ピデアな男 箱山孝幸(イレブン大師店 店長)
2020.04.10 / 連載厄除け大師として知られるパワースポットの川崎大師のすぐそばに、元・日本一小さなパチスロ専門店がある。総設置台数は50台。大型化が進む中でも、平均1万枚以上のアウトを誇る高稼働店だ。
同店の責任者を務める箱山孝幸店長は、大学卒業と同時に同店を経営する有限会社丸信企画に入社。極小店舗だからこそ見えるパチンコ・パチスロ店運営の極意は、非常にシンプルなものであった。

吹けば飛ぶくらいの小さい店だからこそ
お客さまからの信頼が非常に大事になる
PiDEA編集部(以下略編)このイレブン大師店が日本で一番小さい店舗なのでしょうか。
箱山孝幸店長(以下略箱) いえ、実は日本一ではありません。大阪の方に48台のお店があると聞いたことがあります。当店は2018年に店舗リニューアルをしたのですが、その時に増床して50台になりました。それ以前は34台でしたので、たしかに日本一設置台数の少ない店舗でした。
編 いろいろとお聞きしたいことはあるのですが、まずは店長のことから。業界歴はどれくらいですか。
箱 業界歴は18年くらいの現在40歳です。
編 この18年間ずっと現在の丸信企画の生え抜きということでしょうか。
箱 はい。大学時代にイレブン大師店でアルバイトをしていて、卒業と同時に社員になりました。
編 18年前というと、「北斗」「吉宗」が隆盛を誇っていた4号機のピークの頃ですね。当時から大型店はあったと思いますが、極小店舗に勤めるということは、不安はなかったでしょうか。
箱 入社当時から当店の稼働は業界の中でもトップクラスでしたので、働いていて楽しかったんですよね。
編 どれくらいだったのでしょうか。
箱 1万5000枚以上はまず間違いなく入っていて、最高で1万6500枚くらいは入っていた店舗でした。
編 それはすごいですね。ちなみに現在の稼働はいかがでしょうか。
箱 平均で約1万枚で、多い時で1万2000枚ほどです。
編 なぜこの規模でそれほどの集客が可能なのでしょうか。
箱 これに関しては昔からやり方は変わっていなくて、丁寧に一つひとつのことを当たり前にやっているだけです。

編 設定など営業の面ではどうですか。
箱 これだけの距離感ですのでお客さまの顔色を見て設定を決めることはよくあります。ホールコンのデータだけではなく、そういったことの積み重ねなのかなと考えています。
編 今はコロナ禍で人通りは少ないですが、普段は多い場所ですよね。立地的にはどうお考えですか。
箱 人通りのほとんどが参拝の方で、その流れでくる方はほぼいないと考えています。それこそ元旦から1週間くらいは、初詣ついでの方が運だめしで数千円勝負することはありますが、基本的には毎日同じ方に来ていただいています。
編 店長ご本人にお聞きするのも変な話ですが、この規模で高稼働できているのって不思議に思わないですか。
箱 このご時世店舗の大型化も進んでいるし、小さい店が淘汰されていくのを目の当たりにして、それでも当店が生き残っているのは、不思議かもしれませんが、やっていることは間違っていなかったんだなと思います。
編 昔からブレていないところってどんなところでしょうか。
箱 基本的に薄利であることは間違いないのですが、お客さま一人ひとりを大事にしていることですね。会社も現場の判断を尊重してくれるため、非常にやりやすく仕事をさせてもらっているのはあります。
編 現場の判断を尊重するとはどういうことですか。
箱 極端なたとえになりますが、「9割営業を確実に守ってやってくれ」というような話はされていません。むしろ8割、9割になってしまっても許容の範囲内で、それよりも目の前のお客さまの信用を失うことはしてはいけないと言われています。
続きは4/15発行のPiDEA Vol.164で
