シンガポール:政府,サーキットブレーカー後,6月2日の再開範囲~IR施設の大半は休業継続

2020.05.23 / カジノ
2020-05-23

【海外ニュース】

5月19日、シンガポール政府は、6月2日に経済活動再開を容認する事業範囲を公開。そこに、カジノ、ホテル施設は含まれなかった。これにより、IR施設のほとんどは、6月2日以降も休業延長を余儀なくされる。

政府は、6月2日より経済活動の75%を再開、通常化させる方針。その後、段階的に通常化を進める。

シンガポール政府は、新型肺炎(COVID-19)の対策として、”サーキットブレーカー措置”を6月1日までに設定。サーキットブレーカー措置は、自宅待機令、事業場営業停止令(それぞれ生活必需を除く、)を含む。

IR2施設、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)は、現在、施設全体の営業を停止中。
IR2施設は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表、その後、4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止となった。

アジア地区では、韓国、マカオは、営業を再開または継続中。ただし、現状では、渡航規制は緩和されておらず、施設稼働は低水準にある。

シンガポール:政府, 24日より短期滞在目的の外国人の入国を禁止~2つのIRは営業継続

4月21日、シンガポールのリー・シェンロン首相は、新型肺炎(COVID-19)の対策として、”サーキットブレーカー措置”を、6月1日まで4週間延長すると発表。

同措置の期間設定は、前回4月3日発表時には、4月7日(火)から5月4日(月)であった。今回の延長により期間は、4月7日(火)から6月1日(月)となる。

サーキットブレーカー措置は、自宅待機令、事業場営業停止令(それぞれ生活必需を除く、)を含む。

IR2施設、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)は、施設全体が営業停止の対象となる。

IR2施設は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表、その後、4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止となった。

アジア太平洋地区の主要市場(行政管轄区)では、マカオは、全面的に営業継続。マカオの営業継続は、雇用維持の目的が大きい。マカオでは、厳しい入境制限(中国本土, 香港, 台湾のみ入境可)、中国本土によるマカオ・ビザ発給停止(個人、団体)により顧客はほとんどいない状況が続く。

韓国では、Paradiseなど一部の外国人専用カジノ、それを含むIRが営業中。ただし、政府の入国制限により、顧客は限定的。
韓国でも、Kangwon Land(内国人入場可)、Grand Korea Leisure(政府系の外国人専用カジノ施設)は休業中。

全面的に営業停止中の行政管轄区は、カンボジア、ベトナム、フィリピン・マニラ首都圏、シンガポール、マレーシア(Resorts World Genting)、オーストラリア・ニュージーランド全施設など。

シンガポール:政府, 24日より短期滞在目的の外国人の入国を禁止~2つのIRは営業継続

4月3日、シンガポール政府は、新型肺炎(COVID-19)の対策として、自宅待機令、事業場営業停止令(それぞれ生活必需を除く、)を発出。

シンガポールのIR2施設、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)は、IR施設全体の営業停止を発表。
営業停止期間は、4月7日(火)から5月4日(月)。ただし、カジノ部門は、4月6日より閉鎖する。

3月26日、IR2施設は、カジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表した経緯がある。

シンガポール:IR2施設 カジノ入場可能顧客制限を導入~25日, 政府方針。目途は4月末

3月26日、シンガポールのIR2施設である、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)は、カジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表。

両施設とも、26日23:59より、カジノフロアの営業は継続するものの、入場可能な顧客をロイヤリティ・プログラム・メンバー(MBSはゴールド以上)、シンガポール国民(永住権者)の年間入場料の支払者に限定する。

入場可能顧客の限定策は、これまでの施策、顧客間距離の確保(顧客1人当たり16㎡の確保)、その他クリーニング強化への上乗せとなる。

3月25日にシンガポール政府(Ministry of National Development, MND)は、新型肺炎(COVID-19)への対策方針を発表。
シンガポール政府は、エンタテインメント施設等に対し、営業停止を課した。一方、カジノ施設は、観光アトラクションの位置づけで、営業停止にはならなかったが、施策強化が求められた。
シンガポール政府は、対策期間の目途を4月末とした。

シンガポール:政府, 24日より短期滞在目的の外国人の入国を禁止~2つのIRは営業継続

3月24日より、シンガポール政府は、新型肺炎(COVID-19)への対策として、短期滞在目的の外国人の入国、トランジットを禁止する(例外規定あり)。
施策は、3月22日に発表された。

