休業要請中に営業しているホールを調査して業界の明るい将来が見えた

2020.05.18 / コラム

在阪テレビ局が休業要請に応じないホールを定点観測的に取材していた。ゴールデンウィーク前と後に現地に入った。そこで何度も見かける人物が気になり、客かと思って声を掛けた。

その結果、業界人であることが分かる。

メーカーからの依頼で市場調査をしていた機械販社の関係者だった。休業要請中に営業を続けているホールを回って毎日レポートを提出していた。

「人口密集地ではまだまだパチンコはやれる、と実感しています。依存症に支えられ、外部からも来ている人もいますが、やり方によってはどうにかなる。ギャンブルにならないように依存症を作ることがパチンコ業界の生き残りの道ではないでしょうか」と持論を展開した。

95%以上が休業している中で営業しているホール数は限られている。その営業中のホールを目当てに遠方からも遊技客が集まる。

テレビのインタビューに答えた人たちの意見がこれ。ま、編集されているので呆れる意見ばかりだが。

「家にいても暇でやることがないのでパチンコを打ちに来た」

「自分は移らないから大丈夫。パチンコの方が大事」

「家族に移す心配はない。うちでは玄関に入るとピシッとしているから」

「コロナに罹ってもいいや。(パチンコに)負けるぐらいリスクはあるけど」

コロナよりもパチンコの方が大事という意見だ。こういう感覚だからみんなが控えていてもパチンコが止められない=依存症、とレッテルを貼られてしまう。

東京のタクシードライバーのAさんは、会社がコロナの影響で1カ月間の休業に入っている。長い休みが続く中、マイカーで1時間半かけて茨城県のホールへ遠征した。

「自分は依存症ではない。会社がさらに休みが延長になって不安になってきた。こんな時に何も考えずにできるのがパチンコ。不安解消のためにパチンコをやりに行った。越境パチンコはよくないことは分かっているけど、不安なままで家にいると鬱になる。それを解消するために1パチを打ちに行った。テレビのインタビューを受けたがこういう意見は採用されないね」

依存症になっている人が集まってくるのかも知れないが、Aさんのような不安解消というのもある。市場調査を続けていて、その圧倒的なパワーを実感した。

「要はガチャは別としても課金しなくてもゲームに嵌る。私もファミコン世代でゲームがとにかく面白くて一晩中やった。ギャンブル依存症はおカネを使いすぎて本人や家族の人生までを破綻させるから社会問題になる。生活を破綻させない程度の依存なら問題ないのではないでしょうか。大阪で700店舗ホールがあるとして、その1割の70店舗が大阪に点在しているとすれば、わざわざ車で来てくれる。この光景を見ていたらワクワクしてきました。適正軒数なら業界の将来は有望です」(機械販社関係者)

ギャンブル依存症が問題視されているパチンコに対して「あまりおカネを使わないでも夢中になれる遊技機を開発することが今後のパチンコ業界の生き残りの道」と閃いたようだ。

売り上げや利益は大きいが、設備投資や必要固定費も大きいパチンコ営業だが、アフターコロナ時代は今まで通りの営業方法は通用しなくなる。コロナ前からそれは進んでいたことで加速する。

東海道新幹線というドル箱路線を抱えるJR東海は、ビジネス客や観光客に支えられてきたが、コロナが終息しても乗車率は6割ぐらいしか戻らないのではないかとの予測もある。

テレワークの普及で会議や打ち合わせのためにわざわざ出張する必要がないことが証明された。コロナ禍でほとんどの企業は業績を落としている。経費を節減するためにも真っ先に出張費が削られそうだ。

パチンコに話を戻すと40~50万円もする機械代はコロナ後は通用しなくなる。客も2カ月もパチンコを止めているとそのまま戻ってこなくなる可能性も懸念される。

高コスト体質から脱却できるチャンスと捉えるしかない。メーカーが本気になって取り組んでおカネを使わなくても夢中になれる機械を作る?







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