高橋正人「ポストMAX機の大研究」

2015.11.19 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第75回]来春までのパチンコ運用研究

10月で販売終了となった「マックス機」。リリース機種の中心は、この先「ミドル機」に代わる事となるであろう。が、このスペックに対して「新マックス」と言うのは、お門違いであり、メーカー側の勝手な言い分に過ぎない。なぜならば、まだまだマックス機種がホールの中心機種であり、多くの台数が残存しているからである。まぁこの先、そのマックス機も徐々に減少化に向かう事となるのだが、もうちょっと先の事であり、少なくとも来年2月頃までは、「マックス機中心」への依存は、何も変わらないだろうと想定している。しかしながら、その未来への対応は必須条件である以上、ぼちぼち思考改革をする必要性を感じている今日この頃である。

■主体は「ミドル機」になるのか?
確率199分の1前後を主体としたライドミドルへの移行も囁かれるが、それはメーカーの都合上考えられない。メーカーは「販売する事が目的」であり、顧客にとっての理想スペックでは無く、販売が伸びるスペックを最優先に開発・販売する事となる。そして、「販売台数=販売店舗数×販売ロット(店舗購入台数)」と言う定義からすれば、新台の販売店舗数が最大でも7,000店舗程度と言う現実がある限り、重要になるのは「販売ロット数」となる。

■ホールが「買うスペック」は何か?
それなりのコンテンツをどの確率帯に投入するのか? それはホールの買う台数次第である。ホール側が「甘・ライト」を中心に導入移行すれが、結果的にメーカーもそう対応するだろうが、ホールの思考は依然「その時点でのハイスペック」と言う射幸性頼みの機種選択になるだろう。無論ホールだけの責任ではなく、「顧客の嗜好」がそのベクトルになる可能性は非常に高い。結果的に『自然とミドル機が中心となる』だろう。

■12月のミドル機は前半3機種・後半1機種だけ!
(1)<CRスーパー海物語INジャパン MTD>・・・「確率=1/319.6」「確変=60%・時短=100回」
(2)<CR F.アクエリオンEVOL S>・・・「確率=1/319.7」「確変=60%・時短=100回」
(3)<CR天才バカボン5 KM>・・・「確率=1/319.6」「V確突入=50%・継続=100%」「ST=115回」
(4)<CRベルサイユのばら遥かな時を超えて FA>・・・「確率=1/319.7」「確変=66%・時短=100回」
この中、バカボン5だけが「V確仕様」であって、その他は「普通のミドル機」となる。

■注意が必要なのは「最大出玉個数」
新基準となってからは確率319分の1では潜伏確変が無い(ただし「電サポ付の突確」はOK)。必ず最大ラウンドの4分の1は必須となっている。よって最少4Rとなる事が多くなる(最大12Rならば、最少3Rになる)。そして、いわゆるベース値問題が関係し、従来の出玉個数では出玉率100%分岐点スタート値が0.4回程度下がってしまう事から、TY値を下げなくてはならない。つまり以前より「辛いスペック」となる訳である。その影響は「最大出玉」にモロ直撃となり、【T1Y値で200個程度】下げる必要性が出る。よって「最大出玉=1,500個」程度になってしまう。

更なる問題点もある
それが「交換率変更」の問題がリンクする事である。出玉が1500個とした場合、100円=25玉交換であれば「6000円」だが、同28玉交換の場合、5300円にしかならない。更にBA=90%・SA値=12.5回だとすると100回時短で80個が減る事となり、大当たり1回の獲得出玉は1420個となる。こうなると1420個÷28玉×100円=5071円で、ギリギリ5千円となる。つまり、それ以下の甘ベースでは5,000円を割る事となる。仮に東京の様に1000円単位の賞品提供だったりすれば、1回当って4,000円の可能性も出てくる。そして、通常当りの比率が増えるミドル仕様では、その体感頻度は格段と高くなる。

これが事実である以上、現存する高継続マックス機で慣れた顧客ファンは、出玉スペックダウンを感じとる可能性が高なる。こうならない為にも、確実に大当り1回5千円となる事が必須。無論、時短での出玉減少も含んでの数値である。ちなみに最大出玉の計算値は・・・【海ジャパン=1,536個】、【アクエリオン=1,568個】、【バカボン5=1,872個】、【ベルサイユのばら=1,560個】である。確実に、それなりの運用を「細部に渡り」考えねばならない事を、十分理解して頂きたいと思います。

■2015年12月のパチンコ販売台数は?
販売台数だけでみれば、ミドル機種では、【海ジャパン】がダントツの8万台超えとなる。【アクエリオン】も【バカボン5】も、1.5万〜2.0万台、【ベルサイユのばら】は5千台程度となる見込みである。まぁ甘デジの【牙狼ザルバ】が4万台と予想される中、その他の甘・ライト機種を含めて、「なんとか20万台」ってな感じ。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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