Genting Malaysia 20年度1Q 最終赤字104億円~RWG,米英とも閉鎖中。20年中,逆境予想

2020.05.25 / カジノ
2020-05-25

【海外ニュース】

5月21日、Genting Malaysiaは、2020年1Q業績を発表。

2020年度1Qの調整後EBITDAは89億円,YoY48%減, 株主帰属当期損益は104億円の赤字。

同社の主力は、マレーシアResorts World Genting。欧米に施設展開する。

Gentingグループの日本IR参入については、Genting Singaporeに担当させる方針。同社は、グループ構成員として、Genting Singaporeをサポートする立ち位置。

なお、2019年より、マレーシア政府は、Resorts World Genting(国内唯一のカジノ施設を含む)のGGR課税率を25%から35%に引き上げた。

新型コロナウイルス(COVID-19)による影響および見通しのポイントは、以下の通り。
同社は、2020年は、施設が再開されたとしても、経済情勢、消費マインドの悪化により、逆境と予想。

<マレーシア>
・Movement Control Order(MCO)は、3月18日に開始。政府は、徐々に経済を再開、MCO緩和中
・Resorts World Genting(および、国内リゾート)は、3月18日より現在まで閉鎖中
・屋外テーマパークの開発スケジュールは、MCOの影響を反映し、再設定中

<米国>
・Resorts World Casino New York City、Resorts World Catskillは、3月17日より現在まで閉鎖中
・Resorts World Casino New York Cityの拡張工事は停止中

<英国エジプト>
・英国のResorts World Birminghamおよびランドカジノ全施設は、3月26日より現在まで閉鎖中。エジプトも現在まで閉鎖中
・オンラインGentingBetは、営業中

2020年度業績(1-3月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM1,956mn,YoY29%減, 調整後EBITDA RM355mn,YoY48%減, 株主帰属当期損益RM418mnの赤字(前年同期RM268mnの黒字)
・円換算は、売上高489億円、調整後EBITDA 89億円、株主帰属当期損益104億円の赤字
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM1,225mn,YoY36%減, 調整後EBITDA RM331mn,YoY40%減
– UK & Egypt = 売上高RM371mn,YoY11%減, 調整後EBITDA RM23mn,YoY44%減
– US & Bahamas = 売上高RM321mn,YoY13%減, 調整後EBITDA RM15mn,YoY78%減

財務状況:ネット有利子負債(2020年3月末):
・ネット有利子負債=RM4,420mn(約1,105億円)
– 現預金計=RM6,513mn, 短期保有有価証券=RM783mn
– 有利子負債=RM11,715mn(借入金RM10,872mn, リース債務RM843mn)

2019年度業績(1-12月)RM=マレーシアリンギット:
・売上高RM10,407mn,YoY5%増, 調整後EBITDA RM2,641mn,YoY8%減, 株主帰属当期利益RM1,395mn(前期RM20mnの赤字)
・円換算は、売上高2,602億円、調整後EBITDAは660億円、株主帰属当期利益349億円
<セグメント別>
・Leisure & Hospitality
– Malaysia = 売上高RM7,067mn,YoY7%増, 調整後EBITDA RM2,048mn,YoY11%減
– UK & Egypt = 売上高RM1,676mn,YoY6%減, 調整後EBITDA RM232mn,YoY27%増
– US & Bahamas = 売上高RM1,469mn,YoY6%増, 調整後EBITDA RM289n,YoY5%減

マレーシア:Genting Malaysia 閉鎖期間5月12日まで。3回目の延長~米国, 英国も閉鎖

4月24日までに、Genting Malaysiaは、Resorts World Genting(マレーシア唯一のカジノ施設を含むIR)、その他マレーシアのリゾート施設の閉鎖期間の延長を発表。
23日、マレーシア首相は、新型肺炎(COVID-19)対策として、移動制限令(Movement Control Order, MCO)の延長を発令。

閉鎖期間は、従来4月28日であったが、今回5月12日まで延長へ。

閉鎖期間は、最初3月18日から3月31日に設定されたが、1回目の延長で4月14日まで、2回目の延長で4月28日まで、そして、今回が3回目の延長となった。

Genting Malaysiaは、3月17日付で米国のニューヨーク州Resorts World Casino New York City、Resorts World Catskillの閉鎖を発表。3月26日付で英国のResorts World Birmingham、その他ランドカジノ全施設の閉鎖を発表(ただし、オンラインのGentingBet.comは営業継続中)。

Genting Bhd:Malaysia FOXと和解。テーマパーク計画再始動

7月25日、Genting Malaysiaは、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニー(フォックスの映画事業を買収)との和解を発表。Genting Malaysiaは、Resorts World Genting内のアウトドア・テーマパーク計画を改めて推進へ。

両者は、改めて、7月25日訂正版の覚書(Memorandum of Agreement)を締結。Genting Malaysiaは、フォックスの知的財産(Intellectual properties)のライセンスを得る。

Genting Malaysiaは、マレーシア・クアラルンプール郊外のResorts World Gentingにおいて、アウトドア・テーマパークを計画中であり、フォックスとその他のコンテンツを活用する。テーマパークの名称は、改めて検討する。

Genting Malaysiaは、2013年12月、Genting Integrated Tourism Plan(GITP)を策定し、10年間で100億マレーシアリンギット(約2,500億円)を投資する計画を発表。
その一環で、20世紀FOXテーマパークを計画に組み込んできた。

Genting Malaysiaは、当初、3億ドルを投資し、2018年にテーマパークを開業する予定であったが、契約上のトラブルが発生。
2018年11月に、Genting Malaysiaが、フォックス・エンターテインメント・グループ、ウォルト・ディズニーを提訴。その後、2019年1月に、フォックス・エンターテインメント・グループがGenting Malaysiaを逆提訴する展開となっていた。

Genting Group 3つのエンティティがIR事業推進。日本はGenting Singaporeが担当

Genting Groupでは、3つのエンティティがそれぞれIR事業を推進する。

日本については、日本政府がシンガポールの制度設計を参考とすることから、その実績を有するGenting Singaporeに担当させる方針。

<Genting Berhad(マレーシア)>
・主な施設:NA
・開発計画:Resorts World Las Vegas(米国ネバダ州ラスベガス・ストリップ)

<Genting Malaysia(マレーシア)>
・主な施設:Resorts World Genting(マレーシア), Resorts World Birmingham(英国), Resorts World New York city(米国ニューヨーク州), Resorts World Bimini(バハマ)
・開発計画:Resorts World Gentingの大型アップデート

<Genting Singapore(シンガポール)>
・主な施設:Resorts World Singapore(シンガポール)
・開発計画:Resorts World Singaporeの大型アップデートおよび日本における開発機会追求
 

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