MGM Resorts ラスベガス施設群におけるプロスポーツ開催を打診~利活用と関係性強化

2020.05.04 / カジノ
2020-05-04

【海外ニュース】

5月2日、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、MGM Resorts Internationalが、米国プロスポーツ団体に対し、同社のラスベガスストリップの施設群(イベント会場とホテルなど)を活用した隔離環境における公式戦開催を打診していると報じた。
同社が、施設群の一定エリアを団体に貸し切り、試合および選手を含めた関係者を収容する考え。

報道によれば、MGM Resorts Internationalが代診した団体は、米プロバスケットボール協会(NBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)、米メジャーリーグサッカー(MLS)。

現在、米国では、新型肺炎(COVID-19)への対策で、主要なプロスポーツは開催されていない。

ラスベガスのIR施設は、新型肺炎(COVID-19)への対策で、現状は営業休止、ネバダ州が回復フェーズ1に入る5月中旬以降も当面は低稼働が予想される。
同社は、施設の利活用と同時に、スポーツとの関係性の強化、認知向上を狙う。

近年、ラスベガスは、プロスポーツとの関係性を強めている。2017年にはVegas Golden Knights(NHL)、2020年よりLas Vegas Raiders(米ナショナル・フットボール・リーグ, NFL)のホームとなる。

MGM Resorts Internationalは、とりわけ、スポーツとの関係性が強い。
同社の関連会社が所有するT-Mobile Arena(同社, AEGライブが株式50%ずつ所有)は、Vegas Golden Knightsのホームである。
また、同社は、中期的な成長機会として、日本、マカオのIR事業と並び、米国Sports Bettingを挙げている。

MGM Resorts 20年1Q 実質経常損4億ドル/月資金流出3億ドル,余力1年以上。日本継続

4月30日、MGM Resorts Internationalは、2020年1Q実績を発表。
ただし、4月23日に5億ドルの社債Notes(2025年満期)の発行手続き開始時に1Q実績概要を公表済みであり、1Q数値よりも、4月以降の動向、会社の新型肺炎(COVOD-19)への対応が注目された。

MGM Resorts Internationalは、米国施設はすべて休場中(3月17日までに全施設閉鎖)、マカオ施設は営業継続中ながら顧客はほとんどいない状況。

1Q業績は、REIT取引による一過性特別利益$1,492mnを除くと、営業損益2.4億ドルの赤字, 経常損益(営業利益からネット利払費を控除)4.0億ドルの赤字。
1Qは、新型肺炎(COVID-19)の影響は、フルに表面化しなかった。1Qの売上高は、$2,253mnであったが、4月にはほぼゼロとなる見通し。

月間のキャッシュアウトフロー:
・連結ベースの1ヶ月間のキャシュアウトフローは約3億ドル。コスト削減を実施
– 米国における1ヶ月間のキャシュアウトフローは2.7億ドル(MGM Growth Propertiesを除く)
– マカオにおける1ヶ月間のキャシュアウトフローは0.5億ドル

手元流動性:
・連結ベースの手元流動性は72億ドル(現金・現金等価物68億ドル, 銀行貸付枠4億ドル)
– 米国(MGM Growth Propertiesを除く)の手元流動性は46億ドル(すべて現金・現金等価物)
– 米国MGM Growth Propertiesの手元流動性は18億ドル(すべて現金・現金等価物)
– マカオの手元流動性は8億ドル(現金・現金等価物4億ドル, 銀行貸付枠4億ドル)
・手元流動性は、現状の1年以上の継続にも耐えるバッファー

ネット有利子負債:
・2020年3月末のバランスシート:ネット有利子負債 141億ドル
– 現金・現金等価物 60億ドル
– 借入金 117億ドル, オペレーティングリース負債 84億ドル
・借入金の満期は、2022年まで到来せず

営業再開への戦略:
・現時点では、再開の時期は予見できない
・再開時には、州政府などローカルガバメントの要求を遵守し、慎重に対応、
・当社では、運営施設群の段階的な開業を進める方針