今回の施策により、入国可能なステイタスは、国民、永住権(Permanent Residence, PR)、長期滞在ビザ(Long Term Visit Pass)、および、生活必需分野の労働ビザ(Work Pass)の保有者に限られる。
入国に際しては、14日間の外出禁止義務が課される。

シンガポールの新型肺炎の感染は、初期対策が奏功したものの、3月22日までに主に入国者を起源とした再拡大が確認された。

直近まで、シンガポール政府は、入国対策として、1)すべての入国者に14日間の外出禁止義務、2)直近14日間に高リスク7ヵ国(中国, 韓国, イラン, イタリア, フランス, スペイン, ドイツ)の滞在歴者の入国禁止、を導入していた。

シンガポールのIR2施設である、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)は、営業を継続中。
ただし、感染防止策として、人口密度コントロール、ウイルス除去清掃作業、入場時の体温測定などを実施。

シンガポール IR2施設業績

シンガポール:IR2施設計 20度1Q 売上高999億円,YoY26%減~コロナ影響,2Qに本格化


 
4月22日にLas Vegas Sands(ニューヨーク証券取引所)、5月13日にGenting Singapore(シンガポール証券取引所)が2020年度1Q業績を発表。シンガポールIR2施設の業績が出揃った。
なお、2020年度より、シンガポール証券取引所は、四半期決算報告の義務を解除。Genting Singaporeは、四半期の事業概況を発表する。

シンガポールIR2施設とは、Marina Bay Sands(MBS, 運営会社:Marina Bay Sands社=Las Vegas Sandsシンガポール子会社)、Resorts World Sentosa(RWS, 運営会社:Genting Singapore社)。なお、Genting Singaporeは、ほぼRWSのみを運営。

2社計の2020年度1Q(1-3月)業績は、売上高999億円,YoY26%減, 調整後EBITDAは428億円,YoY41%減。

IR2施設の新型コロナウイルス(COVID-19)への対応は、3月26日にカジノフロアの入場可能顧客の限定策を発表。4月6日にカジノ部門を閉鎖、4月7日に全面営業停止。
施設閉鎖の影響は、2Q(4-6月)に本格化。

シンガポールのIRの収益力は高い。シンガポールIRは、東南アジアの顧客を主体する。同エリアにおける少数事業者による市場寡占の環境が背景。

Marina Bay Sandsの収益規模が、Resorts World Sentosaよりも大きい背景は、1)立地(都心中心部)、2)ビジネス客の需要取り込み、3)マカオ・オペレーションとのシナジー、など。

シンガポールのカジノ営業権は、2006-2007年を起点に30年であり、2030年末まで排他的独占期間が設定されている。

なお、決算発表時の日本参入意欲のアピールは以下の通り。

Genting Singapore 日本に関する方針
・5月13日
「強い財務力は、Resorts World Sentosaおよび海外への成長機会への取り組みを可能とする」
「日本では、横浜市のRFCに参加済み。2020年後半の横浜市のRFPに参加予定」
(会社は、2019年度決算発表後、日本におけるIR事業コンソーシアムを9-10月に組成したいと述べた)
・2月4日、株主総会を開催。日本IR開発方針の提案が可決
「一つ、または複数エリアに提案する可能性。ただし、最初の7年間は一つのIRプロジェクトの開発運営のみ」
「大都市のみをターゲット。大阪府、横浜市、東京都(これまでに大阪府、横浜市のRFCに参加)」
「投資額は、最大100億米ドル(約1.1兆円)」

Las Vegas Sands 日本に関する方針(5月12日に日本IR活動中止を発表)
・5月12日、シェルドン・アデルソンCEOのコメント
「日本の観光産業への関心は、30年前に日本でCOMDEXショーを開催してから持ち続けてきた」
「私は、常に日本における開発機会を望んできた」
「日本へのポジティブな感情、IRの観光産業への貢献への信念は変わらない」
「ただし、日本におけるIR開発フレームワークにおいては、我々の経営目標到達は困難と判断せざるを得ない」

2019年4月3日、政府とIR2社の包括合意~優遇(独占期間延長等)と公益貢献をセット

政府とIR事業者2社の包括合意

4月3日、シンガポール政府(*)は、IR2事業者との包括合意の締結を発表。

(*)4省合同(Ministry of Trade and Industry, Ministry of Finance, Ministry of Home Affairs, Ministry of Social and Family Development)

