高橋正人「海ジャパン稼働シミュレーション」

2015.10.15 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第70回]海ジャパンの検証

11月から始まる「パチンコ新基準」時代だが、ある意味「その新基準カテゴリー」としての王道機種と目されるパチンコ機、それが【CRスーパー海物語INジャパン−319Ver.】になる(・・・だろうと皆が想っている!?)。さてボチボチと販売営業も激化する中、とりあえず気になる「スペックシミュレーション」を検証してみようと思う。

■スペックの確認
「特賞確率=1/319.6」「確変突入&継続率=60.0%・突確=12.0%」」「通常後時短=100回」。時短100回での「引戻し率=26.9%」、トータル継続回数は「3.42回」で、いわゆる「普通の海物語」である。出玉性能は、「突確2R=0個」「16R=1,536個(計算上の最大値)」となり、こちらも「普通の海物語」である。注目すべき点としては、「通常時の保留=8個」仕様となっている事で、ヘソ「オーバーフローBY」は0に近づく事となり、また「アウト効率」は非常に高くなる。

■営業上での想定
【売上】的には「想定玉単価=1.30〜1.40円」を想定している(※利益率15%程度が想定条件)。【損益分岐点】は、今の時代なので『ベース値(=BY値)次第で変化するものである』としておくが、参考までに書き記しておこうと思います。

※条件は、以下の通り【出玉率=100%】・【16R出玉=1,500個】・【BA=90%】【SA=13.5回】
※ヘソの「保留オーバーブローは無い」モノとする(ヘソでのBY値=0%)
例①:BYmin= 1.0%・・・<有効S=5.92回>・・・「通常ベース値=18.8」※千円S=18.2回
例②:BYmin= 3.0%・・・<有効S=5.80回>・・・「通常ベース値=20.4」※千円S=18.2回
例③:BYmin= 7.0%・・・<有効S=5.56回>・・・「通常ベース値=23.7」※千円S=18.2回
例④:BYmin=10.0%・・・<有効S=5.38回>・・・「通常ベース値=26.2」※千円S=18.2回

ココで最も注目して頂きたいのは、ベース値に連動して『時間単位(100発アウト=1分)で見るS値は変動する』が、『金額単位で見る回転数は変わらない』って事です。上記の場合、「お客様が1万円打つ」際は、『182回回せる』事は、どの場合でも変わらない事になる。しかし、ベース値が上がる事により、通常時の玉持ち時間が長くなり、結果、『同額消費の場合のアウト値が増える』事を、十分に理解して頂きたいと思う。

■粗利の想定
上記のシミュレーションは「出玉率=100%」時の数値になる。つまり、「等価営業での損益分岐点」となる。ちなみに、交換率変更している場合は、【1玉=0.07回のスタート値差】が基準となる。つまり『28玉交換営業ならば「S=0.3回」程度変化する』と覚えておくと良いだろう。また、『S=0.1回は、玉粗利=5銭(等価の場合6銭)の差』と覚えておけば良い。

■初動稼働の想定
「通常時8個保留」と言う仕様と、「損益分岐がやや低め」のスペックを考慮して、更に『新しい海物語』と言うコンテンツ力を考慮するならば、初期稼働は「アウト5万は超える」と見ている。普通に考えれば「5万後半のアウト値」だって有り得る。問題は【稼働低下率】だけであり、「出玉=1,500個」と「平均継続回数=3.42回」と言うスペック体感が、「牙狼から2か月後の新台」として、海顧客含め『納得してくれるかどうか?』の問題になる。こればっかりは、「機械自体の作り込み」もポイントになるから、スペックだけからの判断は難しいので、何は無くとも『まずは試打』をしてご判断願いたいと思う。ただ一つだけスペックで書き加えるならば、「時短100回+1,500個の持玉で回せる回数」は、出玉率100%ならば、『200回を超える』事を、一応付け加えておくとしよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

エル・イー・オー, スーパー海物語INジャパン, トータル・ノウ・コネクションズ, 水曜, 高橋正人