市場が半減する中で一筋の光明?

2020.05.25 / コラム

一足先に営業を再開した地域では、コロナ前と比べると遊技人口が45~55%減というデータがある。例えば昨年5月一次商圏人口が1000人いたとすれば、40%ダウンで600人ということだ。

休業要請中に営業を続けたホールの稼働データを見てもパチンコよりもスロットの方が好調だった。若者の方がフットワークが軽く、期待値が高ければ遠方でも足を運ぶ。その一方で、低貸しコーナーを支えてきた高齢者は、コロナに感染すると重篤化し、最悪死に至るためにどうしても敬遠してしまう。1パチの海の稼働低下は顕著に表れている。時間が解決するのを待つしかないのだろうか。

商圏の遊技人口が半減する状態では5月は7割以上は黒字を出せない、といわれている。こんな状態が6月、7月、8月と続けば撤退、廃業を考える経営者は増える。

市場は需要と供給で成り立つ。遊技人口が減れば、ホール軒数が減り、メーカーも統廃合することになる。

まずホールが考えるのは売り上げ、粗利が下がれば損益分岐点を下げること。そのために、機械代や人件費、広告宣伝費、光熱費、家賃などあらゆる経費の見直しだ。

ホール経営は新台がなければ成り立たないと考えがちだが、未曾有の危機に3~5割削減する方針のホールが少なくない。メーカーも1機種1万台販売していたとすれば、5000台が天であることを覚悟しなければいけない。

ホールから不満が多かった機械代の値下げも必要になってくる。セカンドブランドを使うなりして思い切った価格の機械が求められる。メーカーがコスト削減を図るには開発期間の短縮になる。6カ月かかっていたものを3カ月で作れ、となる。スロットなら液晶のないAタイプなら可能だろう。

あるスロットが話題になっている。

12台導入されているホールへ視察に行ったスロット関係者が興奮気味に語る。

「満台で立ち見客がいる。こんなワクワクする光景は15年ぶりに観た。ビッグ、レギュラーで連発するAタイプで山佐のリノに似ているがそれよりも強烈。3000枚は楽に出る。お客さんのハートを掴んでいる。ようやく、本格派、正統派のスロットが出てきた。AT、RTの演出でお客さんを騙してきたが、それにも飽きていた。ボーナスがかかったら連発する期待がある。こういう機械が出るとホールも生き返ることを肌で感じた」

ただ、従来の機種構成で営業を再開するようでは生き残れない。どのコーナーがダメージが少ないか。そこを強化するしかない。







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