo)は、カジノ施設について、再開予定日は設定できないと発言
・同州では、エリア別に、再開4フェーズ(事業により分類)に分類
・カジノおよびIR施設の多くは、フェーズ3以降
・同州に施設を持つ日本IR参入活動企業は、
Genting Malaysia(Genting Singaporeの兄弟会社)
MGM Resorts International

<ニュージャージー州(NJ), 全9施設>
・5月22日、州知事(Phil Murphy)は、カジノ施設について、再開予定日は設定できないと発言
・同州に施設を持つ日本IR参入活動企業は、
Hardrock International- Seminole Tribe
MGM Resorts International

<フロリダ州(FL), 全15施設>
・5月21日、Seminole Hard Rock Tampaが再開
・Seminole部族のその他施設の再開日は未定
・同州に施設を持つ日本IR参入活動企業は、
Hardrock International- Seminole Tribe
 

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