1日1000円なら大衆娯楽として認めてもらえる

2019.10.08 / コラム

「東大法学部を出た警察官僚にはバクチ打の気持ちは分からん。オレは中卒やけどバクチ打ちの気持ちが分かるパチンコ大学卒。今でも年間300日はパチンコを打っているが、パチンコをダメにしたのは警察行政とメーカー」と声を震わせるのは、古稀を迎える業界人。

年末に脳梗塞に見舞われたが幸い軽度で収まり、障害も残っていない。残りの人生も少なくなっていく中で、業界を誰よりも愛するが故に業界の現状を憂う。

警察行政が業界をダメにした大罪として、次の3つを挙げる。

①プリペイドカード導入
②一物一価の徹底
③再プレイ手数料なし

①は過ぎ去ったような問題だが、②と③については「商売の中まで手を突っ込んできてグチャグチャにした。一物一価が崩壊のスタートで、再プレイの手数料問題がさらなる追い打ちをかけた」と憤る。

「パチンコは1玉4円で貸して、3円で買い取る。1円が利ザヤと言う商売。再プレイで手数料を取るなということは、貯玉したお客さんは、翌日は3円の貸し玉で遊んでいるのと同じ。1円の利ザヤが取れないからホールの釘は必然と閉めざるを得ない。貸し玉で遊ぶお客さんと貯玉で遊ぶお客さんが平等で、お互いがwin winの関係になる方法が手数料を取ることだった。貯玉で繰り返し遊んでもらうためには手数料は絶対必要だった。その手数料を取ってはならないとなったために、ウチは再プレイを止めざるを得なくなった。出玉共有も止めた。従業員はベテランの高齢者ばかりだが、それでも、地域ではAクラスのホールとしてやっている」

建物も従業員もロートル感が漂うが、どうすればお互いがwin winの関係になるかを考え、実践してきたためにAクラスホールになった。

「ホールが生き残る方法はただ一つ。真の娯楽場を作ること。娯楽とは何か?その答えが出たら明日が見えてくる」

真の娯楽場——今のホールの現状とは大きくかけ離れている。

人間は生きていく上で多かれ少なかれストレスは溜まるもので、そのストレス解消の場が戦後復興期の日本で、パチンコがその役割を果たしていた。今のパチンコは機械もホールの運営方法もストレスが溜るばかりである。

「大衆を相手にした娯楽と言うのなら1日の金額は1000円がMAX。毎日来てもらっても月に3万円。それでも3万円が全部消えるかと言えばパチンコにはリターンがあるので、3万円は消えない。3万円の中に喜怒哀楽がある。これが他の産業との大きな違い。大衆娯楽から大きく逸脱してしまったから、パチンコは“悪” と世間から叩かれるようになった。パチンコが娯楽産業として社会貢献できることが全ての答え」とキッパリ。

確かに1日1000円程度の消費金額なら大衆娯楽として世間も認めてくれ、依存症で叩かれることもない。

この売り上げでもホールが運営できるには、メーカーを筆頭に構造改革しなければ実現することは難しい。













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