高橋正人「11月後半の新台入替を考察する」

2014.10.22 / 連載

高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第20回]不要なら買うな!

10月後半は、甘デジ軍団の襲来である。「リング運命」と「稲川淳二」のライトミドル(1/200)があるが、それとて「リリースが早すぎる傾向」は否めず、新機種としても「F.クィーンⅡ」で集客インパクトは小さい。

◆一つは新機種「少台数&全部導入」戦術
パチスロの新機種が少なく。パチスロ新台顧客層の行き先・受け皿が問題となるであろう。しかし、その客層は前半の「北斗の拳6拳王」が受け皿となっており、後半でのパチンコ集客がもし可能であれば、「北斗の客が減ること」を先ずは理解しておきましょう。そもそも「パチスロに残っている顧客を引き付けることとはならない」でしょう。

では、どうするか。結論は簡単、「要らないモノは買わなければ良い」。その予算は「12月の機種」への投資に回すのが正しい選択。唯一「買う動機」としては、今後のパチスロリリースに対する機歴として、「藤商事」と「SANKYO」に2メーカー。地域差はあると思われるが、スロットの「受注が高まる可能性の機種」に対しては、それなりに敏感になっておいて損は無い。しかし、「予算は12月へ」の考え方は変わらない。今の時点では、「稼動貢献」より「集客貢献」が優先される時期となる。

◆「ルパン甘」から学ぶ
それなりの主要コンテンツであり、主要機種だった「ルパン三世7」からの甘デジリリースの低稼働状況はショックでもあり、一方で、今後の対応に一つのテーゼを教えてくれている。

(1)大型コンテンツ機種の稼動低下するタイミングでの「甘デジリリース」は危険であると言う事。顧客から見れば、『そのコンテンツ機種でそれなりに負けている』訳で、いくら甘デジになったからと言って再び、「さぁ打つぞ!」とはならない可能性がある。「長期に渡って稼動した」と言う事は、既にその演出にも飽きている可能性が高い。ただ、高稼働が維持されている状況であれば、甘デジ稼動の可能性は十分あるのだろうが、そうなると以前にリリースされている主要機種の稼動への影響も出る訳で、微妙なところでもあろう。

(2)初リリースからの「早期再リリース」は、所詮ダメ機種なのか? どうしてもそう考えがちになるが、それは一つの条件付となる。それは「集客効果と言う部分において」である。顧客から見れば、「またこの機種を入れたのか?」「ひょっとして中古?」とか思ってしまう。それは明らかに「初期集客の効果」は少なくなり、来店動機とはならない。しかし、早期の甘デジリリースであれば、まだ打っていない打ち手もいる可能性が高い。「甘デジならチョッと打ってみようか」という可能性も高くなる。この結果、稼動貢献は上記(1)よりも高くなる傾向となる。しかし、この打ち手は元々自店舗にいたお客さまであり、いわゆる「店内移動」になる事は知っておきましょうね。

<総評>
12月前半の中心機種は、前回のコラムで書いた「花の慶次6」リリースは、来年へ延期される事もあり、「ヱヴァンゲリヲン9(MAXタイプ)」になるであろう。コンテンツとしては大型である事は否定の余地は無い。10月に集客パワーが無いヘタな機械を買う予算があるなら、スロット集客が見込み難い状況も踏まえ、ココに投下する方が良い。また、パチンコでは他メーカーはさておきとも、京楽のリリースもまだ不透明。更にスロットの新機種リリースもやや不透明。出ないかもしれないし、一気に出る可能性もある。だから11月後半の新台入替は抑えて、予算を抑えておきませんか?

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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