合意の基本的な考え方は、既存2事業者に優遇措置を付与する一方、国際観光促進や依存症対策など公益性への強い貢献を求めること。合意の基本コンポーネントは以下の通り。

・2事業者の排他的独占期間を2030年末まで延長
– シンガポール政府は、2事業者に2007年3月から2017年3月の10年間の排他的独占期間を付与
– 2015年5月, シンガポール政府は2017年3月以降の方針について、追加ライセンスの発行より、2事業者と協業してサービスを強化することにプライオリティを置くと方針を示した

・第2期拡張投資(2社計90億シンガポールドル≒7,400億円)
・投資要件を充足しない場合、ペナルティ有り(ゲーミング税を参照)

・ゲーミングエリア拡張
– 現在、各IRは、15,000㎡が許容
– 今後、両事業者は、土地コストを負担することで、追加(MBS 2,000㎡, RWS 500㎡)のエリアを拡張可能
– ただし、ゲーミングエリアの施設面積比は、現行3.1%から2.3%に低下
– 現在、各IRは、スロット2,500台が許容
– 今後、両事業者は、追加(MBS 1,000台, RWS 800台)を設置可能

・プロブレム・ギャンブリング対策
– 現在、プロブレム・ギャンブリングは、コントロールできている
– National Council on Problem Gambling調査では、問題レート(problemとpathological計)は2010年当時の2.6%から2017年には0.9%に低下
a) カジノ入場料(シンガポール国民, PR)は、100シンガポールドルから150シンガポールドル(1日)に引き上げ。同様に、2,000シンガポールドルから3,000シンガポール(年間)に引き上げ。5年間のモラトリアム
b) The Ministry of Social and Family Developmentは、両事業者とレスポンシブルゲーミングを推進

・ゲーミング税引き上げ
– 現在、ゲーミング税は、GGR(Gross gaming revenue)に対し、5%(プレミアム客), 15%(マス客)
– 現行モラトリアム終了後(2022年2月)、政府はGGR連動税(Tiered casino tax structure)を導入へ。それぞれ8%以上、18%以上に
– 追加投資要件を充足しない場合、ペナルティとして、12%(プレミアム客), 22%(マス客)の固定を課す

シンガポール政府リリース:Integrated Resorts to invest S$9 billion in new world-class attractions and experiences

IR2施設 第2期拡張計画 各3,700億円投資~RWS, 任天堂ワールド

4月3日、Las Vegas SandsとGenting Singaporeは、シンガポール政府と第2期拡張合意(Second supplemental agreement)を締結したと発表。オリジナルのIR開発合意(Development Agreement)は、2007年3月1日に締結。

Marina Bay Sands 第2期拡張合意(運営会社:Las Vegas Sands)
・締結日:2019年4月3日
・投資額:45億シンガポールドル(約3,700億円)
<開発概要>
・延べ床面積(Gross floor area, GFA)は50%拡張, 16.4万㎡
・主要追加施設
– 最新アリーナ(15,000席)
– ホテルタワー(約1,000室)
– MICE拡張

Resorts World Sentosa 第2期拡張合意(運営会社:Genting Singapore)
・締結日:2019年4月3日
・投資額:45億シンガポールドル(約3,700億円)
・期間:5年間
<開発概要>
・延べ床面積(Gross floor area, GFA)は50%拡張, 16.4万㎡
・主要追加施設
(a) ユニバーサル・スタジオ拡張(ミニオン・パーク, スーパー任天堂ワールド):expansion of Universal Studios Singapore, with two (2) new highly themed and immersive environments – Minion Park and Super Nintendo World.
(b) 水族館拡張とリブランド:expansion of the S.E.A. Aquarium to be re-branded as “Singapore Oceanarium”.
(c) 劇場を新施設に転換:conversion of the Resorts World Theatre into a new Adventure Dining Playhouse.
(d) ホテル増設(約1,100室):expansion of in-resort accommodation with up to 1,100 more hotel rooms at a new waterfront lifestyle complex and within the central zone of Resorts World Sentosa (“RWS”).
(e) 海浜遊歩道:an enhanced waterfront promenade to be lined with restaurants and retail outlets, and a spectacular public attraction.
(f) MICE拡張:expansion of Meetings, Incentives, Conferences and Exhibitions (MICE) facilities which will bring in more events into Singapore.
(g) 無人交通システム:development of a driverless transport system (“DTS”) which will enhance last-mile connectivity to bring greater footfall to RWS and the rest of Sentosa Island.

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