中期的な成長機会:
・日本、マカオ、米国Sports Betting

2020年度1Q業績(1-3月):
・売上高$2,253mn,YoY29%減, 調整後EBITDAR $295mn,YoY61%減, 営業利益$1,251mn,YoY3.4倍,株主帰属当期損益$807mn,YoY26倍
・1Qには、REIT取引による一過性特別利益$1,492mnを計上。営業利益以下を押し上げ
・REIT取引の特別利益を除くと、営業損益$241mnの赤字(前年同期$370mnの黒字), 経常損益(営業利益からネット利払費を控除)$398mnの赤字(同$154mnの黒字)
<地域別>
・Las Vegas Strip Resorts(米国)=売上高$1,134mn,YoY21%減, 調整後プロパティEBITDA $268mn,YoY34%減
・Regional Operations(米国)=売上高$726mn,YoY10%減, 調整後プロパティEBITDA $152mn,YoY28%減
・MGM China(マカオ, 56%所有)=売上高$272mn,YoY63%減, 調整後プロパティEBITDA $22mnの赤字(前年同期$193mn)
・Unconsolidated resorts(米国持分法対象, CityCenter-50%所有など)=調整後プロパティEBITDA $12mn,YoY70%減

MGM Resorts 27日,直近財務状況を公開~米国営業停止の中,金融市場の懸念を薄める狙い

3月27日、MGM Resorts Internationalは、新型肺炎(COVID-19)への財務状況および対策を発表。

米国営業停止の中、金融市場の懸念を薄める狙いがある。ただし、最も注目される3月16日以降のデイリーの資金流出額については明らかにせず。

MGM Resorts Internationalは、3月16日までに米国内の全施設の営業を停止。マカオ(MGM China)は、営業を継続するが、顧客はほとんどいない状況。営業通常化の目途は立たない。

<年初来の業績動向>
・1-2月の売上高は、YoY10%減。マカオの2月の15日間の営業停止が響いた
・1-2月の株主帰属当期利益は、13億ドルと高水準(前年同期2,700万ドル)。ただし、不動産売却益(セール&リースバック)の一時利益15億ドルを含む
・3月には、深刻な損失が発生へ

<支出管理(営業費用、設備投資)>
・当面、支出管理を推進
・米国内施設レベルでは、営業費用の60-70%は変動費であり、そのレビューを徹底
・人件費については、新規雇用凍結、休暇推進、人員削減に取り組む
・設備投資の延期を推進。2020年の米国内設備投資の33%の先送りを決定

<バランスシート(*)>
(*)米国オペレーションのみ。すなわち、連結バランスシートより、マカオMGM China, 米国REITであるMGM Growth Propertiesを除く
・これまでに米国施設のほとんどをセールリースバック済み(借入金が減少。同時にリース債務が発生)
・現在、キャッシュ39億ドルを保持。うち、15億ドルはリボルビングクレジットラインの引き出し
・現在、借入金残高は55億ドル。今後、2020年末までの利払いは2億ドル
・今後、2020年末までのリース料(セールリースバックによる)は約10億ドル。MGM Growth Propertiesからの受取配当をネットすると約7.3億ドル
・2022年までに満期が到来する借入金はない

MGM Resorts Internationalの株価(3月27日終値)は、、時価総額60.6億ドル, 年初から64%低下。IR事業者の中でも突出した下落率。

企業別の明暗が分かれるポイントは、事業の固定費負担の大きさ(施設数, 固定資産, 従業員数)、財務におけるネット有利子負債の大きさ。
主力の米国、マカオの売上高がほぼ消失する中、固定費負担がそのまま損失・資金流出となり、財務体質を直撃する。

米国:新型肺炎 25日, 全米ほぼすべてのカジノ施設閉鎖, 商業は100%~AGA, 政府に支援要請
新型肺炎 IR事業者の日本レース影響~時価総額YTD縮小 MGM79%, Wynn70%が突出

米国:新型肺炎 25日, 全米ほぼすべてのカジノ施設閉鎖, 商業は100%~MGMは3月13-16日に米国内施設を閉鎖

3月25日、アメリカゲーミング協会(The American Gaming Association, AGA)は、新型肺炎(COVID-19)の対策として、米国の商業カジノ施設のすべてが営業を停止したと発表(オンラインを除く、)。

3月23日、AGAは、同日現在で、商業、トライバル(部族民)を含む943施設が営業を停止したと発表。2018年の米国のカジノ施設数は、計966施設(商業465施設, トライバル501施設であった。
その後、25日正午までに、商業カジノ施設については、100%が営業を停止した。

MGM Resorts Internationalは、3月13日から16日までに、米国内のすべての施設を一時閉鎖を決定。再開時期は未定。
MGM Resorts Internationalの米国内施設は以下の通り。

