皆が撤退するときがチャンス。民泊業を諦めないホールオーナー

2020.04.13 / コラム

以前、民泊経営からホールへ転職した人のケースを紹介したが、民泊問題の第二弾だ。

ホールオーナーの親族が都内で民泊用のマンション10室を副業で運営していた。インバウンド特需で非常に業績が好調だった。さらに部屋数を増やし4月には会社組織にして、ホールの第二の事業の柱にすることを視野に準備を進めていた矢先に、コロナショックである。

客の大半が中国人だったために、現在は稼働率0%。

民泊業界では大幅に値段を下げ、日本人相手に一泊1000円を打ち出すところもあるが、それでも客が来ないので500円まで下げているケースもある。

延期になった東京オリンピックは来年7月23日開催が決定した。本当にそのころまでにコロナが終息しているかどうかは誰にも分からないが、それでもオーナーは決断を下した。

「来年のオリンピックに向けて市場は回復する。それまで頑張れ。援助する」

2LDKのマンションで一泊2万5000~3万円。ホテルがダブルで1万5000円が相場とすれば、マンション民泊ならこの広さに5~6人の家族連れが泊まる。ビジネスホテルよりも部屋や風呂が広い。

「民泊は競争相手がいなくなるから今がチャンス。持ちこたえられたら必ずチャンスが来る。ビジネスホテルのように特化したところはきついが、民泊は他に転用できる。賃貸に出すことだってできる」(オーナー)と至って前向きだ。

民泊を始めて2年ほどだが、この間に中国人のゴミ捨て問題、騒音問題の対処方法のノウハウもつかんだ。

実は、民泊を第二の柱にすることを予定したように、閉店予定ホールをホステルに改装すべく図面まで引いていた。しかし、今すぐに改装しても集客は望めないので寸前でペンディングにした。

「パチンコのようなランニングコストはかからない。10年でホールよりも利益が逆転する。後は中国人観光客がどれぐらいで戻ってくるかにかかっている。今後1年は戻らないだろうがチャンスだと思っている」(オーナー)とホステルもまだ諦めてはいない。

商売上手な中国人はこんなことではへこたれないだろう。規制をかいくぐってでも金儲けに走るバイタリティーはある。

ただ、今回のことで教訓になったのは過剰なまでの中国頼みは怖いということだ。広く浅く海外から観光客が再び日本に訪れるようになるその日まで…あとは体力勝負である。








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