高橋正人「風営法改正で4号営業へ」

2015.07.02 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第55回]風営法改正の大検証

いわゆる「風営法」の正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」となるのだが、いつから「風営法」と呼ぶ事になったのだろう? 個人的には・・・「『適正に営業をする』事を前提としての法律」として存在している訳で、『【風適法】の呼称の方が絶対に良い』と思っている。まぁ呼称の話はさておき、遂に動き出した「改正」の話である。

風営法改正の施行内容の概要

<2015年5月27日>に改正案が衆議院可決、<6月17日>に参議院可決。<6月24日>付けにて「一部改正」が施行。
併せ「施行令及び施行規則と同法解釈運用基準」も同日施行となりました。今回の施行の中心的内容は、従来の「4号営業(ダンスホール等)の規定」が遂に廃止される事となりました。以前から問題提起されていた【ダンス教室】等は、指定講習を受けた場合に限って風俗営業許可不要でしたが、今後は『飲食を伴わない全てのダンス営業』に緩和された事になりますね。

ただし、施行自体は「公布されてから一年以内に施行」となっていますので、まだ現行法での営業となります。
詳細本文はこちら⇒https://www.npa.go.jp/syokanhourei/kaisei/kisoku/270624/honbun.pdf

風俗営業の区分に関しては以下の通りです。

【現在】
第1号営業  営業フロアの床面積が66m2以上の客の接待するキャバレー等
第2号営業  営業フロアの床面積が66m2未満の料理店・クラブ・キャバクラ等
第3号営業  ダンスクラブ(飲食店)等
第4号営業  ダンスホール等(ダンス教室等、1998年に一定の条件で規制対象外になっている)
第5号営業  低照度飲食店(10ルクス以下の接待しない店舗)
第6号営業  区画飲食店(いわゆる「カップル喫茶」の様な営業形態)
第7号営業  ぱちんこ店、麻雀店等
第8号営業  ゲームセンター等
      ↓
【改正後】
第1号営業  キャバクラ、キャバレー等
第2号営業  低照度飲食店
第3号営業  区画飲食店
第4号営業  ぱちんこ店、麻雀店等
第5号営業  ゲームセンター等

つまり、「1号と2号が合体」して「3号と4号が消えた」と言う事になり、以下が繰り上がって『ぱちこ営業は4号営業になった』と言う訳です。

■せっかくなので、該当法律の歴史の勉強
元々は、【1948年・風俗営業取締法】として制定された地点まで遡るが、その時点では『ぱちんこ店は入って無かった。』ぱちんこ営業が「風俗営業取締法」の」対象となったのは、今から61年前【1954年】の事である。翌年「1955年」には、「ビリヤード場(玉突場)」が対象から外された時代背景の話でもあった訳である。そして、【1959年】に「風俗営業等取締法」と改名し、「等」の名称が加わり、その規制範囲広げる必要性に対応したとの事。更にその後、大幅な改正が度々行われている。

【1985年】には、現在の名称となる「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に改正された。
【1999年】には、ネット環境に対応すべく改正が行われる。
【2006年】罰則強化と共に、禁止行為・摘発対象が明文化され、今ある「量定基準」等もこの時に発せられる事となる。

それから10年を経て、【2015年】の大幅改正である。

■ぱちんこ営業はどうなる?

従来の【7号営業】から、【4号営業】となる訳だが、現状では『何も変わらない』と言って良い。前述した風営法違反に関する「量定基準」の話だが、「2006年4月24日」付けにて発している。そしてその保存期間は10年とされ、「2016年(来年)12月31日まえ」となっている。つまり『有効期限があと一年半』となる訳である。と言う事は、来年には「新しい違反処分の量定」が公布されても、何の不思議もない訳で、十分あり得る話でもある。「健全化推進機構」の調査も今年一杯で完了し、その「調査報告」も来年早々に完了する訳で、その後の動向は予断を許さない。時代は【のめり込み防止】で動いている事から、パチンコ業界の対応も更に変化し、強い支援を期待されているとも受け取れる時代でもあり、【次なる4号営業の健全化】は必須の時代となるのであろうか?

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

 

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