<Las Vegas>
Bellagio
MGM Grand Las Vegas
Mandalay Bay
The Mirage
Luxor
New York-New York
Excalibur
Park MGM
Circus Circus Las Vegas
CityCenter(持分法対象関連会社 50%所有)
<その他>
Detroit, Michigan – MGM Grand Detroit
Biloxi, Mississippi – Beau Rivage
Tunica, Mississippi – Gold Strike
Atlantic City, New Jersey – Borgata
Prince George’s County, Maryland – MGM National Harbor
Springfield, Massachusetts – MGM Springfield
Yonkers, New York – EMPIRE CITY CASINO
Northfield, Ohio – MGM NORTHFIELD PARK

マカオのMGM Chinaの施設群は、営業を継続中。ただし、中国顧客が不在の状況にある。
中国、マカオ政府は、新型肺炎(COVID-19)対策として、入境者を厳しく制限中。中国政府は、中国本土におけるマカオへの個人旅行(Individual Visit Scheme)ビザ、団体旅行ビザの発給停止。

MGM Resorts 19年度4Q 実質経常益0.8億ドル,YoY33%減。マカオ閉鎖,毎日150万ドル赤字

2月12日、MGM Resorts Internationalは、2019年度4Q業績を発表。

経常損益(営業利益から利払費を控除。ベラージオの売却益を除く)は、4Q(10-12月)8,200万ドル,YoY33%減, 4Q累計(1-12月)4.14億ドル,YoY41%減。

12月末のネット有利子負債は129億ドル(リース債務を有利子負債にカウント)。

マカオの新型肺炎によるカジノ施設閉鎖(2月4日から19日。延長の可能性有)後のMGM Chinaのコスト負担は、一日当たり150万ドル(売上高はほぼゼロであり、同額の赤字)。

決算発表で強調された戦略は、
・アセット・ライト・ストラテジー(直近のBellagio, Circus Circus Las Vegasのセールリースバック)
・MGM 2020におけるコストコントロールを推進(2020年に調整後EBITDAで36-39億ドルを狙う)
・成長分野は、日本、スポーツベッティング(日本は、オリックスとともに“Osaka First-Only戦略”)

同日、ジム・ムーレン(Jim Murren)CEOが退任を発表(ただし、後任が決定するまで継続)。
ジム・ムーレン氏は、1998年にMGM Resorts Internationalに入社、2008年にCEOに就任、現在の任期は2021年末であった。

2019年度4Q業績(10-12月):
・売上高$3,185mn,YoY4%増, 調整後EBITDA $682mn,YoY3%減, 営業利益$2,960mn,YoY8.8倍, 株主帰属当期損益$2,012mn(前年同期$23mnの赤字)
・ベラージオ売却益$2,678mnを除くと、営業利益$282mn,YoY16%減, 経常損益(営業利益から利払費を控除)$82mn,YoY33%減
<地域別>
・Las Vegas Strip Resorts(米国)=売上高$1,429mn,YoY4%増, 調整後プロパティEBITDA $380mn,YoY5%減
・Regional Operations(米国)=売上高$900mn,YoY15%増, 調整後プロパティEBITDA $228mn,YoY14%増
・MGM China(マカオ, 56%所有)=売上高$727mn,YoY6%増, 調整後プロパティEBITDA $185mn,YoY10%増
・Unconsolidated resorts(米国持分法対象, CityCenter-50%所有など)=調整後プロパティEBITDA $18mn,YoY46%減

2019年度4Q累計業績(1-12月):
・売上高$12,900mn,YoY10%増, 調整後EBITDA $3,016mn,YoY6%増, 営業利益$3,940mn,YoY2.7倍, 株主帰属当期利益$2,049mn,YoY4.4倍
・ベラージオ売却益$2,678mnを除くと、営業利益$1,262mn,YoY14%減, 経常損益(営業利益から利払費を控除)$414mn,YoY41%減
<地域別>
・Las Vegas Strip Resorts(米国)=売上高$5,831mn,YoY2%増, 調整後プロパティEBITDA $1,643mn,YoY4%減
・Regional Operations(米国)=売上高$3,550mn,YoY21%増, 調整後プロパティEBITDA $970mn,YoY24%増
・MGM China(マカオ, 56%所有)=売上高$2,905mn,YoY19%増, 調整後プロパティEBITDA $735mn,YoY28%増
・Unconsolidated resorts(米国持分法対象, CityCenter-50%所有など)=調整後プロパティEBITDA $123mn,YoY17%減

