消費税10%がホールにどのような影響を及ぼすか?

2019.02.23 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(202) Prime AIセミナー(5)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。3/8(金)、東京上野のオーラムにて開催される「PrimeAIセミナー」に登壇いたします。今回のメインテーマは新基準機および6号機への完全移行に向けて今できることの提示となっており、サン電子株式会社情報戦略部の長谷川武亮氏、有限会社TKC代表取締役の高橋正人氏のお二人とともに「遊技機に頼らない営業戦略」についてお話しする予定となっています。

そこで短期集中にてこのセミナーで私の担当する内容についてお伝えしており、今回は「消費税の認識」についてお伝えいたします。

2019年10月、延期に延期を重ねてきた消費税10%への移行が実施されます。消費税増税に関する必要性や是非などはさておき、これがどのような影響を及ぼすかをしっかりと認識する必要があります。
まずは図①をご覧ください。



これは一般的な売上総利益(粗利益)と営業利益の計算です。売上から原価(景品金額)を引き、支払った消費税を含めた販管費を差し引くことで営業利益が求められています。なお最下段は内税営業ということで最上段の売上から消費税8%を引いた実際の売上を記載しています。

しかしこの計算は正しくありません。なぜなら、「お客様から預かった消費税」を考慮していないからです。ここで図②をご覧ください。



これは預かり消費税を計算に入れた、正しい租税公課の数字での利益計算です。なんと、営業利益はおよそ1/10になってしまいました。

消費税というものはその名の通り、消費した段階で課税されます。消費する主体は顧客なので負担するのはもちろん顧客ですが、納めるのはその消費税を預かって徴収した事業者となります。これまでパチンコ業界ではほとんどの店舗が「内税」での営業をしており、見かけ上の売上をベースに利益計算をする企業が多かったこともあり、半期に一度の中間納税では消費税納税の負担を重く感じていました。
改めてこれから必要なのは、「毎月の預かり消費税を控除した実際の売上」での利益計算をすることです。(図①②の最下段)

それでは最後に、「同じ営業で消費税が10%になったらどうなるか」のシミュレーションを記載します。(図③)



この試算では、同じ営業(同じアウト、同じ台売上、同じ利益率)ならば「営業赤字(営業損失)になる」ことがわかります。

次週は今回の続きとして、「どうすれば、この状況を打破できるか」をお伝えします。
・外税にするとどうなるか?
・利益率アップでの対応は?
・その他の対応はないのか?

「業界的パラダイム(ものの見方、考え方を支配する認識の枠組み)」を変えるべきときは、「今」です。

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■ PrimeAIセミナー開催
2018年3月8日(金)、東京上野オーラムにてPrimeAIセミナーが開催されます。今回はメインテーマを「新基準機、6号機完全移行に向けて、今できること」とし、サブテーマは「迫る消費税率引上げ、備えは待ったなし!!」としています。
<登壇予定者>
サン電子株式会社 情報戦略部 長谷川武亮氏
有限会社TKC 代表取締役 高橋正人氏
アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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