緊急事態宣言下でホールの営業は?

2020.04.07 / コラム

新型コロナウイルスで志村けんさんが3月29日に亡くなられ、感染拡大が急速に進む東京都は小池都知事が引き続き土日の不要不急な外出自粛を要請したことを受け、パチンコ業界では都内の250店舗あまりが4月4日、5日の臨時休業に踏み切った。当日はデパートを始め大型商業施設も営業を休んだ。

首長や専門委員会からは一刻も早く緊急事態宣言を出すように安倍首相に求めていたが、ようやく安倍首相も覚悟を決めた。7日に発令される。

では、緊急事態宣言が出た東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡のホールは今後営業をどうするのか、という問題が浮上してくる。

東京のケースでは緊急事態宣言ではなく、都知事からの要請で各ホールは自主的に臨時休業を判断したわけだが、これが緊迫感が2ランクも3ランクもアップした緊急事態宣言下で営業を続けるべきかどうかの判断を迫られる。

緊急事態宣言の有効期間は概ね3週間と言われていたが、その後に人の動きが活発化するゴールデンウィークの期間を含め5月6日まで。ライフラインを支えるスーパーや薬局、金融機関、交通機関は通常通りの業務を続けるが、大勢の人が集まるパチンコホールは休業要請の対象となる。

で、ホールは1カ月間丸々休むのか、それとも平日は店を開けて、土日だけ休むのか、時短営業をするのか、それとも自粛要請は従わない。この4択となる。内部留保がたんまりあるホールなら1カ月ぐらいは休めるだろうが…。

「協力要請で土日を休んで、緊急事態宣言が発令されて休まないのは整合性が取れません。『土日を休んだのは失敗した』という声が社内からも挙がっています。日に日に深刻化しているので店を開けるわけにもいかない。休んだ場合の従業員の給料や、その間は何をさせるのか解決しなければいけない問題は山積みです」(都内ホール関係者)

今、ホールが置かれている立場は存在感を消すことだ。それが「社会に協力することにもなる」と考えるホール社長もいる。

その一方で「大手には営業して欲しい」という声も。大手が営業するのなら中小もしやすくなる、というのが本心だが、リーディングカンパニーのダイナムは7日から緊急事態宣言の出た7都府県の店舗は臨時休業で臨む。

「前回は2日間だから臨時休業に追従したが、1カ月間は休めない」(都内ホール関係者)とうのが大方の意見だろう。

政府からの方針でキャバクラや風俗営業者にはコロナ休業の助成金は出ないことが表明されたが、不公平ということで見直しが図られることになった。飲食店などの売り上げとホールでは桁が二つも三つも違うケースでどこまで助成されるのやら。

各ホールは金融機関だけでなく高利のノンバンクからの借金を抱えながら会社を運営しているわけで、休業したくても借金を返すため、従業員に給料を出すために営業は続けなければならない。せめて家賃ぶんだけでも支払いたい、と切迫した状況のホールも少なくない。

自粛要請後も営業を続けるために、店内消毒や換気はもちろんのこと、入店時にお客さんの検温を実施したり、ホールがマスクを用意してお客さんに必ず着用してもらっているホールもある。

しかし、店を開けてもお客が来ない状況も考えられる。高稼働ホールの客足がかなり落ち込んでいるところもある。この1カ月間は辛抱のしどころだが、それで収束に向かうのであれば協力するしかない。これが自粛が半年ともなると持ちこたえられなくなるホールが続出する。

影響は当然メーカーにも出てくる。

直近ではこんな問題が起こっている。

目前に迫るGW前は新台入れ替えが活発化する時期だが、今年はGWどころの騒ぎではなくなった。自粛、自粛で新台を入れ替えても客が来ないという状況も出てきた。新台を入れ替えても客が来ないのなら、GW前の新台入れ替えを延期しようとする動きもある。

コロナが終息しない今、新台入れ替えしても無駄な投資に終わってしまう。それならコロナが終息した時に入れ替えた方が何倍も効果も出る。

コロナ感染を恐れて営業マンの訪問を禁止するホール企業もある。機械が売れないなら?この際だから営業マンを4月6日から5月1日までテレワークに切り替える機械メーカーも出てきた。

緊急事態宣言がパチンコ業界に及ぼす影響は計り知れない。








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