フィリピン:新型肺炎 大統領令, ルソン島封鎖4月30日まで~国際IR施設の閉鎖も延長
2020.04.09 / カジノ【海外ニュース】
4月7日、フィリピン政府は、新型肺炎(COVID-19)の対策で、本島であるルソン島の封鎖を4月30日まで継続すると発表。
政府によるステートメントは、封鎖期間の非生活必需サービスの休業を含む。
マニラ首都圏の国際IR各社は、政府より再開の指示が出るまで、カジノフロアおよびショップなど施設の休業を継続する方針(PAGCORは、飲食店の営業は容認)。
3月15日、フィリピンのゲーミング当局(Philippine Amusement and Gaming Corp, PAGCOR)は、カジノを含むすべてのゲーミング事業(PAGCORの規制対象)の即時停止を発表。その期間は、少なくとも3月12日の大統領令の期間(3月15日~4月14日)は継続される。
3月12日、ロドリゴ・デュテルテ大統領は、マニラ首都圏の1ヵ月間(3月15日~4月14日)の封鎖(Community quarantine)を発令。
なお、PAGCORは、ゲーミングエリア内の飲食店の営業は容認。また、IR内のホテルの営業は容認するが、大規模イベントは自粛を求める。
アジア太平洋地区の主要市場(行政管轄区)では、マカオのみ営業継続中。ただし、マカオの営業継続は、雇用維持の目的が大きい。マカオでは、厳しい入境制限(中国本土, 香港, 台湾のみ入境可)、中国本土によるマカオ・ビザ発給停止(個人、団体)により顧客はほとんどいない状況が続く。
営業停止中の市場(行政管轄区)は、韓国(カンウォンランド-自国民の入場可能-, 外国人専用施設)、カンボジア、ベトナム、フィリピン・マニラ首都圏、シンガポール、マレーシア(Resorts World Genting)、オーストラリア・ニュージーランド全施設など。
フィリピン:新型肺炎 マニラ首都圏封鎖, 3月15日から1ヶ月間/PAGCOR, ゲーミング即時停止
フィリピン:新型肺炎でマニラ首都圏封鎖, 3月15日から1ヵ月間~市場3-4割縮小見込み
3月12日夜、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、新型肺炎(COVID-19)の感染拡大防止に向け、3月15日から4月14日まで、マニラ首都圏を封鎖を発表。
封鎖の期間、国内におけるマニラ首都圏への出入りが禁止される。また、外国人については、感染者が出ている国からの入国を制限する。
ニノイアキノ国際空港では、国内便のほぼ全てが運航休止。国際線は運航するが、入国は原則としてフィリピン国民、その外国人配偶者、永住ビザ所持者、外交官ビザ所持者に限る。
同日、フィリピンのゲーミング当局(Philippine Amusement and Gaming Corp, PAGCOR)のCEOであるAndrea Domingo氏が記者会見を実施。フィリピン・ゲーミング市場の見通しについて、以下を述べた。
・2月以降、ゲーミング産業のGGR(Gross Gaming Revenues)は、30-40%縮小
・最も打撃が大きいセクターは、カジノにおけるジャンケットオペレーター部門(国際IR4施設におけるGGRの6割を構成)。ビジネスの50%ほどが消失。中国、韓国の顧客が主体
・PAGCORが設定した2020年のゲーミング産業のGGRの目標であるPHP290 billion,YoY11%増(約6,080億円)は達成困難
国際IR4施設とは、マニラ首都圏(Entertainment City, Newport City)の以下の施設群。2019年度には、ゲーミング市場全体(カジノ、電子ゲームなど含む)の約7割を占有。
City of Dreams Manila(事業者:Melco Resorts Philippines)
Resorts World Manila(事業者:Travellers International Hotel Group)
Solaire Resort & Casino(事業者:Bloomberry Resorts)
Okada Manila(事業者:Tiger Resort, Leisure and Entertainment、ユニバーサルエンターテインメント子会社)
フィリピン:2019年度4Q統計 国際IR4施設GGR 3,587億円,YoY17%増~各施設とも順調
2月2週、フィリピンのゲーミング当局(Philippine Amusement and Gaming Corp, PAGCOR)が、2019年度4Qのカジノ市場(以下Gross Gaming Revenues, GGR)を発表。
2019年度4Q累計(1-12月)の市場は、PHP216,389mn,YoY 15%増(約4,696億円)。
うち、マニラ首都圏の国際IR4施設の合計(Entertainment City)は、PHP165,284 mn,YoY17%増(約3,587億円)、全体の76%を占有。
国際IR4施設とは、
City of Dreams Manila(事業者:Melco Resorts Philippines)
Resorts World Manila(事業者:Travellers International Hotel Group)
Solaire Resort & Casino(事業者:Bloomberry Resorts)
Okada Manila(事業者:Tiger Resort, Leisure and Entertainment、ユニバーサルエンターテインメント子会社)
現在、フィリピン証券取引所の上場企業は、Bloomberry Resortsのみ。
Melco Resorts PhilippinesおよびTravellers International Hotel Groupは、2019年に同市場の上場を廃止した。
Tiger Resort, Leisure and Entertainmentは、同市場への上場を準備中。
個社の業績動向は以下の通り。
フィリピン Bloomberry Resorts 19年度3Q 当期利益86億円,YoY3.5倍~好調, 日本コメントなし
ユニバーサルE Okada Manila 19年度3Q 売上高182億円, 収支均衡に到達~開業後3年弱
Melco Resorts 19年度3Q 経常益1億ドル,YoY6倍。CODの勝率回復~横浜ファースト強調
フィリピン 2019年4Q累計(1-12月)カジノ市場(GGR)データ 合計=PHP216,389 mn,YoY15%増 <施設種別> <顧客セグメント別> ライセンス(Entertainment City, Clark, Thunderbird) 12月末 施設数およびデバイス数 |
フィリピン IR開発動向
現在、マニラ首都圏において、4つの大型のカジノを含む統合型リゾート(IR)が稼働中。
2017年3月、PAGCORのAndrea D. Domingo議長は、新規IR開発計画の新方針を発表。
その骨子は、
1)マニラ首都圏では、今後5年間は新規のIRライセンスを発行しない方針
2)マニラ首都圏以外のIR計画を推進。そのミニマム投資要件は3億米ドル(マニラ首都圏エンタテインメント・シティのミニマム投資要件は10億米ドル)
この方針にもとづき、PAGCORは、2017年5月、8月にそれぞれセブ州のラプ=ラプ市、マンダウエ市にIR計画を承認した。 また、マニラ首都圏では、Bloomberry Resortsの計画であるケソン市Solaire Northを承認(2023年後半に完成予定)。
2018年1月、ロドリゴ・デュテルテ大統領が、新たなカジノ開発の全面停止を表明。その後、PAGCORが承認済のプロジェクトも停止中。大統領令は、2022年まで継続見通し。
フィリピン IR開発動向
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