2019年度4Q末(12月末)財務状況:
・ネット有利子負債$12,874mn(手元現金$2,330mn, 長期借入金$11,169mn, リース債務$4,035mn)

大阪Request For Concept(RFC)パース公開:

MGM Resorts MGM Grand Las Vegasのリースバック契約締結~アセットライト,日本進出に

1月14日、MGM Resorts Internationalは、米国ラスベガスのMGM Grand Las Vegasの不動産の売却およびリースバックの契約締結を発表。

売却先は、MGM Growth PropertiesとBlackstone Real Estate Income Trustの合弁会社。
売却金額は、25億ドル(リースバック契約の年間賃料の15.75倍)。

この結果、MGM Resorts Internationalが所有する施設は、MGM Springfield(米国マサチューセッツ州)、50%エクイティ所有であるCityCenter(米国ラスベガス)、55%経済持ち分であるMGM Growth Properties Operating Partnershipとなる。

2019年10月15日、MGM Resorts Internationalは、米国ラスベガスの施設であるBellagio, Circus Circus Las Vegasの売却合意を発表。この取引後、完全所有の施設は、MGM Grand Las VegasとMGM Springfieldのみとなっていた。

一連のセールリースバックは、アセット・ライト戦略へのコミットメントに沿った動き。同社は株主から金融機関等からの借入金削減を強く要請されていた。

同社は、財務自由度向上を活用し、株主還元、および、成長領域である日本のIRライセンス取得、米国のスポーツベッティングに注力すると説明。

なお、今回の取引は、セールリースバックであり、取引完了後、バランスシート上に施設価値相応のリース資産・負債が計上される。セールリースバック取引は、金融機関のローンを縮小するが、会計上の有利子負債は大きくは変化しない(会計上、有利子負債にはリース負債をカウント)。

MGM Resorts Bellagio,Circus Circus売却, 計50億ドル強~借入金削減, 日本ライセンスへ

10月15日、MGM Resorts Internationalは、米国ラスベガスの施設であるBellagio, Circus Circus Las Vegasの売却に関する合意を発表した。

それぞれ同社のアセット・ライト戦略へのコミットメントに沿った動き。同社は株主から金融機関等からの借入金削減を強く要請されていた。

同社は、財務自由度向上を活用し、株主還元、および、成長領域である日本のIRライセンス取得、米国のスポーツベッティングに注力すると説明。

なお、今回の取引は、セールリースバックであり、取引完了後、バランスシート上に施設価値相応のリース資産・負債が計上される。セールリースバック取引は、金融機関のローンを縮小するが、会計上の有利子負債は大きくは変化しない(会計上、有利子負債にはリース負債をカウント)。

二つの施設売却後、同社の所有施設は、完全所有であるMGM Grand(米国ラスベガス), MGM Springfield(米国マサチューセッツ州)、50%エクイティ所有であるCityCenter(米国ラスベガス)、68%経済持ち分であるMGM Growth Properties Operating Partnershipとなる。

Bellagioの売却に関する合意:
・売却先は、Blackstone Real Estate Income Trustとの合弁会社
・セールリースバック
・売却対価:キャッシュ約42億ドル, 新合弁会社のエクイティ5%
・MGMが支払う年間レンタルフィー2.45億ドル
・取引完了:2019年4Q
<Bellagio施設概要>
・開業:1998年, 土地面積31ha, ホテル3,933室, 営業利益(2018年度)$405 million

Circus Circus Las Vegasの売却に関する合意:
・売却先は、Phil Ruffin氏(Treasure Islandのオーナー)
・セールリースバック
・売却対価:8.25億ドル(キャッシュ6.62億ドル, 2024年満期ノート1.62億ドル)
・取引完了:2019年4Q
<Circus Circus Las Vegas施設概要>
・開業:1968年, 土地面積41ha, ホテル3,764室, 営業利益(2018年度)$44 million

MGM Resorts 17年10月マンダレイベイ銃乱射事件が和解に~最大8億ドル, 保険がカバー

10月3日、MGM Resorts Internationalは、2017年10月1日のマンダレイベイ(米国ラスベガス)における銃乱射事件の被害者関係者で構成する原告との訴訟が和解に至ったと発表。

合計の和解金は、735百万ドルから800百万ドルの間となる見通し。和解プロセスは、2020年後半に完了する見通し。

和解金は、主に、MGM Resorts Internationalの保険がカバーする。MGM Resorts Internationalは、保険カバレッジ751百万ドルを有する。

