フィリピン:新型肺炎 マニラ首都圏など広域隔離,5月31日まで2週間延長~国際IR施設休場
2020.05.13 / カジノ【海外ニュース】
5月12日、フィリピン政府は、新型肺炎(COVID-19)の対策として、マニラ首都圏などの外出・移動制限(広域隔離措置)を5月末まで延長すると発表。
12日の発表は、広域隔離措置の対象エリアを縮小しつつ、期間を2週間延長したことになる。
直近、政府は、広域隔離措置について、対象エリアをルソン島、セブ州(セブ島を含む)、期限を5月15日としていた。
フィリピン政府は、3月12日にマニラ首都圏の封鎖(期間:3月15日~4月14日)を発表。その後、広域隔離措置の対象エリアを拡大しつつ、期間を2週間ずつ延長し、直近の措置に至った。
ゲーミング当局(Philippine Amusement and Gaming Corp, PAGCOR)は、政府方針に沿い、カジノを含むすべてのゲーミング事業(PAGCORの規制対象)の停止を発令。
ゲーミング事業者は、3月15日より休業中。今回の政府決定により、期間は少なくとも5月31日までとなる。
マニラ首都圏の国際IR各社は、カジノフロアを休業。ノンゲーミング部門の対応(全面休業 or 部分開業)については、社別に対応が異なる(PAGCORは、ホテル、飲食店の営業は容認)。
PAGCORは、2020年のゲーミング産業市場目標(Gross Gaming Revenue)をPHP290 billion,YoY11%増(約6,080億円)としたが、その達成は困難な情勢。
国際IR4施設とは、マニラ首都圏(Entertainment City, Newport City)の以下の施設群。2019年度には、ゲーミング市場全体(カジノ、電子ゲームなど含む)の約7割を占有。
City of Dreams Manila(事業者:Melco Resorts Philippines)
Resorts World Manila(事業者:Travellers International Hotel Group)
Solaire Resort & Casino(事業者:Bloomberry Resorts)
Okada Manila(事業者:Tiger Resort, Leisure and Entertainment、ユニバーサルエンターテインメント子会社)
フィリピン:2019年度4Q統計 国際IR4施設GGR 3,587億円,YoY17%増~各施設とも順調
2月2週、フィリピンのゲーミング当局(Philippine Amusement and Gaming Corp, PAGCOR)が、2019年度4Qのカジノ市場(以下Gross Gaming Revenues, GGR)を発表。
2019年度4Q累計(1-12月)の市場は、PHP216,389mn,YoY 15%増(約4,696億円)。
うち、マニラ首都圏の国際IR4施設の合計(Entertainment City)は、PHP165,284 mn,YoY17%増(約3,587億円)、全体の76%を占有。
国際IR4施設とは、
City of Dreams Manila(事業者:Melco Resorts Philippines)
Resorts World Manila(事業者:Travellers International Hotel Group)
Solaire Resort & Casino(事業者:Bloomberry Resorts)
Okada Manila(事業者:Tiger Resort, Leisure and Entertainment、ユニバーサルエンターテインメント子会社)
現在、フィリピン証券取引所の上場企業は、Bloomberry Resortsのみ。
Melco Resorts PhilippinesおよびTravellers International Hotel Groupは、2019年に同市場の上場を廃止した。
Tiger Resort, Leisure and Entertainmentは、同市場への上場を準備中。
個社の業績動向は以下の通り。
フィリピン Bloomberry Resorts 19年度3Q 当期利益86億円,YoY3.5倍~好調, 日本コメントなし
ユニバーサルE Okada Manila 19年度3Q 売上高182億円, 収支均衡に到達~開業後3年弱
Melco Resorts 19年度3Q 経常益1億ドル,YoY6倍。CODの勝率回復~横浜ファースト強調
フィリピン 2019年4Q累計(1-12月)カジノ市場(GGR)データ 合計=PHP216,389 mn,YoY15%増 <施設種別> <顧客セグメント別> ライセンス(Entertainment City, Clark, Thunderbird) 12月末 施設数およびデバイス数 |
フィリピン IR開発動向
現在、マニラ首都圏において、4つの大型のカジノを含む統合型リゾート(IR)が稼働中。
2017年3月、PAGCORのAndrea D. Domingo議長は、新規IR開発計画の新方針を発表。
その骨子は、
1)マニラ首都圏では、今後5年間は新規のIRライセンスを発行しない方針
2)マニラ首都圏以外のIR計画を推進。そのミニマム投資要件は3億米ドル(マニラ首都圏エンタテインメント・シティのミニマム投資要件は10億米ドル)
この方針にもとづき、PAGCORは、2017年5月、8月にそれぞれセブ州のラプ=ラプ市、マンダウエ市にIR計画を承認した。 また、マニラ首都圏では、Bloomberry Resortsの計画であるケソン市Solaire Northを承認(2023年後半に完成予定)。
2018年1月、ロドリゴ・デュテルテ大統領が、新たなカジノ開発の全面停止を表明。その後、PAGCORが承認済のプロジェクトも停止中。大統領令は、2022年まで継続見通し。
フィリピン IR開発動向
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