高橋正人「高射幸機リストの研究」

2015.10.09 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第69回]高射幸性遊技機リストって何?

多くの情報が出回る事は、混沌とした「業界の写し鏡」であるが、また同時に「間違った解釈」が出回り、それにより「先行き不安」が生じ、更に「間違った対策」を講じ、結果的に「損失を産む」事となる危険性がある。その一つに、先に出回ったパチンコ・スロットにおける【高射幸性遊技機リスト】がある。色々と噂されてきたが、<21世紀会>としても意思合意確認できた事から、『やっと公開された』感がある。とは言え、出たら出たで、『やれ年末撤去だ!』『アレはダメで、コレはOKだ!』とか多事争論が繰り返される事となるが、そもそも『何の為のリストなのか?』を確認すれば分かる事なんですけどね・・・。

■リストは誰が決めたのか?
厳密に言えば、元々の参考リストは「日電協」と「日工組」が決めたと言って良いが、最終的には【業界6団体】で「決定した=承認した」と言う事になる。常々から言っているが、【6団体=全日遊連・日遊協・日電協・日工組・全商協・回胴遊商】であり、これが今は、業界統制を行っている任意団体である。即ち、『誰が決めたのか?』の細かい問いはあまり意味が無く、『業界みんなで決めた』事となる訳ですね。

■そのリストは何の為のリストなのか?
最初に言っておくが【撤去リスト】では無い。あくまでも【高射幸性遊技機のリスト】である。確かに、このリスト以前に作成された同等なリストは「撤去リスト」であったかもしれない。でも今オフィシャルには「ただのリスト」である。ただし、『優先的に撤去しようね』と言うリストである事は確かである以上、「撤去リスト」と言われれば、『まぁ、そう言う事になるかなぁ〜』って事になる(汗

■高射幸性リストの内容は?
現在の最新リストは、パチンコ=「全22社・61機種」、スロット=「全23社・65機種」となる。決定した基準がやや曖昧だが、一応の基準として、「スロット=差玉2万枚以上のデータ有無」、「パチンコ=計算上の最大期待出玉9,000個以上」と考えて良いだろう。問題は、ここで【一応の基準】としたのは、それぞれ「2万枚」「9,000個」としたボーダーライン基準その根拠説明も無ければ、その是非も問われていない現実だからになる。これが『やっぱり1万6千枚、7,200個だな』って事になれば、その機種数も台数も劇的に大きく膨らむからである。また、本来は『特に射幸性が高い』と言うリストなのだが、コレを今は【高射幸性リスト】と呼んでいるので、お間違いないように願いたい。ただ、いずれにせよ『今は、この基準値で行く』と決めた以上、『今はそれが全て』である。先の事を想像・妄想するのは構わないが、煽られるだけで、全く現実的な意味が無い。

■では、そのリストは何の為に?
【ホールとして】と【メーカーとして】の「2つの意味」を有している。ホールとしては、『該当遊技機を検定期間内に優先的に撤去する』事。メーカーとしては、『該当機種の下取り等について適正に処理して協力する』事。・・・となる。ちなみに、その「下取り含む優遇措置(価格)」については、現状は何も決まっていない。ただ、個人的な見解として言うならば「概ね3万円程度」と言うのが、落とし所ではないか?と思っていますけどね(汗)。

問題は【優遇措置】と言うキーワードである。「特別下取り」の事を言っているのであればそれで良いのだが、例えば『概要機種を撤去する場合のみ優遇販売する』となると、これはこれで面倒な話になるので、今は避けておこうと思う。

■シェアコントロールとは別の話なので注意
いわゆる「全日遊連案」の【新基準に該当しない遊技機の取り扱い】についてでは、それぞれのシェアを「今年の12月1日」を基準参考として、「パチンコ=40%⇒30%⇒20%(以下)」「スロット=70%⇒50%⇒30%(以下)」が目標値となっている。その一環の手法として今回の【高射幸性遊技機リスト】であり、仮に『それが全部撤去されれば、全てOKでは無い』し、それ以外の高射幸性遊技機が撤去されれば、シェアコントロールはされた事になる訳で、一概に【今回のリスト=撤去リスト】では無い事も分かって頂けると思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

水曜, 高射幸性遊技機リスト, 高射幸機, 高橋正人