MGM Resorts 2019年度2Qに1,000人雇用削減を実施へ~MGM 2020 Plan, 損益改善に

4月29日、MGM Resorts Internationalは、2019年度1Q業績発表において、現在進行四半期中(2Q)に1,000名強の雇用削減を実施することを明らかにした。
22日からの週に、254名の解雇が実行された。

同社が2019年1月に発表した”MGM 2020 Plan”に基づく施策の一環。

”MGM 2020 Plan”の主旨は、コスト削減、利益率の向上、米国事業の調整後EBITDA(年間)のUS$300mnの改善。
具体策は、1)組織改善と営業効率化、2)デジタルによる営業変革。
調整後EBITDA(年間)改善幅US$300mnのうち、2020年末までにUS$200mnを、2021年末までにUS$100mnを実現する計画。
”MGM 2020 Plan”は、2015年以降、実施されている”Profit Growth Plan”に追加する措置となる。

マカオ ゲーミング・コンセッション関連

マカオ:行政長官 カジノ営業権再入札プロセスに言及~21-22年前半。改めて”更新”否定

4月20日、賀一誠・マカオ特別区行政長官は、2020年後半にゲーミング法改正に関するパブリックコンサルテーションを実施することを明らかにした。
同時に、改めて、次回のゲーミング・コンセッション(カジノ営業権)の発給プロセスは、新規再入札であり、自動更新ではないことを強調。

今後の流れは、ゲーミング産業の中期レビュー・レポートの分析、パブリックコンサルテーション、ゲーミング法改正、ゲーミング・コンセッション再入札の実施となる。
新型肺炎(COVID-19)の影響で、作業は遅れ気味であるが、2020年後半にパブリックコンサルテーションを実施予定。

ゲーミング・コンセッションの再入札における焦点は、何社分が発給されるか、現有コンセッション保有者の喪失の可能性、新規事業者の参入の可能性。

2019年4月19日、崔世安・前行政長官は、政府として、ゲーミング・コンセッション再入札が、現行営業権の満期(2022年6月26日)前に実施されること、延長オプションを行使しない方針を明らかにした。
現在のゲーミング法では、行政長官は、その権限により、ゲーミング・コンセッションの最大5年間の延長が可能。

マカオでは、コンセッション保有者(および、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、強大な権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション 満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

MGM Resorts International & オリックス 営業活動

MGMオリックス 大阪RFP単独~府市交渉, 関西企業20社の出資交渉加速

・2月14日、RFP審査書類の提出締切の後、吉村洋文・大阪府知事は、RFP参加がMGMリゾーツ・インターナショナル/オリックスのみとなったことを明らかにした
・ゲンティン・シンガポール、Galaxy Entertainmentは、大阪RFP見送りを決定
・事実上、大阪府市のパートナー事業者が、MGMリゾーツ・インターナショナル/オリックスに決定
・今後、大阪府市とMGMリゾーツ・インターナショナル/オリックスの交渉力バランスは変化へ。無競争ゆえに事業者側が優位に
・MGMリゾーツ・インターナショナル/オリックスは、RFP提案における総投資額(建築コスト、開業費、インフラ負担など)を縮小する方向にインセンティブが働こう
・MGMリゾーツ・インターナショナル/オリックスは、関西有力企業の20社に出資を呼びかけ中。出資交渉は加速しよう

MGM&オリックス 関西20社に計1,400億円の出資要請, 4月まで~日経

・2月3日、日本経済新聞などは、MGMリゾーツ・インターナショナル、オリックス連合は、大阪IR共同事業体の動きをレポート
・ポイントは、
– 共同事業体の総投資額は1兆円規模
– エクイティ部分には、MGMとオリックスの2社で過半を出資
– 関西企業を中心とする約20社に、共同事業体への参加、出資を呼びかけ
– 約20社への要請額合計は最大1,400億円
– 各社への出資要請額は、数億円から100億円の範囲。IR事業との関連性で金額を差異化
– 約20社には、パナソニック, JR西日本や京阪HDなど鉄道各社, 関西電力や大阪ガスなどエネルギー各社, ダイキン工業を含む
– 各社は、4月に向け、共同事業体への参加、出資を意思決定へ
– 日本経済新聞社は、各社が要請通りに出資するかは不透明、パナソニック幹部「現時点では何も決まっていない」とした

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