【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座
[第32回]ホール1万店舗時代へ突入か
「また年を取ったのかぁ〜」と思おうが、悔もうが、悲しもうが、喜こぼうが、こうして2015年のコラムが書けている事に、私自身としては心から感謝しております。世界中のどの人にも、地球上のどの存在にも、全てに平等な事がたった一つある。それが時間である。そしてまた「2015年−365日」が始まっているのである。そんなんこんなんで、今年2015年におけるパチンコ業界を、私「高橋正人」が、ある事ないこと勝手に、大胆予想をしてみたいと思います。
※尚、以下の内容は、「私の勝手な見解」であって、内容を保証するモノではありませんので悪しからず。
■政治的予想1〜【賞品の提供】
まずは、2015年の「通常国会」が始まるのが、1月下旬だと思われる(2014年は1月24日召集)。ここでパチンコ業界にとって問題となるのは、やはりカジノ。この議論の賛否がどう進もうが、「換金」というテーマが議論され、結果的には「パチンコはどうなんだ?」という話になってしまう。この結果、パチンコ業界的には「適正な賞品の提供」と言う言葉がすべてとなり、結果的には「一物一価提供の徹底」とともに、「自家買いの排除」=「三店方式の徹底分離化」は、更に強化される事となり、摘発も増加する。その他関連する事案としては、①「ダンピング問題」も「問題無し」として、旧態の「業界等価営業」に戻る事となる。②提供賞品の上限価格が「遂に3万円!(税別)」となり、更なる「提供賞品の充実化」が推進される。
■政治的予想2〜【ぱちんこ税】
更には「ぱちんこ税」なるモノまでが、再度議論のテーブルに上がる可能性もある。これは上記「カジノ問題」とは全く別の次元の話で、その根拠は「現政府が行いたい法人税減税の穴埋め」である。法人税は1%で5000億円とも言われる減税になるのだから、財務省としては「その代替財源」が必要なのであろう。そこで「1%で2000億円!?」と言われる、「ぱちんこ税」を目論んでいるのであろうが、ココには多くの「法改正」問題が絡んで来るので、そう簡単に出来る事じゃ無いし、「パチンコ店の賞品買取の合法化」なんて、本当に出来るのだろうか。まぁ2015年中に成立する事は無い。
■遊技機の予想1〜【パチスロ】
もう既に決まっている事だが、「12月1日」からは「サブ基盤制御での出玉率変動(AT・ART)機」は新機種設置は出来なくなる。無論その前に「2014年9月16日からの監査基準見直し」対応機種しか受け付けられない事となっている。そこで登場してくるのが「これが最後のAT=3.0枚スペックです」の売り込み合戦と、つい釣られるホール側である。現在「1000店舗(以上)」と言われる「スロ専」は3分の1程度まで完全淘汰され、数百店舗は閉店となる!!
■遊技機の予想2〜【パチンコ】
2014年に「ヘソ賞球=最低1個」まで可能とした新内規への内規変更があったが、今年は更に「出玉性能アップの見直し」と、「抽選方式の手法拡大」が行われる。新機種リリースは「MAXは旧基準」「ライト・甘は新基準」と二極分化になる。新台の販売価格はついに「40万円を突破!」となり、「税込50万円時代」になってしまう。それに伴い「中古流通基準」が見直され、一部メーカーが「メーカー保障」しか認めない方向性を打ち出し、日工組はこれを承認する事態となる。
■業界の予想1〜【参加人口】
とっくに1000万人を割り込んでいる現状から、2015年は『既に900万人!?』から始まっていると想定される。そして「スロットの顧客離れ」が加速する事で、「850万人」程度まで落ち込む事となる(※コレが分かるのが、2016年の夏頃のレジャー白書)。しかし「貸玉(コイン)金額別の貯玉の相互乗り入れ」「パチンコ・スロットの貯玉の相互乗り入れ」も可能となり、参加人口は一旦下げ止めとなる。
■業界の予想2〜【ホール事情】
一応2015年現在の店舗数は「1万1500店舗」で、その法人数は「概ね3500社」と想定。設置台数は、概ね「パチンコ=300万台」「スロット=160万台」の「合計=460万台」程度と想定される。これが、今年1年間でどうなるのか。店舗数は「10000店舗」、法人数は「3000社」、設置台数は「パチンコ=270万台」「スロット=130万台」の「合計=400万台」程度となる。
■業界の市場推移3〜【メーカー事情】
パチンコメーカーは「日工組35社」で大きな変動も無く、表面的にはそのまんまである。が、しかし裏では「業務提携」と言う合併まがいの内約が多々交わされ、実質的なグループ統合化が進行されていく。パチスロメーカーはこの現象が更に顕著となり、「日電協25社」は残るモノの、その他非加盟10社程度が売買・吸・併合され、その社名すら過去のモノとなる。
<総評>
結果的には、それぞれの分野で「二極分化」が細分化されて進行する事となる。「大手と中小の二極分化」時代は終わり、大手は大手どうしの二極分化、中小は中小どうしでの二極分化が更に加速する。市場は明らかに縮小するが、
大手は「スクラップ&ビルド」で生き残り策を考え、中小は「スクラップ」のみでの生き残りを考える時代となる。
そして失敗した場合は、即業界からの退場を強いられるであろう。そんな時代が来ない事を切に祈りたい謹賀新年である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高橋正人
パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。