パチンコホールのオウンゴールを狙うメディア

2020.04.16 / コラム

スポーツ紙や夕刊紙がコロナの直撃を受けている。プロ野球の開幕のめども立たない中、紙面を埋めるネタがない。先日、元ヤクルト監督の関根順三さんが93歳で亡くなられた記事が、スポーツ紙の一面トップを飾った。例年ならこの時期、プロ野球ネタが一面トップを飾るが、あらゆるスポーツが休止状態では、こうなることもやむを得ない。

大リーグも中止。紙面を埋める記事がないので「文字を大きくするか」と半ばやけ気味になっている。

夕刊紙はコロナネタならいくらでもあるが、こればかりでは食傷気味になる。外出自粛で芸能人も出歩かないのでネタがない。さらに駅売りが主体では、サラリーマンの在宅勤務が増えれば、増えるほど当然売れなくなる。

で、彼らのネタ探しのターゲットになっているのが、パチンコだ。紙媒体だけでなくテレビもしかり。

在京キー局から業界関係者のケータイに1本の電話が入った。

「11日に都内で営業しているパチンコ店を教えてもらえませんか?」

小池都知事が10日に発表した休業要請業種の中にパチンコ店が入ったのを受けて、休業要請を無視して営業している絵を撮りたいわけだ。

パチンコ業界を陥れることに協力できるわけもなく「そんなことは自分で調べろ! 聞くところを間違っている」とピシャリと断った。

3月29日、TBSのサンデーモーニングで都内が自粛ムードの中で人出が少なくなった繁華街の対比でホールの朝の行列を放映。客の顔はモザイクを入れるが、店の看板は消さずにホールが特定できる悪意のある編集で1社を悪者にした。その二番煎じをテレビ局は未だに狙っている、ということだ。

一般紙も7都府県に緊急事態宣言が発令された翌8日の大阪・西成のホールの朝の並びを「パチンコ客はどこ吹く風」の見出しと共に写真付きで紹介した。

「メディアもネタがないのでパチンコは格好のターゲットになる。客を守るというのなら営業しないこと。パチンコ業界は客を大切にしていない、と言われかねないように、オウンゴールにはくれぐれも注意してください」(週刊誌記者)

専門家委員会は通勤電車は3密にはあたらないとの見解を示している。理由は車内で客が会話しないのと、窓を開けて換気に勤めているから、3つの条件に該当しないというのが理由。それなら、パチンコも客はしゃべらないし、換気はいい。

休業に入ったホールは1カ月は辛抱するが、さらに延長が要請されたら体力は持たない。営業を再開することになるだろうが、これはパチンコに限らずどんな業種でも当てはまることだ。







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