高橋正人「具体案が出ない高射幸機の行方」

2015.09.25 / 連載
【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座
[第67回]高射幸機の行方について
 
先週の業界状況は・・・【3つの観点】がある。
 
先週は、なんだか変に騒がしい業界動向だった気がする。是も非も無く、正式も誤報も無い。あるのは、「想像」と言う言葉で現される「リスクマネージメント」への対応反応と言えるであろう。 ただ注意しなければならないのは、『断片的に見てはいけない必要性がある』のである。 そこで、先週一週間(特に17日・日工組理事会前後)の動向をまとめてみよう。 とは言っても、「方向性は確認したけど、詳細・日程は未定のまま」って感じですけど・・・(汗
 
■(1)【継続率=65%】について
当初の話では「年内持込にもありえる話」として流れていた話であり、「連チャン継続率=上限65%」と言う話である。コレを「確変継続率」と言うと「ST機=100%継続」が論理破綻してしまうので、要注意ですよ。 仮に言うならば、「高確率分母=ST回数」で概ね65%になる。また確変継続率65%だけ(時短含まない)の場合の連チャン数は「2.86回」となる。まぁ、確率=1/320未満ですから、こんなもんですかぁ〜。
 
■(2)【高射幸性遊技機リスト】について
何やら『日電協が、MY2万枚機種リストを作った』『日工組は一撃10万発機種リストを作った』とか言われているが、「事実はどうなのか?」と聞かれりゃ、『そりゃ作ってますよ!』ってな話になる。 ただ、その基準ラインは様々な言い回しになっていて、特に「パチンコは定まっていない」のが現実でしょうね。 「誰かが、何かの基準で作る」他に方法は無いのですが、最終的には「メーカーの申告」とする(なる)」のが、必然的に流れなんでしょうと、私は思っている。 少なくとも、「警察庁が・・・」とかは、オフィシャルには無いと思っています。 しかしながら、論議が生じるのは『何のためのリストなのか?』と言う疑問が残る事にある。『そりゃそうだ!』何かの必要性があるからリストを作ったのであって、不要ならば作る必要性が無いですもんね。しかし【その根拠と理由】が明確化されていない為に、色々と想像・妄想してしまう。 今言われている【撤去リスト】と言う表現だが、『当らずとも遠からず』って事になります。つまり、「年内撤去」とか「いついつまでに撤去」とかは、現在では何も決まっていないのが現状。だが、【撤去して欲しい優先順位のリスト】である事は事実でしょう。ですから、『即、撤去だ!』って事にはならない。 ではここでいう「即」とは何か?・・・とりあえず「3月まで」と考えておくのが今はベターな思考でしょう。 また、今後の課題として、この「高射幸性遊技機」の全日案に対する【シェアコントロール】がキーワードになっていくでしょう。つまり『どうなって該当遊技機の占有率を下げていくのか?』が論議されていく事になる。 ちなみに、「占有率」であって「設置台数」とは言っていないので、店舗閉店に伴い設置台数が減少しても、『そのシェア率が変わらない』のであれば、『コントロールされていない』とも言えなくも無いので、要注意である。
 
■(3)【遊技機保証書の信頼と根拠】について
パチンコだけに拘らず、スロットも含め「遊技機全般」に対して、「遊技機保証書の信頼と根拠」の問題もある。 つまり、その遊技機1台1台は、『いったい誰が保証しているのか?』の問題がある。逆に言うならば、もしも不正改造があった場合、『だれが?どの時点で?不正改造したのか?』の定義にもつながる事になる。 当然ながら、その線引き・定義・方法論については、継続論議の課題であって、「今すぐに何かの対応する」事は、物理的にも対応が難しく、行動の可能性は低くなる。・・・と私は想定している(汗)
 
<追記> この背景には、当然「カジノ問題」が見え隠れしている。また今開催されている「通常国会」は9月27日で終了する事となっているが、その後「秋の臨時国会」が召集される事は十分な想定範囲であり、「安保問題」が一応の結審となったら、『今度こそ、カジノ準備法案上程へ』となる事も、想定範囲となるであろう。いずれにしても論議が必要な国策である以上、またも【ギャンブル依存症】と【のめり込み問題】がフォーカスされる事となるであろう。『パチンコ依存症が300万人もいる!?』と言う話題も再燃しかねない現実。いかに【遊技場としての適度な射幸性】を定義するのか?・・・まだまだ論議は尽きないようである。
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高橋正人
パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。
水曜, 高橋正人